ちょっとした段差や障害物にぶつかって、ホイールに傷をつけてしまった経験はありますか。
ガリっとこすったときにできた傷のことを、そのままガリ傷といいます。
ホイールのガリ傷は軽微なものであれば見た目が悪いだけで済みますが、場所や深さによっては車の走行機能に影響を与えます。
この記事では、ホイールのガリ傷を放置したときにどうなるか、どうやって修理したらいいかを解説します。
ホイールをぶつけてガリ傷を作ってしまった方は、ぜひ参考にしてください。
ホイールのガリ傷を放置するとどうなる?
軽微なものであれば問題ありませんが、場所や傷の深さによっては以下の問題が発生します。
- 錆が発生する
- エア漏れが発生する
- 走行中に不具合が発生する
それぞれ解説します。
サビが発生する
ガリ傷を放置していると、ホイールに錆が発生します。
ホイール表面には錆を防ぐ膜が張られており、錆を防いでいます。この膜がガリ傷によって剝がれると、そこから錆が進行します。
ホイール内部の金属は、空気中の水分や酸素と反応します。そのため、たとえキレイにしていても、ガリ傷を放置するだけで錆が発生します。
錆は一か所だけにとどまりません。ガリ傷を中心にホイールと塗装の間を這って進行するため、ぽろぽろと周囲の塗装が剥がれて、どんどん錆が拡大します。
見た目が損なわれるだけでなく、車を手放すときの査定額も下がる可能性があります。
エア漏れが発生する
ホイールに深い傷がついたときはエア漏れする可能性があります。
タイヤはホイールと密着することで空気を閉じ込めています。もしホイールを強くぶつけて変形させてしまった場合、密着性が損なわれ、エア漏れを引き起こします。
特に、タイヤとの境界に近いリム部分をぶつけた場合は、エア漏れの可能性が高まります。
十分な空気圧でないタイヤで走行して引き起こされるものは、乗り心地の低下、燃費の悪化、タイヤの寿命の減少などです。
ホイールにガリ傷を作った後は、いつもより頻繁に空気圧チェックをして、エア漏れがないか確かめてください。
軽微なエア漏れだとすぐには分からないので、特に注意が必要です。
走行中に不具合が発生する
走行中に足回りの不具合が発生する可能性があります。
錆が進行しホイールの強度が失われるとヒビがはいるかもしれません。ナットがゆるみ、最悪の場合は走行中に脱輪して事故に繋がる場合もあります。
また、ホイールがゆがんでいるとホイールバランス(アライメント)が狂い、走行中にシミー現象と呼ばれる車体やハンドルの振動が発生する、直進時でもハンドルが左右に取られるなど、さまざまな弊害があります。
ホイールはキレイな状態で最も性能を発揮できるように設計されています。
錆が進行して性能が落ちたホイールは使用しないことをおすすめします。
ホイールのガリ傷修理はDIYできる?
ホイールのガリ傷修理は、その深さや場所によって、DIYで実施するか業者に依頼するか判断しましょう。
ホイールのガリ傷修理をDIYできるケース
ひどく錆が発生していない場合、エア漏れがない場合はDIYで修理できます。
業者に依頼するより費用を節約できることがメリットです。
デメリットは、技量によっては修理後の見た目が満足できるものでなかったり、修理が不十分で錆の進行が抑えられない可能性があることです。
ホイールのガリ傷修理を業者に依頼した方がいいケース
錆がすでにホイールと塗装の間に進行している場合、エア漏れが発生している場合は業者に依頼をおすすめします。
傷が深刻な場合はホイール交換になりますが、傷の程度によっては新品同様に修復してくれます。
メリットは完璧に修正してくれること、デメリットはDIYより修理にお金がかかったり、修理中は車をお店に預けるため車を使えない期間があることです。
傷の状態によって値段は異なりますが、1万円程度から依頼できます。
ホイールのガリ傷修理をDIYする方法
ホイールのガリ傷をDIYで修理するために必要な道具や手順を紹介します。
ホイールのガリ傷修理に必要な道具
ガリ傷修理に必要な道具は以下の通りです。
- 洗剤、タオルなどの洗車セット
- サンドペーパー(150番、600番、1000番くらいの数種類)
- マスキングテープ
- シリコンオフ
- ホイール補修用アルミパテ
すべてホームセンターやカー用品店で購入可能です。なお、アルミパテの代わりに、貼るだけで見た目を美しく直せるシールも売られています。完璧でなくていいので手軽に直したい場合はこちらでもよいでしょう。
ホイールのガリ傷修理の手順
ガリ傷修理の手順は以下の通りです。
- ホイールを普段通りに洗ってごみを落す
- マスキングテープで傷周辺の補修部分以外を保護する
- 150番のサンドペーパーで磨き、表面を平らにする
- シリコンオフで脱脂する
- アルミパテを塗る
- 600番→1000番のサンドペーパーで磨き、表面を美しく整える
ガリ傷修理の最初は洗車です。余計なごみや汚れを落として修理する下準備をします。次に、補修部分以外が傷つかないようにするため、マスキングテープで保護します。保護が終わったら、荒めのサンドペーパーでささくれ立ったガリ傷を平らにします。
次はシリコンオフで脱脂。脱脂しないと次工程のパテがホイールに密着してくれません。いよいよパテを塗っていきます。パテが硬化する前に、薄く手早くを意識して塗ります。ある程度でこぼこでもかまいませんが、できるだけ平らに塗ると、次工程の磨きが楽になります。
最後に、600番→1000番とサンドペーパーを使って表面を整えます。
このように、ガリ傷修理はあまり難しい知識は必要なく、誰でも手軽に挑戦できます。
慣れないうちは表面をきれいに仕上げることが難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
ホイールのガリ傷を放置するとどうなるのか、またどうやって修理するかを解説しました。
ガリ傷は錆やエア漏れの原因となります。
錆が進行するとホイールの強度を低下させ、最悪の場合はヒビ割れからの脱輪事故を起こすかもしれません。
軽微であればDIYでも修理が可能です。ただ、ホイールの変形やエア漏れを伴う深刻な傷は修理業者に依頼することをおすすめします。
愛車のホイールにガリ傷を作ってしまった方は、修理を検討してみてください。