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「ショートパーツ」ってなに?高額ではないが整備費の内訳「ショートパーツ」を理解する

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みなさんは「ショートパーツ」という言葉を見たり聞いたりしたことはありますか?
 
新車ばかり乗り換えて、一切点検や修理に出さない人は知らないかもしれません。また長年乗った愛車を車検に何度も出している人でも、請求書をしっかり見ていないと見逃しているかもしれません。
 
そんなクルマの点検修理の際に、時々お目にかかる不可解な部品「ショートパーツ」は、決して英語直訳の「短い部品」という意味ではありません。
 
いったいショートパーツとはなんなのか?必要なのか?いくらなのか?を某ディーラー整備士歴15年のベテラン整備士に助言をもらいながら、徹底解明します。そして払うべきショートパーツと払ってはいけないものの区別ができるようになりましょう。
 

■請求書にある「ショートパーツ」の項目を要チェック!


愛車の点検修理をディーラーや整備工場などへ1回も出したことがない人は少ないでしょう。
 
点検修理を依頼すると、内容にもよりますが見積書を提示され、その同意後に点検修理が始まります。そして点検修理が終われば請求書が発行され、然るべき費用を払って愛車に乗って帰ります。
 
この見積書または請求書を、1行ずつしっかり見ていくと、部品代の欄に「ショートパーツ」として500円~2,000円前後の金額が請求されていることがあります。以前の点検修理の請求書でもかまいませんので、気になった方は探してみてください。
 
例えばメーカー系の新車販売店、いわゆるディーラーの整備工場で車検を受けたことがある方は、ほぼ確実にショートパーツが使われているはずです。
 
一方でそんなディーラーでも車検以外の比較的軽い点検修理は、ショートパーツが使われていないことがあります。では、一体この違いはなんなのでしょうか?
 

■ショートパーツの正体


ショートパーツの正体、それは点検や修理に「必要な部品ではあるものの、一つの部品としてお客様に請求するほど大きな部品ではないもの」の総称です。大きくはない、むしろ隠れてしまうほど小柄(short)な部品のため、ショートパーツといいます。
 
例えば車検で請求されているショートパーツは、部品の脱着や分解に伴う清掃作業に必須のパーツクリーナーや、その汚れを拭き取るウェス(布端切れ)などが代表でしょう。
 
みなさんも家庭のお風呂やキッチン、トイレなどの掃除に専用のクリーナーを使うはずですが、例えば一回のお風呂掃除でバスマジックリンなどのお風呂用スプレー液洗剤を丸々一本使う人はいないでしょう。
 
車検も同様にパーツクリーナーを丸々一本は使わない事が多いため、ショートパーツとして使った分を請求されることが一般的です。
 
パーツクリーナー以外の車検時のショートパーツとしては、ネジを緩める時にみなさんも使うCRC556のような防錆潤滑剤や、分解したパーツ類の内面などに塗布するグリスなどの油脂類がショートパーツとして必需品です。
 
このように部品洗浄剤や防錆潤滑剤、補給用の油脂類、それらを塗布する際に使うウェスなどは、仕入れコストを下げるためにも100ケースとか200Kgドラム缶といった大きなサイズでディーラーへ入荷されます。
 
しかしお客様の車検1台で1本とか1Kgを使うわけでもなく、必要に応じて使った分をショートパーツとして請求することが一般的です。
 
これでショートパーツがなんなのか、しっかり理解いただけたと思いますが、必ずしも請求されるわけではないので、今度は同じディーラーでのタイヤ交換の例を見てみましょう。
 

■タイヤ交換した際のショートパーツ


車検時にはショートパーツを請求されたディーラーで、タイヤ交換をしたがショートパーツは請求されていなかった。これは請求すべき大きな交換部品がタイヤとエアバルブくらいで、小さな部品が皆無だったためです。
 
つまりタイヤとエアバルブ以外、部品として請求すべき洗浄剤や潤滑剤、油脂類がなかったからです。
正確には洗浄剤や油脂類はタイヤ交換時に使いますが、ショートパーツとして“請求できるほどの量を使えないから請求できない”と言ったほうが正しいでしょう。
 
タイヤ交換作業も車検同様パーツクリーナーでホイールを清掃します。なぜならホイールのゴミが新品タイヤ交換時に挟まると、そこからタイヤ空気が漏れる恐れがあるからです。
特にホイールのリム部分は新品タイヤの耳部と圧着することにより空気漏れを防いでいるため、しっかりと清掃します。
 
しかし、いくらしっかり清掃するからといっても、ホイール4本の内外2Cm幅くらいの面積のため、クリーナーの使用量は極々少量ですし、同部分にタイヤが嵌りやすいようタイヤビードワックスも塗布しますが、同じく微量のためショートパーツとして請求されていません。
 
このようにショートパーツの請求がある・ないを、車検とタイヤ交換の2例で確認しました。これからはみなさんも愛車の点検修理を自動車整備工場に依頼した際は見積書でショートパーツを確かめましょう。
 
部品の分解清掃や分解点検修理、油脂の給油などが伴っていないにもかかわらず、ショートパーツの請求額が高いと思った場合は遠慮なく工場側に問い合わせをしてみることをオススメします。
 
また、自動車整備工場の見積もり時によくあることですが、あくまで見積もりなのでショートパーツも多めに、つまり高く見積もっておくことが多いことも覚えておきましょう。そして実際に点検修理が終わって愛車を受け取る際は、必ず請求書のショートパーツを確かめてください。
 
自動車整備工場では精算時にショートパーツの使用量の見直しを、うっかり忘れることがままあります。すると見積もり時のままの高額なショートパーツが請求されることもあります。
 

■ショートパーツ説明のまとめ

ショートパーツについてご理解頂けたかと思います。
 
愛車の受取時に請求書のショートパーツが高いと思った場合も遠慮なく工場側に「このショートパーツはどんなものをどれくらい使ったのですか?」と確かめて、少しでも損をしないようにすることをオススメします。

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