車をぶつけたり事故をしてしまったとき、修理費が高額になることもあれば安価で済む場合もあります。保険を使うと修理費用を補填できる一方、保険料が高くなり将来的に損をするケースもあるため、保険を使わないという選択肢も考慮する必要があります。
この記事では、保険を使うか使わないかの判断基準について解説します。保険を使うとき、使わないときの手続き方法の例も紹介するので、いざというときに役立ててください。
車の修理で保険は使うべき?使わないべき?
保険を使うかどうかは修理費用と保険料の増加分を比較して判断します。どんなときに保険を使うことが多いか、使わないことが多いかを参考に紹介します。
車の修理で保険を使うべき状況は、大規模な事故で車が大きく破損したときや、エンジンやトランスミッションなど高額な部品の交換が必要なとき、車が高級車であるときが該当します。
車の修理で保険を使わないでよい状況は、保険を使うときとは反対に少し擦った、へこんだなど軽微な修理の場合です。
車の修理で保険を使うか使わないかの判断基準とは?
車の修理で保険を使うか使わないかの具体的な判断基準は「元の等級に戻るまでに余分に払う保険料」と「車の修理費用」に依存します。
保険を使って車を修理すると等級(ノンフリート等級)が下がり、毎月の保険料が上がります。無事故で数年経過するとまた元の等級に戻り保険料も元に戻ります。
元の等級に戻るまでの余分に払う保険料が安くなるほど大きく車が故障した場合、保険を使います。故障が軽微で車の修理費用が安いときは、保険を使わなくても問題ありません。
保険使用の有無による保険料の例を紹介します。保険料は車種や保険会社との契約内容によって変わるので、あくまで一例だということにご注意ください。
車の修理費用 | 保険使用時の年間保険料増加額 | 等級が戻るまでの年数 | 保険使用時の総保険料増加額 | 保険使用しない場合の自己負担 | 保険使用時の損益 |
---|---|---|---|---|---|
5万円 | 2万円 | 3年 | 6万円 | 5万円 | -1万円 |
10万円 | 2万円 | 3年 | 6万円 | 10万円 | 4万円 |
100万円 | 2万円 | 3年 | 6万円 | 100万円 | 94万円 |
保険使用後の年間保険料の増加額を2万円、等級が戻るまでの年数を3年、保険を使うと将来的に2×3=6万円の保険料増額が見込まれると仮定しました。車の修理費用が5万円のときに保険を使うと、5万円で直せるものを6万円で直したことになり、保険を使わないほうがお得です。一方、10万円、100万円のときは6万円で直せることになるので、保険を使ったほうがよいと判断できます。
ただ現実には、どれだけ保険料が上がるか、いつ等級が戻るかは計算が難しいので、保険会社にシミュレーションを出してもらい相談することをおすすめします。
車の修理で保険を使うか使わないかで手続き方法は変わる?
車の修理で保険を使うか使わないかで手続きの流れも異なるので、以下にそれぞれの場合を紹介します。なお、事故でけが人がいる場合は救助を最優先にすること、必要に応じて警察への連絡も必要であることに注意ください。
車の修理で保険を使う際の手続き流れ
- 1. 保険会社に連絡する
- 2. 提携の修理工場に車を持ち込む
- 3. 修理費等の見積もりをもらう
- 4. 見積もりを保険会社に提出する
- 5. 修理開始
- 6. 車の引き取り
車を傷つけてしまったら、まず保険会社に連絡します。その際は事故の状況や保険の証券番号などを聞かれます。次に保険会社が提携する修理工場や販売店に車を持ち込みます。保険会社にレッカー車の手配も依頼できるので、自走できない場合でも問題ありません。
その後、修理費等の見積もりをもらい、それを保険会社に提出します。この時点で、保険会社の方と保険を使って直すかどうかをよく相談することをおすすめします。この時点で保険を使わない選択をするのも問題ありません。その後は修理が開始されて、終わったら車を引き取って一連の流れが終了です。なお、お金は保険会社から修理業者に支払われます。
車の修理で保険を使わない際の手続き流れ
- 1. 修理工場に車を持ち込む
- 2. 修理費等の見積もりをもらう
- 3. 修理開始
- 4. 車の引き取り
- 5. 賠償金の支払い(事故相手がいる場合)
保険を使わない場合は保険会社に連絡せず、自分で修理工場に連絡して車を持ち込みます。見積もりをもらい修理するかどうかを判断します。この時点で思ったより修理費が高かったときは、保険会社に相談してみてもよいでしょう。続いて、修理を開始して、終わったら車を引き取ります。
事故相手がいる場合は相手の車の修理費や賠償金も支払わなくてはいけません。交通事故では裁判にならず双方の合意により解決する「示談」になるケースも多いです。保険を使わないとなると、相手もしくは相手の保険会社と修理費の交渉もしなくてはいけません。そこで合意した金額および方法で賠償金を支払います。
まとめ
車の修理で保険を使うべきかどうか、判断基準や一例を紹介しました。
保険は修理費用と保険料の増加分を比較して使うかどうか判断されます。高額な修理費用が発生する場合や事故相手がいる場合には保険を使う、軽微な修理で済む場合は保険を使わないことが一般的でしょう。
保険を使うかどうか迷った場合は、保険会社にシミュレーションを依頼して具体的な数値を確認し、最適な選択をしましょう。
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