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車のトランスファーとは?センターデフとの違いやオイル漏れについて

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読者の皆様は「トランスファー」のことをご存じでしょうか。
トランスファーとは、4WDの車のみに装着されている部品で、エンジンの出力を前後のタイヤに伝える働きがあります。
4WD車が走行するうえで非常に大切な機構であり、トラブルを放置すると重大な事故につながります。

この記事ではトランスファーの役割や構造、トラブルの原因や対処法を解説します。

4WD車をお持ちの方や購入を検討している方は、この記事の内容を頭の片隅に置いておいてください。

トランスファーとは?


トランスファーについて解説します。

トランスファーの役割

トランスファーには、エンジンの出力をフロント・リアタイヤの車軸に分配する役割があります。
前後輪が駆動する4WD車に搭載されています。主変速機を補う副変速機としての役割を持つものもあります。

例えば主変速機が5段階の変速機能を持ち、トランスファーが副変速機として2段階の変速機能を持っていれば、掛け合わせて10段階の変速が可能です。

トランスファーは、前輪または後輪のどちらか一方のみで駆動する2WD車には必要ないため、4WD車特有の機構です。

トランスファーの構造

トランスファーはエンジンやトランスミッションの後ろに配置され、ドライブシャフトを介して前後のタイヤに出力を分配しています。

トランスファーには、ギア駆動とチェーン駆動の2種類があります。

ギア駆動のトランスファーは複数のギアで構成されており、チェーン駆動よりも強固で信頼性が高く、主に大型トラックに搭載されています。

チェーン駆動のトランスファーは、軸間が離れた2つのシャフトをチェーンでつないだ構造です。
ギア駆動に比べて騒音が小さく軽量であるため、特に小型トラックやSUVに用いられています。

スズキの「ジムニー」や日産の「キャラバン」など、トランスファーレバーや電子スイッチでトランスファーの作動をオンオフして2輪駆動と4輪駆動を切り替えるパートタイム4WD車が市場に多くあります。

トランスファーと類似するもの


トランスファーと類似するものをいくつかご紹介します。

トランスミッションとは?

登坂走行時や発進時には回転する力が必要となる一方で、高速道路ではスピードを速くするために回転数を増やす必要があります。

回転する力や回転数はギアの大きさや歯数によって決まるため、時と場合によってギアを切り替えなければなりません。

車にかかる負荷や必要とする速度に応じてギアを切り替える仕組みのことをトランスミッションといいます。

運転者がクラッチとシフトレバーでギアの切り替えを操作するMT(マニュアルトランスミッション)車と、ギアの切り替えが自動化されたAT(オートマチックトランスミッション)車のほかにも、ギアではなく滑車と金属製ベルトで無段階に変速するCVT(Continuously Variable Transmission)車があります。

トランスファーはトランスミッションの後ろに接続されています。
エンジン→トランスミッション→トランスファーの順に力が伝達されます。

センターデフとは?

常時4輪駆動であるフルタイム4WDタイプの車には、「センターデフ」と呼ばれる差動歯車が搭載されています。

前後輪が直結されていると、摩擦力の大きい舗装路でハンドルを切って旋回するときに、前後輪の回転差によって大きな負荷がかかり、「タイトコーナーブレーキング現象」と呼ばれるブレーキがかかったような現象が起きて異音や振動が発生します。

センターデフがあれば、舗装路でも滑らかに曲がれます。

ただし、オフロードで片方の車輪が溝に落ちたり、氷に乗り上げたりしたりして片方の車輪が空転すると他の車輪に力が伝わらず、脱出できなくなってしまいます。

したがって、車輪が空転した際に差動装置を固定して、他の車輪が駆動できるようにするデフロック機能が多くの車に搭載されています。

トランスファーの役割を兼ねたセンターデフも多くあります。

トランスファーオイル漏れとは?


トランスファーのよくあるトラブルのひとつに、オイル漏れがあります。
トランスファーのオイル漏れについて解説します。

トランスファーオイル漏れの原因

トランスファーのオイル漏れの原因の中で最も多いのは、オイルシールの劣化です。

オイルシールとは、その名の通り、オイルをシール(封止)する部品です。
オイルシールは主にゴム製であり、劣化すると緩んだり割れたりしてオイルが漏れることがあります。

ただし、まれにトランスファーの破損によるオイル漏れもあるため、整備工場で見てもらいましょう。

また、オイルそのものが劣化していると、ギアが滑らかに動かず、破損する恐れがあります。
走行距離が2~3万kmになったタイミングを目安としてトランスファーオイルを交換することをおすすめします。

トランスファーオイル漏れを放置するとどうなる?

トランスファー内部のギアの摩耗を防ぐためには、潤滑油によってギアに油膜を張って、ギアのかみ合わせを滑らかにしなければなりません。

オイル漏れを放置すると、本来必要なギアにオイルが行き渡らず、異音や発熱が発生します。最悪の場合、トランスファーが破損してしまいます。

走行中に突然トランスファーが動かなくなってしまうと、車輪を駆動できず、重大な事故につながるかもしれません。

トランスファーオイル漏れの修理方法とその費用

オイルシールなどの劣化が原因であった場合、オイルシールの交換が必要となり、3~5万円程度の費用がかかります。

トランスファーが破損していた場合、オーバーホールもしくは一式交換が必要となり、数十万円かかるでしょう。
一般人が自分で修理するのは困難なので、プロの整備士に依頼して修理してもらいましょう。

まとめ


トランスファーの役割や構造、トラブルの原因や対処法を解説しました。

トランスファーは前後のタイヤに力を分配する、4WD車には欠かせない部品です。
オイル漏れを放置すると、重大な故障につながる恐れがあるので、速やかに整備工場で見てもらいましょう。

ぜひこの記事の内容を覚えておいて、トラブルがあったときに適切に対処してください。

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