ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いは?機能や使い分けをご紹介!

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車のタイヤは全体がゴムだけで作られているわけではないのをご存知でしょうか?
表面に見えるゴムの層の下には、カーカスと呼ばれるコードの束から成る層、ベルトと呼ばれるカーカスを締め付け剛性を高める層など複数の層が組み合わされています。

この層の構造によってタイヤは「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」と大きく二つに分けられます。
両者で利点・欠点が違うため適した場面も違うのですが、よくわからない方も少なくないでしょう。

そこで今回は、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いについて、その基本情報から機能、適した場面を紹介します。

目次

ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いは?


ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いについて、現状のシェアや構造を紹介します。

車のタイヤは2種類に分けられる

車のタイヤは大きく分けて2種類、ラジアルタイヤとバイアスタイヤに分けられます。
ラジアルとバイアスはそれぞれ「Radial(放射状)」、「Bias(斜め)」という英単語です。

タイヤはゴム100%からできているわけでなく、ゴムの層、カーカスと言われるコードの束から成る層など複数の層からできています。
そのカーカスの向きをはじめとする内部の構造でラジアルタイヤかバイアスタイヤか分けられます。

現在の車はほぼラジアルタイヤが使用されている

バイアスタイヤは古くからあるタイヤで、ラジアルタイヤは後発のタイヤです。
操縦安定性や耐摩耗など多くの性能はラジアルタイヤの方が優れているので、バイアスタイヤはほとんど見なくなりました。

ただ、低速での乗り心地や荷重への耐性はバイアスタイヤの方が優秀であるため、大型のトラックはバイアスタイヤを履いているケースもあります。

ラジアルタイヤの特徴と構造


出典:JATMA

ラジアルタイヤはカーカスを形作るコードがトレッド(タイヤの溝)に対して90°に配列されて、さらにベルト層で補強し剛性を高めています。

カーカスが1枚でいいので軽いという特徴があります。

ラジアルタイヤはトレッド部分と側面の強度をアップさせる機能をそれぞれベルトとカーカスが担っています。
そのため、ラジアルタイヤは部位によって適切な性能を与えるのが得意です。

バイアスタイヤの特徴と構造


出典:JATMA

バイアスタイヤはカーカスを成すコードがトレッドに対して斜めに配列されています。
ブレーカーと呼ばれるコード層も配置されることもあり、衝撃の緩和、トレッドとカーカスの剥離防止などに役立っています。

カーカスは必ず対称な2枚セットで斜めの影響を最小にしてあり、どうしても重くなってしまいます。

バイアスタイヤはタイヤ全体の強度をカーカスが左右しています。
部位によっての強度の強弱はつけにくいですが、構造が簡単で安価に作成できる特徴があります。

【機能比較】ラジアルタイヤとバイアスタイヤ


ラジアルタイヤとバイアスタイヤの機能を比較します。

ラジアルタイヤの機能

ラジアルタイヤはバイアスタイヤと比較して以下の点で優れています。

  • タイヤのサイドがしなやかなので操縦性・安定性に優れている
  • 安定しているのでゴムの摩耗や発熱が抑えられる
  • 抵抗が少ないので燃費がいい
  • スリップしにくい
  • カーカスが1枚でいいので軽い

バイアスタイヤの機能

一方、バイアスタイヤは以下の点でラジアルタイヤより優れています。

  • 構造が単純なため安価に製造できる
  • たわみやすいので低速や悪路での乗り心地がいい
  • カーカスを重ねるだけで、重量車向けの硬いタイヤを簡単に製造できる

【使い分け比較】ラジアルタイヤとバイアスタイヤ


ラジアルタイヤとバイアスタイヤ、どう使い分けるか場面や車別に紹介します。

ラジアルタイヤの適している場面

ラジアルタイヤの特徴は「軽いわりに強度がありしなやか」「製造が難しいので高価」でした。
そのため、高速で走る場面に適しています。

高負荷に耐えられるようにトレッドやベルトを重ねると高価になってしまうので、荷物を多く積んでの走行には向いていません。

ラジアルタイヤが適している車

ラジアルタイヤは普通乗用車にぴったり。
100km/hという比較的速いスピードで高速道路を長時間走ることがあるのがその理由です。

荷物を多く積んでの走行に向いていないとはいえ、何トンの荷物を積まない限りは気にしなくてもよいでしょう。
実際、20tトラックほどの大きさにならない限りはトラックでもラジアルタイヤが主流です。

バイアスタイヤの適している場面

バイアスタイヤの特徴は「低速や悪路での乗り心地がいい」「構造が単純なので安い」でした。
そのため、スピードをあまり出さなかったり荷物をたくさん積んだりする場面に適しています。

高速走行に耐えようとするとトレッドを重ねるしかなく、タイヤが重くガチガチに硬くなり乗り心地が悪くなってしまいます。

バイアスタイヤが適している車

バイアスタイヤは20トン以上の大きなトラックに適しています。。
また、スピードをそこまで出さない原付バイクにもバイアスタイヤが採用されることもあります。

まとめ


ラジアルタイヤとバイアスタイヤについて、構造から機能の違い、適した場面や車について解説しました。

ラジアルタイヤとバイアスタイヤの違いはトレッドに対するカーカスの向きです。
前者はラジアル(放射状)、後者はバイアス(斜め)にカーカスが装着されます。

ラジアルタイヤの特徴はしなやかで安定性が良いこと。構造的に耐久性を高めても軽量で製造できるので、高速走行も得意です。
そのため、私たちが普段乗る普通乗用車に適しています。
実際、今の普通乗用車はほとんどがラジアルタイヤを履いているでしょう。

バイアスタイヤはたわみやすいため低速や悪路が得意です。耐久性を上げると重量がアップしますが、安価で製造できます。
そのため、20トンを超えるような大型のトラックや高速で走ることのない原付バイクに適しています。

私たちが日常生活を送る上で選ぶタイヤはほとんどラジアルタイヤだと思って大丈夫です。
ただ、ラジアルタイヤの方が全てにおいて優れているわけではありません。
バイアスタイヤを選ぶべき場面も少なからずあることを覚えておきましょう!

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