みなさまは、車のアーシングをご存じでしょうか。
元々はレーシングカーで用いられた手法ですが、現在は簡単にDIYで施工できる燃費向上、ライトの光度アップの手段として知られています。
この記事では、アーシングの効果やメリット・デメリット、DIYの方法を解説します。
紹介する内容を参考にして、アーシングにチャレンジしてみてください。
車のアーシングの効果とは?
車のアーシングの概要、効果について詳しく解説します。
車のアーシングとは?
アーシングとは、アースに用いられるケーブルを電流が流れやすいものに交換して、各電装部品に十分な電力を供給することを指します。
通常、車のバッテリーのマイナス極は金属製のボディにつながっています。
エアコンやライトなどの電装品のアース線も、同様にボディにつながっています。
バッテリーのプラス極→電装品→車のボディ→バッテリーのマイナス極という電流の流れです。
さらなる効果を得るために、車のボディを介さずケーブルを用いて電流をバッテリーに戻すこともアーシングの一種とみなすこともあります。
車のアーシングの効果とは?
アーシングをすると、エンジン始動性、燃費、ライトの光度、オーディオシステムの音質などの向上・改善効果があるといわれています。
劣化したケーブルを電流が流れやすいものに交換すれば、電子機器の性能を最大限に引き出せるでしょう。
車のボディを介さずケーブルを用いて電流を流せば、ボディに無駄に流れていた電流を効率よくバッテリーに戻せます。
ボディアースから電装品にノイズが乗ることへの対策としても有用です。
車のアーシングのメリット・デメリット
車のアーシングのメリット・デメリットを詳しく解説します。
車のアーシングのメリット
車のアーシングは、燃費向上やライトの性能アップのカスタムの中でもDIYで簡単に実施できることがメリットです。
アーシングに用いる工具やケーブルも高価ではありません。
カラフルなケーブルを取り付けて、エンジンルームを華やかにドレスアップすることもできます。
車のアーシングのデメリット
車のアーシングをしても、効果を実感しにくいことがデメリットとして挙げられます。
近年の車はあらゆる点で高性能化しており、電気系統も改善されています。
新車をわざわざアーシングしても、改善効果はあまり見込めないでしょう。
旧型車のように電気系統が未改善の車、ボディだけでなく電気配線そのものや接続部もさびている車などは、アーシングの効果を実感しやすいかもしれません。
アーシングには、車が元々持っている性能を引き出す効果はありますが、カタログ性能以上の改善効果はないことに注意しましょう。
また、車のアーシングをすると改造車として扱われ、故障時にメーカー保証が受けられない可能性があります。
車のアーシングをDIYする方法
車のアーシングの中でも簡単にDIYで実施可能な、純正アースケーブルの交換について方法を解説します。
ただし、ハイブリッドカーのように高電圧が流れる車の電気配線に触れるのは危険なので、整備工場やカスタムショップに依頼しましょう。
車のアーシングに必要なもの
アースケーブルの交換には、少なくともアーシング用ケーブルとソケットレンチが必要です。
端子の清掃のためにワイヤーブラシもあると便利です。
必須ではありませんが、ソケットレンチが入りにくい箇所にはラチェットメガネレンチが役立ちます。
ケーブル選びのコツ
純正アースケーブルの交換には、8sq以上のケーブルを使いましょう。
sqは「square mm(スクエアミリメートル)」の略で、「スケア」と読みます。
JIS規格で定められた、ケーブルの断面積を表す指標です。
数値が大きくなるほどケーブルが太くなります。
太いケーブルほど電気抵抗が小さく、スムーズに電流が流れます。
8sq以上の太さのケーブルは、専用工具が高額なため、自身で圧着端子をかしめるのは困難です。
そのため、圧着端子が取り付けられた完成品ケーブルの購入をおすすめします。
純正アースケーブルと交換する場合は、同じ長さのケーブルを購入しましょう。
車のアーシングにかかる費用
車のアースケーブルは1本につき1,000~3,000円程度で購入できます。
カー用品店やホームセンター、ネット通販で簡単に手に入れられるでしょう。
整備工場やカスタムショップに依頼する場合、工賃が2,000円前後かかります。
車のアーシングをDIYする手順
純正アースケーブルを交換する手順を解説します。
まず、純正アースケーブルが取り付けられている場所を見つけます。
ボディアースは多くの場合、バッテリーのマイナス端子から、ボディのフェンダー裏へ接続されています。
元々の純正アースケーブルが見つかったら、ソケットレンチを用いてねじを緩め、取り外します。
端子が汚れていたら、ワイヤーブラシできれいにしましょう。
用意した新しいアースケーブルを、純正アースケーブルと同じように取り付けて完了です。
熱源の近くにあると、ケーブルの温度が上昇し抵抗値が上がります。
稼働部品の近くにあると、ケーブルが巻き込まれるかもしれません。
熱源や稼働部品の近くを避けて取り付けてください。
バッテリーからエンジンにつながっているケーブルも、同様の方法で交換できます。
ただし、DIYで取り付けたケーブルに不備があると、電装品がうまく作動しないことがあります。
元々取り付けられていた純正ケーブルは、新しいケーブルに重ねて取り付けておくことをオススメします。
電流は抵抗値が低いほうに流れる性質があるので、不備がなければ新しいケーブルのほうに電流が流れるでしょう。
新しいケーブルに異常があった場合は、純正ケーブルに電流が流れます。
テスターを保有している方は確認してみましょう。
まとめ
アーシングの効果やメリット・デメリット、DIYの方法を解説しました。
アーシングは、アースケーブルをより良いものに交換することや、ボディを介さずに電流をバッテリーに戻すことを指します。
エンジンの始動性やオーディオシステムの音質などの改善に役立つといわれています。
新しい車よりも、古い車のほうが効果を実感しやすいでしょう。
劣化したアースケーブルは、簡単にDIYで交換できます。
ぜひこの記事を参考に、アーシングのDIYを試してみてください。
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