違法駐車との事故は誰の責任になる?対処法やよくある質問にお答えします

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仮に道路に違法駐車をしている車にぶつけてしまった場合、その責任は誰にあるのでしょうか?
そんな場所に停めているのが悪いんじゃないかと、思ってしまうのが人情かもしれません。

今回の記事では、そんな違法駐車との事故は誰の責任になるのか、ケースごとに考察してみたいと思います。

また違法駐車と事故を起こした際の対処法やQ&Aの項目もありますので、是非ご一読ください。

目次

違法駐車との事故は誰の責任になる?

やはり気になる点といえば、違法駐車との事故は誰の責任になるかという点です。
この記事の前提となる部分になりますので、最初に確認していきましょう。
 

駐車禁止場所に駐車している場合

法律を守り駐停車している車両にぶつけた場合、ぶつけた側の100%過失となるのであれば、皆さん納得されるかと思います。

ここでのケースは駐停車禁止場所に駐車している車にぶつけた場合となります。
この場合に、ぶつけた側が過失100%となるのは、なかなか心情的に納得がいかないところです。

むしろ違法駐車している側の方が、過失は重いのでは?と思われるかもしれません。

よく動いている車が100%悪く、止まっている車には過失がないといわれますが、実際のところはどうなのでしょう。

これは「条件によるものの」路上駐車側の過失割合は10%~20%程度あるとされる可能性があります。(判例によっては30~40%の事例も有)

違法駐車であるから過失があるというわけではなく、駐車の場所や方法、周知が不適切で交通の危険を増大させている場合に過失が発生するということです。

とはいえ過失の割合でいえば、ぶつけた方が悪いとなっているといえるでしょう。
より詳しく次の項目でみてみましょう。
 

不適切な駐車をしている場合

不適切な駐車をしている車であれば、過失に問われる可能性があります。

道路幅の狭い箇所で駐車をしている、しっかり左端に寄せていないといった例です。

そういった車両は障害物にほかならず、その駐車自体が事故の危険を有します。
しっかり左端に寄せてあれば、少なくとも事故の発生は回避できたと判断されれば、違法駐車側の過失が問われる可能性があります。
 

周囲への警告措置を怠っている場合

違法駐車とはいえ、周囲への警告はしっかりしなければなりません。
やむを得ない事由で駐停車禁止場所に駐停車している場合も同様です。

ハザードを点灯させているか、事故や故障で停車しているとしても、ハザードの使用と三角板の設置をし、周囲に危険を周知しなければなりません。

こういった適切な処置をせずに違法駐車をし、事故を招いたのであれば過失が認定される可能性があります。

違法駐車と事故をした時の対処法

ぶつけた相手が違法駐車であろうとなかろうと、事故を起こした際の対処に基本的な違いはありません。

落ち着いて誠実に対応することを心がけましょう。
 

1.ケガ人がいる場合は救護する

負傷者がいないか確認し、いる場合は最優先で救護措置を行う必要があります。

救急車を呼び、到着までのあいだ、止血や蘇生措置などの応急処置を行いましょう。
 

2.車を安全な場所に移動させる

ます車が交通の妨げにならないよう、安全な場所に移動し停車します。
事故の続発を防ぐ為にも、大事な行動です。
またハザードランプや三角板、必要であれば発煙筒も使用し周囲に停車を周知しましょう。
 

3.警察に連絡をする

事故が起きた場合、人身・物損事故問わず警察に届け出る義務があります。
保険を使用する際にも、警察が発行する「交通事故証明書」が必要になります。
 

4.現場証拠を確保する

警察への正確な報告と示談交渉に備え、警察が到着する前に必要な情報を確保しましょう。
相手の氏名住所や連絡先、車のナンバー、保険会社などがそれに当たります。

勿論、相手と直接会話を交わすのが嫌であれば、警察が来てから素性の確認をしても良いでしょう。

他に目撃者がいれば、警察の現場検証に協力してもらったり、連絡先を聞いておくことで後に証言が期待できます。

またスマートフォンで現場の写真や動画を撮影したり、ドラレコのデータを確認保存しておくことも重要です。
得てして自身の記憶は時間の経過と共に曖昧になります。
しっかり記録を残しておくようにしておきましょう。
 

5.保険会社に連絡をする

情報の収集、保存がひと段落したら保険会社に連絡しましょう。
自身の保険を使用するか、相手がそもそも保険に入っているかで対応は変わるものの、まず事故があったことを伝えておくことが重要です。

違法駐車との事故に関するよくある質問

最後に違法駐車との事故に関するよくある質問についてお答えします。
 

違法駐車との事故なので警察の届けなくてもよい?

違法駐車との事故であっても警察への届出は運転者の義務です。(道路交通法72条1項)

物損・人身問わず、事故の発生にあっては速やかに警察に連絡(110番)する必要があります。

連絡は義務だからというだけでなく、保険金の請求の際に「交通事故証明書」が必須ですが、警察への届出がなければ手に入りません。
 

路上駐車のドアが開いて接触した場合は?

停車中の車両のドアが開き、通過しようとした車両にドアが接触した場合、過失割合はどうなるのでしょうか?

事故の形態から、脇を通るバイクがドアに接触するパターンが多くみられます。
その為、車対バイクのについては参考になる判例が存在します。
個々の状況によるものの、基本の過失割合としてバイク10:車90とし、事故内容によりバイクの過失が増し+10~20%まで見込まれる可能性があります。

車対車の場合、バイクのような基本的な過失相殺率は設定されておらず、事案によってそれぞれ過失割合が決まってきます。
 

違法駐車をさけたことで他の車と事故をした場合は?

違法駐車をやむを得ず避けたところ、対向車と正面衝突したとすると過失割合はどうなるでしょうか。

通常センターラインをオーバーし対向車と衝突した場合、オーバーし走行した側の過失が100%です。
ただし違法駐車を避けた場合、つまり違法駐車が原因でセンターラインを越えざる得なかった場合、違法駐車の運転手にも過失が発生する可能性があります。

他にも、夜間ハザードを点けず違法駐車をしているなど悪質性があると過失が増していく傾向にあります。

まとめ

今回は違法駐車との事故は誰の責任になるのか、紹介してまいりました。
違法駐車側に過失が認められるべきパターンが多くあるように思いますが、相手が過失を認めない場合など示談が進まないことも多くあります。

違法駐車が認められた際、特に注意してやり過ごすといった自衛も重要になってきます。

もし事故が起きてしまった場合、落ち着いて事故の状況を記録として残す、残せるようにしておく工夫も必要です。

また自身も短時間だからと駐停車禁止場所に車両を停めないで、安全な通行ができる環境づくりを心がけましょう。

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