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車のABSとは?注意点やABSランプが点灯した時の対処法を解説

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ABSとはアンチブロックロックシステムのこと。急ブレーキを踏んだときにタイヤがロックすることを防ぐシステムです。

ABS自体はどんな車にもついていますが、歴史や仕組み、機能を詳しく知る方は少ないかもしれません。

本記事ではABSの仕組みや必要とされる場面、作動させるときの手順や注意点を解説します。
この記事の内容を覚えておき、ABSが作動しても落ち着いて対応できるようにしましょう。

車のABSとは?


車のABS(Anti-lock Brake System)とは、急ブレーキ時のタイヤロックを防ぐ、安全装置のひとつです。

1936年に開発された鉄道用ABSを元に、1969年に最初の車用のABSが登場しました。
日本車に4輪すべてに装着されたのは1982年のホンダ プレリュードが最初です。当時は性能が低いうえ高価で装着率も低かったですが、続々と高性能なABSが開発され、2013年にはすべてのトラック、バス、トレーラーに、2014年には乗用車にも標準装備となりました。

そんな歴史を持つABSの仕組みと、どんな時に必要かを解説します。

ABSの仕組み

ABSは、以下のように電子制御でブレーキの強さが調整されます。

ABSの仕組み
  • 1.ブレーキを強く踏む
  • 2.タイヤがロックされる
  • 3.電子制御でブレーキの強さが弱まる
  • 4.タイヤがわずかに回転する
  • 5.電子制御でブレーキの強さを最適にする
  • 6.1~5が素早く繰り返される

この仕組みのため、急ブレーキでもタイヤがロックされません。
タイヤがスリップしないためハンドルも効き、障害物をよけられる可能性もあるため、安全に車を止められます。

ABSが必要とされる場面

ABSは急ブレーキ時や滑りやすい路面でブレーキをかけたときに発動します。

タイヤがロックする理由は、タイヤと路面の摩擦よりタイヤとブレーキの摩擦が大きくなるためです。
つまり、タイヤとブレーキの摩擦が大きい急ブレーキ時や、タイヤと路面の摩擦が小さい雪道などでABSが活躍するということです。

ABSを作動させる手順と注意点


ABSを作動させる手順や注意点を解説します。

ABSを作動させる手順

ABSを作動させる方法は簡単で、ブレーキを強く踏むだけです。
あなたが所有している車でも容易に発動させられるかと思います。

ABSを作動させる際の注意点

ABSを作動させるときは、ブレーキペダルを強く踏み続ける必要があります。

ABSが作動すると「ガガガ」という音が鳴ったり、ブレーキペダルが細かく振動、足が押し戻されるような感覚があります。
故障かと驚くかもしれませんが、これがABSが効いているときの正しい挙動です。

ブレーキペダルを踏む力に強弱をつける、いわゆるポンピングブレーキをせず、力いっぱい踏み続けてください。

また、通常の路面ではABSのおかげで制動距離が短くなりますが、凍結路やぬかるみなど滑りやすい路面では逆に長くなります。
悪路ではスピードの出しすぎに注意しつつ、車間距離は通常時の2から3倍程度と十分にとってください。

ABSランプが点灯したらどうする?


車のメーターパネルには多くのランプがあり、その中にはABSランプがあります。
ABSランプが点灯する意味、点灯する原因、点灯したときの対処法を解説します

ABSランプが点灯する意味

ABSランプは以下の3つの場合で点灯します。

ABSランプが点灯する意味
  • エンジン始動時
  • ABSが作動しているとき
  • ABSに何かしらのトラブルが起こっているとき

ABSランプが点灯する原因

エンジン始動時、ABS作動中にABSランプが点灯することは正常なので、気にする必要はありません。

エンジン始動時はABSランプに限らずすべての警告灯が一度点灯します。
装飾目的、または機器類に異常がないかチェックしているだけなので問題ありません。
すぐにABSランプを含む警告灯は消灯します。

ABS作動時もランプが点灯します。ABSが作動している証拠なので、同様に問題はありません。
ABSが停止したら消灯します。

問題は、エンジン始動時でもABS作動時でもない通常時にABSランプが点灯している場合です。
ABSに何かしらのトラブルが起こっており、作動しない状態であることを示しています。

ABSランプが点灯した時の対処法

通常時にABSランプが点灯したときは、車の修理が必要です。

ランプ点灯の意味は「ABSにトラブルが起こっている」ということだけで、どこが壊れているかまではわかりません。原因を特定するには専門的な機器、技術が必要なので、DIYでなく専門店に持ち込むことをおすすめします。ディーラーや整備工場に車を持ち込みましょう。
カー用品店でもお店によっては見てもらえるかもしれません。故障個所にもよりますが、修理費用は一般的な車で数万円はかかります。

ABSランプが点灯しても、ABSが使えなくなるだけで、ブレーキの「減速する」という機能自体は問題なく作動します。しかし、できるだけ早い修理が必要です。

ブレーキは自分だけでなく同乗者、歩行者などの命に係わる非常に重要な部品です。いざというときにABSが作動せず、命を奪ってしまわないようにしてください。
整備不良で罰金をとられることもありますし、車検にも合格しません。ABSの整備を怠り事故を起こした場合の社会的責任は、決して小さくはありません。

まとめ


車のABSについて、どういうものなのか、作動させる手順や注意点、ABSランプが点灯したときの対処法を解説しました。

ABSは急ブレーキ時や滑りやすい悪路でタイヤのロックを防ぐ機能です。ブレーキを強く踏み、タイヤとブレーキの摩擦が、タイヤと路面の摩擦を超えてタイヤロックしたときに発動します。

ABSが作動するとガガガと音が鳴り細かな振動が起こりますが、正しく作動している証拠です。
ポンピングブレーキをせず力いっぱいブレーキを踏み込み続けてください。

ABSランプが通常時に点灯した場合、何かしらのトラブルが起こっています。
ブレーキは人間の命を守る最重要な部品なので、できるだけ早く修理するようにしてください。

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