交通違反などで納付することになる反則金・罰則金を、仮に払わないとどうなるのか。
またやむを得ず払えない時、不測の出費に対応できない時の対処法はあるのでしょうか?
今回の記事では、反則金・罰金を払わなかった場合や、払えないときの対処法にフォーカスしつつ、レンタカーやカーシェア利用時の反則金の対処についてもご紹介します。
反則金・罰金を払わないとどうなる?
違反などを犯し、反則金・罰金の納付が必要なのに払わない場合どうなるのでしょうか?
基本的には想定したくない場面ですが、シミュレーションしてみましょう。
前科が付く
交通違反で取締りを受け、反則金が科された場面を考えてみましょう。
反則金とは行政処分として設けられた過料制度であり、反則金の支払いにより刑事事件の手続きが免除されます。
起訴については、次の項に譲りますが、裁判で有罪となれば、その人には前科が付きます。
前科の有無によって、社会生活にも影響が出る恐れがあります。
例えば就職活動に影響したり、資格取得の制限を受けたりと少なくとも良い効果は期待できません。
逮捕・起訴される
反則金・罰金を納付しない、つまり逃げ得は許されません。
反則金を支払えば、それは処分の終了を意味します。
ということは反則金を支払わないのであれば、何かしらの処分により罰を受け清算しなければなりません。
納付しなければ警察から出頭要請が届き、無視し逃亡の恐れありとなれば逮捕、刑事事件としての手続きが行われ、起訴され刑事裁判となる可能性もあり得るということです。
財産が差し押さえられる
裁判で有罪となり、罰金刑が科されてもなお罰金を支払わなかった場合、財産の差し押さえが行われます。
対象としては、銀行預貯金、不動産、車両、家財道具などです。
労役場での労務を強制される
財産の差し押さえでも不足する場合、労役場での労務が強制されます。
労役場はあまり聞き馴染みが無い方も多いと思いますが、刑務所や拘置所に併設され、労役場にいる間は外出できません。
スケジュール・食事・入浴などは刑務所と同じように管理されます。
ちなみに労務は1日当たり5000円相当となり、不足分に相当する日数を過ごすことになります。
反則金・罰金を払わず無視し続けた場合の流れ
あらためて反則金・罰金の支払いを無視し続けた場合の流れを追ってみましょう。
例えばスピード違反などで検挙され、反則金が科された場合、交通反則告知書(青キップ)とともに、仮納付書が交付されます。
仮納付書には期限があり、交通反則告知書を渡された日の翌日より7日間で、銀行や郵便局にて納付しますが、期限を過ぎると納付できません。
仮納付書による支払いがされないと、交通反則告知書を渡された日から概ね40日後、本納付書及び交通違反通告書が送られます。
この本納付書の支払い期限は、交付日翌日からの10日間で、銀行や郵便局で支払います。
本納付書での支払いがされないと、反則未納通知書最終通知が送られます。
この通知は納付の催告と納付が無い場合に警察庁への送致が行われる、という内容が記されます。
反則未納通知書最終通知でも対応が見られず、さらに支払いを無視していると、警察からの出頭要請がなされます。
出頭後、該当違反の認否について取り調べが行われます。
出頭要請を無視し続けた場合、逮捕・起訴される可能性があります。
出頭し該当の違反の罪を否定した場合、検察へ書類送検されます。
そして交通裁判所から呼び出されます。
裁判所に出頭後、起訴が決定すれば裁判となります。
裁判により有罪が確定すれば、罰金刑が科され、期限までに支払いが必要です。
この支払いを無視し続けると、財産の差し押さえが執行されます。
差し押え品で納付金額に達しなければ、労役場での労務が科されます。
反則金・罰金を払えない時の対処法
そうはいっても反則金・罰金の支払いがどうしても行えない場合の対処法はないのでしょうか。
納付先である検察庁に相談
罰金の支払いは原則として一括納付で、分割や期限の延長はできません。
とはいえ交渉が出来ないわけではないので、経済状況が厳しい場合、その旨を検察庁に相談してみましょう。
実際、交渉に応じてもらえるかは、ケースしだいです。
何らかの方法でお金を用意する
最終的には前科が付き、差し押さえ、労務が科されるなど、影響は大きい為、なんとかお金を用意するべきです。
方法としては、まず身の回りの物を売ることです。
スマホ・パソコン・貴金属などが考えられ、日雇いや即日払いのアルバイトという手段もあります。
本業の休日に行い、費用を捻出できるかもしれません。
またキャッシングという選択肢もありますが、給料日や返済日、金額など事前に計画を立てましょう。
身近な人から借金するという選択肢ですが、借用書の作成など返済の意思、計画があることを態度で示し誠実な姿勢で交渉しましょう。
借りた車や貸した車で違反があった場合の反則金はどうなる?
仮に自分の車ではない、借りた車や自分が貸した車で違反があると反則金の扱いはどうなってしまうのでしょうか?
レンタカーやカーシェアで違反があった場合
レンタカーやカーシェアであっても、違反をすれば検挙となります。
基本的には、反則金を納付してから返却をするのが前提となります。
スピード違反など、その場で反則切符が切られるのであれば、反則金を納付することで手続きは完了します。
しかし駐車違反の取り締まりには注意が必要です。
これはドライバーがいない間でも取締りを受け、運転者に対して切符が渡されるわけではないからです。
まずは管轄の警察に出頭し、手続きと反則金の納付を行います。
黙っていればレンタカーショップに支払いがいくのでは、誰が取り締まられたかわからないのでは、などと考えないでください。
取締りの日時から誰が検挙されたか、レンタカーショップもすぐに把握できますので、違反を受けたら即納付を行いましょう。
また車両の返却時には交通反則告知書、領収書などの提示が必要となり、きちんと違反処理をしなければ会社規定の駐車違反金を支払うことになります。
会社によるものの、普通車で25,000~30,000円の代金が多いようですが、路上駐車の反則金は18,000円なのでさらに高額な請求となってしまいます。
悪質と判断されれば、全国のレンタカー業者やカーシェア業者からブラックリスト入りとなる可能性もあり得ます。
駐車違反などの詳細については、下記の記事も参考にしていただければと思います。
貸した車で違反があった場合
レンタカーと同様に、その場で青切符が切られるような違反であれば、貸した相手が罰則を受けます。
駐車違反で貸した相手が納付を行っていなければ、車両所有者に支払いが来ます。
補足すると、放置駐車違反によって違反シールが貼られ、運転者が警察に出頭し納付すればそれで完了です。
もし運転者が出頭し納付しなかった場合、放置違反金の手続きが行われ、ナンバーから車両の(車検証上の)使用者を特定し、貸した側が放置違反金を支払うことになります。
また貸す相手が無免許であると、「無免許運転幇助行為」となり、刑事罰3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
さらに行政処分2年間の免許取り消しという処分も科せられます。
まとめ
今回は、反則金・罰金を支払わなかったらどうなるか、というシミュレーションをしてみました。
どうしてもお金がない場合、いくつかの手段を考慮しつつ、納付を優先する必要があります。
違反がなければ万事問題はないものの、意図せず交通違反は起きてしまうものです。
支払いに窮さないよう、少し蓄えをしておくことも、ドライバーとしては必要なことかもしれません。
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