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御料車とはどんな車?代表的な車種の歴史を徹底解説!

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みなさまは、御料車とは何かご存じでしょうか。御料車とは、天皇陛下がご乗車になるための特別な車両です。一般車両とは異なる特徴が多くあります。

本記事では、御料車の概要や車種の歴史を解説します。

御料車とはどんな車?


御料車の特徴や法律上の扱いを解説します。

御料車の特徴

天皇陛下がご乗車になるための特別な車両が御料車です。
「御料」は、高貴な人の所有物や利用物を意味します。御料車のほかに、御料牧場、御料馬、御料林、御料地などがあります。

宮内庁管理部車馬課が保有・管理し、運転するのは専属の操縦員です。

御料車のナンバープレートは2種類

御料車のナンバープレートは、皇ナンバーと品川ナンバーの2種類です。

通常、国会開会式のような公式行事では皇ナンバーの御料車が用いられます。皇ナンバーは一般的な長方形ではなく、円形のバッジ状です。フロントグリルの端とリアライトの横に装着されています。皇ナンバーの詳細は、道路運送車両法施行規則第11条第2項で細かく規定されています。あくまでも法律に則っていることが特徴です。

本来ナンバープレートが装着されている箇所には、菊の御紋が取り付けられています。鎌倉時代に後鳥羽上皇が用いたことが菊の御紋のルーツだといわれています。

公式行事以外の私的なご用件の場合は、品川ナンバーの御料車が使われるようです。

御料車の法律上の扱い

御料車は、厳格な交通制限・整備が実施されたうえで走行するのが一般的です。

ただし、御料車といえど道路交通法は守らなければなりません。
信号操作により御料車の前は常に青信号になるケースが多くありますが、仮に赤信号に出くわしたら、一般車両と同様に停止します。

ほかにも、救急車や消防車といった緊急車両が通行する際は、御料車であっても道を譲らなければなりません。実際に緊急車両に道を譲った事例が過去に数件発生しています。

代表的な御料車の歴史


代表的な御料車の歴史を解説します。

デイムラー・ランドレー57.2HP

1912年(大正元年)に大正天皇が即位された際に、イギリスから輸入された「デイムラー・ランドレー57.2HP」が初の御料車として利用されました。

当時日本は、自動車先進国であったイギリスと日英同盟を結んで友好関係にあったためです。

デイムラーは、イギリス王室で初の御料車に採用された自動車メーカーでもあります。ランドレー57.2HPは、当時のイギリス王室に納められたデイムラーの最新モデルと同型です。

ボディカラーは、皇室の色である「溜色」でした。ドアに菊の御紋が取り付けられた以外に、特別なカスタマイズはされていませんでした。

ロールス・ロイス・シルヴァーゴースト

1921年(大正10年)に、「ロールス・ロイス・シルヴァーゴースト」が2台導入されました。現在のいすゞ自動車や日野自動車の前身である東京瓦斯電気工業が輸入を担当しました。

1923年(大正12年)に日英同盟が解消されましたが、1936年(昭和11年)まで使用されましたています。

「虎ノ門事件」と呼ばれる、皇太子である摂政宮裕仁親王(後の昭和天皇)暗殺未遂事件が1923年(大正12年)に発生し、2台のうち1台が被災しました。銃撃への防御装備がなかったことが問題視され、次の御料車である「メルセデス・ベンツ・770」では防弾装備が充実しています。

御料車の役目を終えた後は解体され、民間に払い下げられました。

メルセデス・ベンツ・770

メルセデス・ベンツ・770」は、1932年(昭和7年)に導入されました。御料車としては初めてのドイツ車です。満州事変への対応を巡って、イギリスやアメリカ合衆国などとの関係が悪化していたことが背景にあります。

メルセデス・ベンツ・770は、通常仕様でも全長5.6m、車重2.7tの巨大な車でした。納入された7台のうち2台は、さらに防弾装甲仕様に改造され4tを超えています。

また、後席の内装に、宮内省に供給された西陣織があしらわれました。

第二次世界大戦が終結した後も、1968年(昭和43年)まで使用されました。

キャデラック・75リムジン

1951年(昭和26年)に「キャデラック・75リムジン」が御料車として導入されました。

第二次世界大戦終結後、GHQの計らいで採用されました。メルセデス・ベンツ・770が敵国ドイツ製であったことが、アメリカ製のキャデラックが採用された一因です。

しかし、キャデラック導入後もメルセデス・ベンツ・770が使われ続けたこと、正式な御料車ではありませんがロールス・ロイス・シルバー・レイスが利用されたことなどから、早期に引退しました。

日産・プリンスロイヤル

1967年(昭和42年)に導入された御料車が「日産・プリンスロイヤル」です。

日本製の御料車としては初の日本車です。高度経済成長により国産自動車のクオリティが急速に向上したことが背景にあります。

内装に西陣織がふんだんに使われたことが特徴です。

イギリス女王エリザベス2世やアメリカ大統領ロナルド・レーガンといった各国の要人を乗せています。

これまでの御料車の中では最も長く使用された車種ですが、経年劣化が進んだため、「トヨタ・センチュリーロイヤル」に後継を譲り引退しました。

トヨタ・センチュリーロイヤル

2006年(平成18年)に「トヨタ・センチュリーロイヤル」が導入され、2023年現在も使われています。

当時日産は、ルノーと合併して経営再建を図っていました。御料車の開発予算も十分になかったため、日産は御料車の納入を辞退しました。

トヨタが後を継ぎ、同社の「センチュリー」を基にして「センチュリーロイヤル」が開発されました。

通常のセンチュリーとは異なり、観音開きのドアが採用されていることが特徴です。天井には和紙、後部座席にはウール、アームレストには漆仕上げの天然木、乗降ステップには御影石があしらわれています。

現在は4台体制で活躍しています。

まとめ


御料車の概要や車種の歴史を解説しました。

御料車には一般車両にはない特徴が多くありますが、御料車といえど道路交通法を遵守して走行する必要があります。

様々な車種を経て、現在はトヨタのセンチュリーロイヤルが御料車として活躍しています。

御料車を見かける機会があったら、本記事の内容を思い出してみてはいかがでしょうか。

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