車を長持ちさせるために不可欠なメンテナンス。故障箇所を修理するわけではないので、本当に必要なのか疑問に思う方もいるかもしれません。お店にメンテナンスを頼んでもお金がかかりますし、DIYでも何をしたらいいのか分かりにくいのも事実です。
そこで今回は、車の整備を仕事にしている整備士が愛車にどんなDIYメンテナンスをやっているのか解説していきます。そっくりそのまま真似をして、メンテナンスの効率を最大限に引き出しましょう。
カーメンテナンスのDIYについて
サボりがちなメンテナンスですが、実は法律で自動車は日常的な点検をするようにと決められています。
例えば道路運送車両法第四十七条に「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」とあります。
「維持しなければならない」ということは、つまり日常的にメンテナンスが必要だということです。
自動車にメンテナンスする方法としては大きく分けてふたつ、お店に頼むか自分でやるか(DIY)になるでしょう。
カーメンテナンスをDIYでやると「お店に持っていく手間がかからない」「費用が節約できる場合が多い」などのメリットがあります。
もちろんデメリットもあり「メンテナンスの知識が必要」という大きな壁が存在しています。ただ、近頃はインターネットから情報も手に入りやすく、DIYに挑戦している方も多くなってきています。
プロが実践しているカーメンテナンス
カーメンテナンスのことを知るにはカーメンテナンスを仕事にしているプロの真似をするのが一番。ということで整備士が実践しているカーメンテナンスを紹介します。
ライトが切れていないかチェック
車を走らせているときに、前の車のテールライト切れに気がついたことはありませんか?
ライトが切れただけでは走行自体に支障はありませんが、後続車にとっては迷惑この上ないことです。さらには先に紹介した道路交通法に違反しており、整備不良車と見なされるため罰則もあります。
ブレーキランプは自分では確認しにくいので、誰かに見てもらったり工夫して確認してみてください。
ボンネットをエンジンルームを開けて中身をチェック
素人ではなかなか手が出ないエンジンルームのチェックですが、整備士はDIYでメンテナンスしています。
ここで見たいのはブレーキフルードの量、冷却水の量、エンジンオイルの劣化、ベルト類の劣化あたり。車種によって場所が違いますが、確認することは同じです。
ブレーキフルードと冷却水は入れ物にメモリがあるので、多すぎず少なすぎずの定量であるかをチェックし、少なくなっていたら補充します。
エンジンオイルの劣化を調べるには、エンジンルーム内にある「オイルレベルゲージ」と呼ばれる専用の棒を使います。オイルレベルゲージを抜き、綺麗に拭いて再び差し込み、また抜いて付着したオイルを見ることで量や劣化具合が分かります。綺麗な薄茶色のオイルが黒くなっていたら、交換を考えてもいい時期でしょう。
ベルト類はゴム製で、劣化でひび割れてきて、そのまま走ると千切れて走行不能に陥ります。ひび割れているかどうかは目視で簡単に分かります。ひび割れを見つけたらお店に持っていって交換しましょう。
タイヤの劣化や空気圧をチェック
タイヤも定期的なメンテナンスが必要な場所。劣化によってひび割れていないか、スリップサインは出ていないか、空気圧は少なくないかの3点がチェックしたい箇所です。ひび割れとスリップサインは目視で、空気圧はガソリンスタンドでガソリンを入れるついでに簡単に調べられます。
車内の発煙筒やペダルなどのパーツをチェック
忘れがちですが、発煙筒には使用期限が決められています。有効期限内の発煙筒を用意していないと罰則があります。
ペダルやハンドル類も不調がないか、車内が清潔に保たれているかも見ておくと良いでしょう。数値で定められている訳ではないので、違和感がないかくらいの点検で大丈夫です。
DIYメンテナンスで用意すべき道具
整備士はプロ用のすごく精度が良くて丈夫な工具を使っていますが、一般の方はメンテナンスの頻度が高くないのでそこまで立派な工具は必要ありません。
以下の工具を揃えれば十分でしょう。
- メガネレンチ
- プラス / マイナスドライバー
- ラジオペンチ
- 手袋
- 油汚れを拭き取るウエス
まずは車載工具でメンテナンスしてみて、不満が出てきたら買い揃えると経済的です。
DIYメンテナンスの注意点
DIYメンテナンスは作業者がプロではなく一般の方です。なので以下のことに気をつけてください。
- 作業前にしっかり情報収集する
- 自信がないならやらない
- 作業後に違和感がないか確かめる
車のメンテナンス中は、状況によっては走行不可能になります。パーツを外して「元に戻せない…」となっても整備工場まで持っていくこともできません。事前の情報収集をしっかりして、自信がないならやらないことをおすすめします。
そして、作業後にも何か間違ったことをしていないか疑い続けましょう。違和感に気が付きやすくなります。
まとめ
情報が集めやすくなってDIYでカーメンテナンスする方が増えてきました。昔より格段にやりやすい環境が整っています。
最初は少々怖いですが、慣れれば意外と楽しいものです。ぜひ挑戦してみてください!