朝、出勤しようと玄関を出て自動車に乗り込む時に、車に白い鳥のフンがついているのを発見。
時間がないのにと思いながら、急いでティッシュで拭き取った経験がある方も多いのではないでしょうか?
時間がないからあとでいいや!なんて思って、そのまま放置している方もいるかも。
ただ、鳥のフンは車の塗装に大きな打撃を与えるため、気が付いた時に素早く処理することをおすすめします。
今回は、鳥のフンが自動車の塗装に与える影響とその対策を紹介していきます。
鳥のフンがどういうものなのか解説
結論としましては、鳥のフンは塗装に悪影響を与えます。
しかし、そのメカニズムを解説する前提として、鳥のフンがどういうものなのか知っておきましょう。
鳥のフンには茶色の部分と白い部分がありますよね。
正確に言うと、茶色の部分がフンで、白い部分が尿です。
自動車の塗装に打撃を与えるのは白い尿部分ですが、ここでは両方まとめて「鳥のフン」とさせていただきます。
鳥のフンの成分は尿酸・たんぱく質・ナトリウム・アンモニア・砂など。その他、海辺の鳥は魚を食べるから油分が多いなど、生息地によって多少の差があります。
酸性・アルカリ性については、強い酸だという意見も、強いアルカリ性だという意見も、ほぼ中性だという意見もありますが、ここでは酸性ということで話を進めていきます。
生息地や鳥の種類によって、かわってくるのでしょう。
鳥のフンが自動車の塗装に与える影響
鳥のフンは油分を含んでいるため、自動車の塗装面と非常に馴染みやすく、クレーターを作ります。
夏の強い日差しで多少柔らかくなった塗面に鳥のフンが落ちると、塗面がわずかに侵食され、その後フンが乾燥して縮むとクレーターができるという仕組みです。
筆者作成画像
下の画像は数ミリの小さな塗装剥がれを放っておいた状態ですが、完全にサビが進行して、簡単に塗装剥がれます。
筆者撮影画像
鳥のフンによる金属の腐食性は強く、例えば2007年8月にアメリカのミネソタ州で「ミネアポリス高速道路崩落事故」という事故を例にしてみます。
この事故の原因のひとつは、長年堆積した鳥のフンに含まれるアンモニアと酸が橋桁を腐食させ、大規模な崩落を起こしたことだと言われています。
十分な強度設計を施した高速道路でさえ、崩壊させてしまうほどの腐食性。
車の金属も腐食させてしまうことが分かっていただけたと思います。
鳥のフンが自動車に付かないようにする対策
次は、鳥のフン対策について以下の観点からお話ししていきます。
鳥にフンを落とされやすい色
実は、車の色によって鳥にフンを落とされやすいかどうかが左右するのです。
イギリスの自動車用品小売店のハルフォード社が、赤、青、黒の順に鳥のフンが落ちやすいボディーカラーだという調査結果を発表しました。
これらの色が被害を受けやすい理由は以下の通り。
- 赤:熟したおいしい果実の色と同じだから
- 青:水場と同じ色だから
- 黒:恐怖を与える色で、攻撃対象だから
逆に、緑は自然にありふれた色なので、特別近寄ってこないです。
車に特にこだわりのない方は、緑色を選ぶのも日頃のケアを楽にする手段かもしれないですね。
鳥を追い払う方法
続いて、鳥を追い払う方法ですが、抜本的に追い払うのは難しいと思ってください。
大きな音などで追い払っても、鳥、特にカラスは賢いのですぐに戻ってきます。
鳥が休めるような木や電線を取り払えば次の家を探しにどこかにいきますが、現実的ではないでしょう。
物理的に侵入を防ぐ「鳥よけネット」配置するのが精一杯かと思います。
フンを落とされないようにする工夫
鳥は飛んでいる時も、止まっている時も同様にフンを落とします。
飛んでいる時のフンは避けようがないので仕方ないですが、止まっている時のフンは回避が容易です。
上部に木や電線がない場所に車を停めるようにしてください。
駐車場の関係でそれは無理!という方もいるかもしれませんが、上部でも説明した通り鳥を追い払うのは難しいので、抜本的な解決は難しいですね。
鳥のフンがついてしまったときの対策
体に鳥のフンを落とされてしまったときは、早急に取り除きましょう。
乾燥前の柔らかいフンなら、ウェットティッシュで拭けば問題ないですが、乾燥して固着してしまったフンをそのまま拭くと、傷の原因になります。
固着したフンを取り除く手順は、以下の通り。
- 水(できれば50℃程度のお湯)をかける
- 十分に柔らかくなるまで繰り返す
- ウェットティッシュで拭く
鳥にフンを落とされた時は、試してみてください。
まとめ
鳥のフンと自動車の塗装の関係について解説しました。
鳥にフンを落とされたことがないという方は、いないはず。
ぜひ、正しい知識を身につけて、愛車を守ってください!
これらの色が被害を受けやすい理由は以下の通り。