ドアを開けたら隣の車に当たってしまった。
あまり考えたくないシチュエーションですが、ヒヤリとしてしまった経験はありませんか?
こんな状況をドアパンチともいいますが、ドアパンチをしてしまった場合どう対応するべきでしょうか。
慌ててしまうシチュエーションゆえに、予備知識を知っておくことが重要です。
今回の記事は、そんな助けになるかもしれません。
駐車場でドアパンチをしてしまったら警察に連絡すべき?
駐車場でドアパンチをしてしまった場合、まず警察に連絡すべきでしょうか。
結論としては、必ず警察に連絡しましょう。
その理由について、この項でご説明いたします。
ドアパンチは交通事故の一種
ドアパンチは立派な交通事故の一種です。
もし加害者が分からなければ、誰かしらによる当て逃げとなります。
通常の事故と違い、加害側が気づいていなかったり、気にせず帰ってしまったりする可能性があるのも特徴です。
そして加害者の特定が難しくなってしまうのもドアパンチの特徴といえます。
ドアパンチとは、ドアの開け閉めが想定以上に大きくなってしまい、隣の車に当ててしまうことです。
必ず警察に連絡をする
判明した時点で警察を呼び、実況見分をし交通事故証明書を作成してもらいましょう。
どういった状況だったか、きちんと警察に報告する必要があるということです。
これは自分がドアパンチをした側でも同様です。
また安易な示談は避けるべきです。
示談金を財布から払ったのに、後日修理費の請求が来てしまう可能性も否定できません。
事故は精神的にも肉体的にも負担がありますが、当事者だけでの解決はより厄介な状況を招くかもしれません。
必ず警察を呼び、事故の状況を記録してもらいましょう。
保険会社にも連絡をする
加入している保険会社にも一報を入れましょう。
自身が加害者側ならば、保険での賠償も期待できます。
示談交渉に苦戦する場合、弁護士特約を使えるケースもあります。
また自身が被害者で相手がだれか分からない状態でも、車両保険での修理という選択肢があるかもしれません。
ただし次年度の保険料アップといった懸念事項もある為、相談もかねて連絡を忘れないようにしましょう。
ドアパンチでは基本的に慰謝料は発生しない
基本的にはドアパンチで慰謝料は発生しません。
ドアパンチは物損事故であり、物損事故で慰謝料は発生しないのです。
あくまで慰謝料は、人が怪我をしたり死亡した際に発生し、精神的苦痛を受けたとされる際の賠償金です。
警察に連絡をすれば刑事罰が発生する事はない
物損事故が刑事罰となることは、基本的にはありません。
しかしきちんと警察に連絡し報告すれば、という前提を忘れてはいけません。
警察に連絡をせず逃げてしまったどうなる?
物損事故は基本的には、刑事・行政処分の対象になりません。
ただし警察に連絡せず現場から去り、「当て逃げ」状態となってしまえば話は別です。
事故を起こしたドライバーには報告義務があり、人身であれ物損であれ警察に速やかに通報する必要があるのです。(道交法72条1項)
報告義務違反は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科され、それ以上に重い処分となる可能性も否定できません。
駐車場でドアパンチをしてしまった/されたの場合の対処法
次にドアパンチをしてしまった・されてしまった時の対処法についても考えていきましょう。
駐車場でドアパンチをしてしまった時の対処法
自身がドアパンチをしてしまっても、現場から去らず警察に連絡しましょう。
立ち去ってしまえば、当て逃げとなります。
もし近くに車両所有者がいれば、声をかけしっかりと謝罪をしたうえで、氏名連絡先を確認しつつ警察に連絡します。
所有者がその場にいなくても、警察に連絡しましょう。
保険会社にも連絡し、示談は保険会社に任せトラブルを招かないようにしましょう。
安易な当事者同士の示談は、後日さらに請求されるリスクがあるからです。
駐車場でドアパンチをされた場合の対処法
ドアパンチは、その場で加害を確認しなければ加害者の特定が難しいのが特徴です。
いつ誰が傷づけたのかわからず、加害者を見つけ弁償させられない可能性があります。
加害者も大したことがないと勝手に判断し、現場を去ってしまう傾向が少なからずあります。
しかし駐車場によっては、防犯カメラが設置されており、事故の状況が記録されているかもしれません。
設置されている場合は、管理会社に連絡し協力を仰ぐのも重要です。
またドラレコを装備しているのであれば、隣の車両が映り込む可能性もあります。
駐車中にカメラが作動している場合、作動した形跡がある場合はチェックした方がよいでしょう。
いずれにしても警察は必ず呼び、交通事故証明書の作成を忘れないようにしましょう。
その後、加害者が出頭すれば被害者に連絡が来ます。
交通事故証明書を作成していなければ、連絡は来ないのです。
また保険会社への連絡も忘れないようにしましょう。
契約内容次第で、修理代を補償してもらえるかもしれません。
しかし保険を利用すれば翌年の保険料が高くなる恐れもあります。
修理費用を保険で払うか、自費で賄うかを保険会社と打合せると良いでしょう。
駐車場でドアパンチをしない、されないようにする対策
ドアパンチは車にキズ・凹みがついてしまいます。
大事な愛車にキズがつくのは嬉しいものではありませんし、他人の車を傷つけるのも同様です。
ドアパンチのトラブルを回避する方法はないのでしょうか?
ドアの開口と人の出入りに余裕があれば、ドアパンチをする・される可能性を下げられます。
駐車に余裕のある、空いている広めの駐車場又は駐車スペースを探すようにしましょう。
駐車場に傾斜があると、どの方向であれ開け閉めに普段かからない力がかかります。
ドアの開口方向に傾いていれば、ドアは意図せず勢いよく開いてしまいます。
一度勢いがついてしまうと、咄嗟にドアを支えられないかもしれません。
一目見て傾いているような駐車スペースは避けるべきでしょう。
左右に車があれば、双方からドアパンチされる可能性があります。
端っこであれば、最低でも一方向からのドアパンチのリスクで済みます。
また同乗者がいないのであれば、端っこギリギリに駐車することで、開口部を広くとれるかもしれません。
混んでいる駐車場よりも、空いている駐車場がドアパンチのリスクを減らせるでしょう。
スペースが開いている駐車場、空いている駐車場を優先して利用するのがおすすめです。
あくまで例ですが、高級セダンのようなドアの長く重い車種に注意すると良いかもしれません。
ドアが長いと、乗り降りに必要な開口角度を大きくとる必要があります。
つまり大きく開ける必要があるので、ドアパンチされてしまう可能性も増えてしまいます。
またドアも重いので、勢い余ってドアパンチになり得ます。
このように開口スペースが取りきれない駐車場では、隣の車種にも気を付けると良いでしょう。
ドアの先端にキズがいっぱいある(=相手が車かモノに限らず、ドアパンチをよくする)、他にも傷が多い車に気を付けましょう。
何故ならドアパンチしても気にしない、また車の傷にも無頓着で傷つける・傷つけられることを気にしていないオーナーかもしれません。
隣に車がいようがお構いなしにドアを勢いよく開けるクセがあったり、大事と思わず警察に連絡もしない人物という可能性も否定できません。
ドアパンチ予防用のグッズを活用するのもおすすめです。
ドアのエッジに取り付けるカバーやモールは、代表的なアイテムです。
もし当ててしまっても、柔らかいカバーで傷をつけないで済むかもしれません。
また被害を防ぐために、ドアに貼り付けるガードも存在します。
マグネットを利用することで、駐車中だけ利用できるので、車内に備えておくと良いでしょう。
まとめ
なかなか防ぐことが難しいのがドパンチです。
つまり被害を受ける・与える、どちらも可能性があるということです。
ちょっとした心がけとグッズで、リスクを減らすことはできます。
また自身が加害者にならない為の、工夫も同様に理解していなければなりません。
今加入している自動車保険がいざというトラブルに対応してくれるのかを確認したり、場合によっては自動車保険の見直しも検討していいかもしれません。
自分が人の車にドアパンチしない!まずはそんな気持ちで駐車してみてください。