プロペラシャフトとはエンジンで生み出した駆動力をデファレンシャルギア(タイヤへの動力をコントロールする装置)に伝えるパーツです。
4WD(四輪駆動)やFR(フロントエンジン・リアドライブ)の車にだけ装着されています。
プロペラシャフトにはとても大きな負荷がかかるため強い金属で作られていますが、使い方によってはそれでも折れることがあります。
折れてしまうと全く走行不可能になってしまい、交換せざるをえなくなります。
今回はプロペラシャフトについて基本情報から寿命、交換費用などを解説します。
車に乗っていてあまり意識するパーツではありませんが確実に劣化はします。
長距離を走るドライバーはプロペラシャフトの不調を示すサインをぜひ覚えていてください。
プロペラシャフトとは?
プロペラシャフトとは何か、以下の3点から紹介します。
- プロペラシャフトの役割
- プロペラシャフトの仕組みと構造
- ドライブシャフトとの違い
プロペラシャフトの役割
プロペラシャフトはエンジンとデファレンシャルギア(通称デフ)をつなぐ金属製の回転軸です。
FRや四駆の車はトランスミッションと駆動輪が離れているため、プロペラシャフトが両者をつなぎ動力を伝える役割を担っています。
プロペラシャフトの仕組みと構造
プロペラシャフトの仕事はトランスミッションとデフを繋げることなので、金属の棒があれば最低限の役割を果たせます。
ただ、それだけでなく例えば軽量化のために中空にしたり素材を炭素繊維など軽くて丈夫なものに変えたりと工夫がされています。
大きな車だとトランスミッションとデフの間に距離があるため、プロペラシャフトが2,3に分割されています。
一本のプロペラシャフトでは振動が大きくなりますが、数個に分割することで振動を抑える効果があります。
ドライブシャフトとの違い
ドライブシャフトとプロペラシャフトに役割の大きな違いはありません。
両者とも動力を車輪に伝えるための回転軸です。
ただ、アメリカ流にいう両者は同じですが、イギリス風にいうと少し異なります。
イギリス流では進行方向に対して平行なものがプロペラシャフト、直角のものがドライブシャフトと呼ばれます。
日本ではイギリス流にのっとって、FF車の場合はドライブシャフト、FR車や四駆の場合はプロペラシャフトと呼ばれるのが一般的です。
プロペラシャフトの寿命とは?
プロペラシャフト自体が折れることは少ないですが、それをつなぐジョイント部分が壊れることがあります。
乗り方によって大きく差が出るので明確に何kmが交換目安だと決めるのは難しいパーツです。
異音や振動などの不調がでたり、走行不能になってしまったときが寿命だといえるでしょう。
プロペラシャフトの異音の原因
プロペラシャフトの「ボー」のような異音の原因は、以下のことが考えられます。
- 下回りを打ったときにプロペラシャフトがゆがんだ
- ユニバーサルジョイント(自在接手)の劣化
段差を乗り越えるときにプロペラシャフトをぶつけて大きな衝撃が加わると、バランスが崩れて異音の原因となります。
また、ユニバーサルジョイントの劣化も考えられます。
ユニバーサルジョイントは軸の回転を角度を変えて伝えるために使う継ぎ手のことで、プロペラシャフトをトランスミッションやデフとつなぐのに使われます。
ユニバーサルジョイントの劣化や損傷も異音を出す原因となりえます。
プロペラシャフトが折れる原因
プロペラシャフトが折れる主な原因はふたつ走行中に高い負荷がかかることかプロペラシャフト自体を強くぶつけることです。
プロペラシャフトはトランスミッションの回転をデフに伝えるという大きな負荷がかかる役割を担っているパーツなので、衝撃に耐えられるよう非常に丈夫に設計されています。
普通に乗っていれば折れることはめったにないパーツです。
しかし、オフロードを走ったりチューンナップしてエンジンのパワーをあげていたり、車を設計している段階で想定していない使い方をすると、負荷に耐えきれず折れることがあります。
また、プロペラシャフトは何かカバーがあるわけではないので、段差や石で強く打ち付けると曲がったり折れるケースもあります。
プロペラシャフトの交換費用とは?
プロペラシャフトの交換について、場所や費用を紹介します。
プロペラシャフトの交換場所
プロペラシャフトはDIYでも交換できないこともありませんが、専門的な知識や道具が必要です。
また、走ることにダイレクトに影響するパーツなので、不具合が起こると走行不能に陥ることも少なくありません。
プロペラシャフトが折れるほどの衝撃を車の下部から受けた場合は、プロペラシャフト自体だけでなく周辺のパーツもダメージを受けている可能性もあります。
DIYでやるより、ディーラーや整備工場、カー用品店などに交換を依頼するほうが無難でしょう。
プロペラシャフトの交換費用
プロペラシャフトの交換費用はどこまで交換するかによって大きく変わります。
ユニバーサルジョイントの部分だけを交換したり修理したりするだけなら1万円程度からできますが、プロペラシャフトの軸が破損して丸々交換となると10万円を超えることもあります。
プロペラシャフトの交換はその周辺のパーツの状態も見たいところなので、実際にお店に車を持ち込み状態を確認して見積もりをしてもらうことをおすすめします。
まとめ
プロペラシャフトについて、基本情報や交換方法を解説しました。
プロペラシャフトはFRや四駆の車についている、トランスミッションとデフをつなぎ動力を伝える主に金属で中空の棒です。
通常の使い方では折れたり曲がったりすることは多くはありませんが、ジョイント部分にガタが出る可能性は十分にあります。
DIYでも交換できないこともありませんが、走りに直結する部分なのでディーラーや整備工場で修理してもらったほうが無難でしょう。
走行中に「ボー」というような異音がしたらプロペラシャフトが曲がったり破損している可能性があります。
気になる不調がありましたら、走行不能に陥る前にぜひディーラーや整備工場に持ち込んで状態をチェックしてもらってください。
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