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修復歴ありとは?元プロが伝授!有り・無しの基準と意味について

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車に乗っていれば、傷や凹みはつきものです。駐車場にとまっている車や中古車屋に並んでいる車を眺めていると、いろいろなパターンの傷や凹みが見られます。中には『修復歴有』と表示されている車両もあります。

パッ見どこもボコボコになっている訳でもありませんし、具体的にどういう状態を経て店先に並んでいるのか判断はつかないでしょう。どうやら大きな修理を行ったらしいと、敬遠してしまうものです。

今回は修復歴とは何なのか。車にはどういう傷や凹みがつくのか。査定の際はどのように傷を確認するのか。最後に皆さんは傷をどのタイミングで直そうとするのか。筆者の査定士としての経験則を元に述べていきますので、事実にそぐわない部分もあるかもしれません。ひとつの参考としてご覧ください。

そもそも自動車の修復歴有りとは?

修復歴という言葉をご存じでしょうか。これは単に事故歴があるかどうかという意味ではなく、骨格部分(フレーム)を修理をしているかどうかを意味しています。つまりボコボコで傷だらけでもフレームを修理していなければ修復歴無し、見た目がピカピカで新車のような印象だったとしても修復歴有りになります。

例えばドアやボンネット等は交換しても板金修理しても修復歴にはあたりません。ネジ止めされている箇所ははずしても事故車(修復歴有り)に当たらないわけです。

では、この修復歴の判断基準となる車の骨格部分について確認します。
1.フレーム(サイドメンバー)
2.クロスメンバー
3.インサイドパネル
4.ピラー
5.ダッシュパネル
6.ルーフパネル
7.フロア
8.トランクフロア
となります。
これら項目については公取協(自動車構成競争規約)、日査協(修復歴判断基準)、日本オートオークション協議会(修復歴判定基準)の3団体で同一の基準を設けています。

ちなみに修復歴車を査定にだす際は、修復済であること旨を申告する必要があります。隠したとしても、査定時にまず見破られます。大きな補修跡が残る為、査定士ならば見破って当然です。

これら骨格を痛めなければ事故車扱いはされない訳ですが、ボコボコであればその分は査定の際に減点されます。傷を直した程度の修理歴も、直してあるとはいえ減点されます。
しかし修復歴=骨格の損傷の減点は数十万円以上の減点が行われているでしょう。結局は次買う人が欲しいと思う値段まで査定価格は落とされていくのです。

愛車の傷をチェック!

次により身近な傷や凹みについて考えていきましょう。実際に自分の愛車で確認していただくと、思いも寄らない凹みが見つかるかもしれません。凹みが見つかって楽しいものではありませんが、愛車の状態をより知るためには有効です。
また新車納車の際に傷がないか、中古車の目利きをする際の技術の一つとして、是非参考にしてください。

まず見ていく箇所が影になっていないようにしましょう。必ず日があたるかライトがあたるようにします。必要に応じて太陽にあたるよう向きをかえましょう。サっと片面(車の右側一面や、フロント回り等)を全体的にみて、大まかな傷を把握します。ノートに車の形を書いて傷や凹みを書いていくとわかり易いでしょう。

その後、小さな範囲を判定していきます。50cm×50cm、1m×1mと絞り車両の前や後ろから水平方向にみていきます。車に顔をなるべく近づけて、上下に視線を動かすことでより判定し易くなります。傷の多くは若干の凹みを生じます。凹みは影が生じ、みやすくなる訳です。

よくあるのはバンパー下の傷でしょうか。多くは離れてしまえば見えない上に、生活傷の範疇として直さないことも多い部分といえます。

しかし擦ったりぶつかったり衝撃が強かった場合に、FRP製のバンパーはたわむことで塗装が網目状に割れてしまいます。バンパーの塗装の網目割れはまずバンパ下部をみます。バンパー下部の擦りによって網目割れが出来た可能性があります。また他にも原因がある可能性があります。

この網目状の塗装割れは傷凹み等の衝撃痕の発見に役立ちます。またFRP部分以外に発生することもあります。車を真上からみたとします。バンパーの左前に網目割れがある際、右後ろから衝撃が加わった可能性があります。

つまり右後ろにヘコミや、バンパーやリアハッチの交換の形跡が見られるかもしれません。ただし普通にバンパーを壁に押し付けても塗装割れは出来るため、見極めは必要になります。この衝撃が強いとフレームにたわみをもたらし、フレームを歪ませてしまいます。最悪は事故車扱いであり、修理すれば修復歴車となってしまうのです。

次に各ドアやパネル可動部やヒンジをチェックしましょう。塗装の後塗感やネジを回したことによるペンキの割れがあれば、パネルを交換したり板金で修正したり、何かしら外す理由があったと考えられます。

傷はいつ直すのがベスト?

さて愛車の傷凹み、あなたならどのくらい大きくなったら、または多くなったら修理しますか?

オーナーによって基準は変わってくるところですが、筆者の経験では見積り金額6~10万円前後で直す方が多かったです。実はこの金額、バンパーの交換金額に近いのです。傷直しでは直しきらない。バンパー交換となると大きな傷が入っている、または多数の傷凹みがある状態です。こうなると綺麗さっぱり直したいと思うのが人情なのでしょう。

バンパー以外でも10万円となると塗装から手直しが必要となるでしょう。隣に並んだ車からも見える傷となると、やはり気になってきます。

車両保険に加入している方にとってはいつ使うかは悩ましい点です。加入内容によるものの車両保険が使えるならば使いたいものです。保険を使えば次年度は保険料が上がるため、細かい傷で車両保険を利用するのは必ずしも得策とはいえない事情がでてきます。

そういった事情もあり、自分の財布から出すには高く感じ、保険を使ってもいいかな・・・。と思えるラインが6~10万円前後なのかもしれません。

今回は修復歴について、傷や凹みの見つけ方。皆さんの傷を治すタイミングについて筆者の経験を基にお伝えしました。愛車は綺麗に保ちたいですが、小さな傷は避けられないものです。その傷、今すぐ直しますか?もうちょっと粘りますか?

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