シャコタンとは?ブームのきっかけやメリット・デメリットは?注意点や疑問にお答えします

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読者の皆さんは「シャコタン」という、自動車のカスタムをご存じでしょうか?

端的に言うと、シャコタンは車高を低くするカスタムです。
現在でも車高を低くする=ローダウンというカスタム自体は、主に運動性能を求めるスポーツ走行又は外観の向上を目的として広く行われます。

そういったカスタムとシャコタンには違いがあるのでしょうか?
今回は成り立ちや文化的側面も含めて、お話できればと思います。

目次

シャコタンとは?

まずはシャコタンとは何なのか、この項で基礎知識を覚えていきましょう。
ブームを辿っていくと、歴史の長いカスタム文化であるということが分かります。
 

シャコタンとは?

シャコタンは自動車のドレスアップカスタムであり、車高(最低地上高)を極端に下げる状態を指します。

シャコタンの語源は「車高短」に由来します。
タイヤがホイールハウスに当たる寸前、バンパーが地面すれすれといった外観になるのがシャコタンの特徴です。

基本的にシャコタンは最低地上高を下げるのであって、大きなバンパーを下に伸ばして地上スレスレにすることではありません。

またサーキットやスポーツ走行を目的とせず、ドレスアップ目的に行われることも多くあります。

車高を下げるカスタムはローダウンも同様ですが、ドレスアップ目的であれば過度に車高を下げすぎることは多くありません。

スポーツ走行を前提としてのローダウンであれば、コーナリングの安定性やエアロダイナミクスの向上を目的とし、必要に応じたローダウンを行います。

勿論フォーミュラカーやレーシングカーはギリギリの最低地上高、カチカチの足回りですので、シャコタンということもいえるかもしれません。

しかしそれらをシャコタンということは多くないので、シャコタン自体は現状ドレスアップカスタムといえるでしょう。
 

シャコタンブームのきっかけ

シャコタンブームは1970年代後半から、主に暴走族の車両に多く見られるようになりました。
日本のシャコタン車、所謂「族車」のルーツは1971年から1989年まで行われた富士グランドチャンピオンレースの出場車両にあると考えられます。

この富士グラチャンの歴史では、市販ベースのものから競技用・プロトタイプまで幅広い車両が用いられました。

車両をレース用にカスタムした車両は、車高が低く、せり出したバンパー(出っ歯のような)など族車のアイデアとなりました。

これはグラチャン仕様、ワークス仕様といった愛称で呼ばれることになります。
今でもグラチャン仕様自体は、特に旧車のカスタムで人気のカテゴリーです。

大き目のバンパーやせり出したタイヤ、深いリムのホイールにオーバーフェンダーは普遍的なカスタムといえます。

このカスタムは、スポーティな見た目とレース由来であることから、当時の走り屋・ドリフト族から人気を博します。

その一方、グラチャン仕様はヤンキーや暴走族などの好みで、より派手に示威的な見た目に進むことになります。
竹やりマフラー、出っ歯(塵取り)バンパー、車高を極端に下げる(シャコタン)といった具合です。

現在、派手な族車仕様はあまり見ないものの、シャコタンについてはカスタムの1つとして残っているといえるでしょう。
 

シャコタンにファンが多い理由

シャコタンにファンが多い理由についても考えていきましょう。
グラチャン仕様や暴走族仕様は、青春時代に漫画やドラマ、映画を通して好きになった人も多いのではないでしょうか。

ヤンキー漫画などでは外せないアイテムとして登場します。
キャラクターが愛用していた仕様にしたり、似せてみたりとファンにとってはたまらないカスタムとなります。

また車高を下げる、ローダウンがそもそも王道カスタムとして君臨しています。
先に述べたように、サーキット走行を意図すると、エアロダイナミクスを改良する、車両の安定性・コーナリング性能を向上させる必要性があります。

ただし現在のシャコタンの用途はサーキット走行ではないことが多いでしょう。
つまりドレスアップです。

人よりも低く目立つようにしたい、より過激にローダウンすることがシャコタンにする主流の目的と考えられます。

愛車をよりかっこよく見せたい、自慢の車体とアルミホイールを目立たせたいというカスタム欲求がファンの多い理由ではないでしょうか。

車をシャコタンにするメリット・デメリット

愛車をシャコタンにするメリットとデメリットについても、ご紹介いたします。
メリットとデメリットはカスタムする人それぞれ変わってくるので、参考として下さい。
 

シャコタンのメリット

地面を這うようなスタイルで見栄えを良くします。
極端な車高により、他車との違いを明確にできることも魅力といえるでしょう。

走行性能においても、ボディの重心を下げることで車体の安定性が増します。
コーナリング時の余計なロール、重心移動を抑制することでコーナリング性能の良化が見込めます。

車体下部に流れ込む空気圧力を抑制することで、浮力の発生を抑える効果も期待できます。

これらは人それぞれの好みはあるものの、外見上・性能上のメリットといえるでしょう。
 

シャコタンのデメリット

次にデメリットはどうでしょうか。
サーキットに持ち込んで、走行を楽しむ分には問題がないように思えます。
では日常的に乗る場合はどうでしょうか。
デメリットは少なくありません。
まず乗り心地の悪化が代表的な例です。
地面の凹凸などを細かく拾ってしまうので、ゴツゴツと落ち着かないロードノイズの気になる乗り心地になるでしょう。

勿論、良く言えば地面に吸い付くようで安定感につながるとも言えなくもありません。
これがメリットかデメリットなのかはオーナーさんの趣味嗜好によるでしょう。
少々の段差を超えるにも注意が必要で、バンパーや底部をこすったり、当てたりしないように注意が必要です。

駐車場の出入り、踏切など注意するシチュエーションは沢山あります。

日常的にはかなり気を遣う場面が多く、ストレスになる可能性も否定できません。

シャコタンに関する注意点とQ&A

シャコタンというカスタムについて、概要は分かっていただけたと思います。
少し踏み込んで、シャコタンに関して注意すること、疑問点についても答えていきましょう。
 

運転する際の注意点

運転する際の注意点で、まず気にするべきは地面や障害物(通常であれば障害物になりえない物)との接触です。

一般道から歩道越しに駐車場に入ろうとしたり、コンビニやファミレスに入るとき、緩やかなスロープになっている場面が多くあります。

シャコタン車はこういった状況でも下面・バンパー・マフラーを擦る可能性があります。

また目も当てられないのが、凹凸や高低差のある踏切の横断です。
車両のお腹部分がぶつかり、またつっかえてしまう状態を「カメ」と呼び、危険な状況を呼ぶこともあります。

こういったトラブルを回避する為のテクニックとして、「段切り」といわれる運転方法が認知されています。

簡単に言うと、鈍角にゆっくり進入、タイヤを一輪ずつスロープ・段差にのせていくテクニックです。

このように独自のテクニックや知識を持って、多少の不便やリスクを許容する必要があります。
 

駐車する際の注意点

前向き駐車、後向き駐車問わず、駐車時も細心の注意が必要です。
前部には地上スレスレのバンパーが、後部にもバンパー、場合によってはマフラーが控えています。

駐車止め・縁石にタイヤが当たる前に、自慢のパーツが追突することを忘れてはいけません。
 

シャコタンにすると捕まる?

車高に絞って言うのであれば、最低地上高9cm以上が確保されていれば違法改造ではありません。

もっと下げたい!という方は制御可能なエアサスシステムを組み、イベント会場や写真を撮るときに下げ切ってしまう方法があります。

また地上に車体が近く見えるという意味では、バンパーは最低地上高と関係していない場合があります。

ウィンカーが装着していないバンパーは地上何cmでも特に問題はありません。
ただし大きく横にせりだしていたり、車検に通らないような規格品もあるかもしれません。

どのようなカスタムにしたいのか・なるのか、責任をもって行う必要があります。
 

シャコタンは車検に通る?

前の項では触れませんでしたが、最低地上高はマフラー・配管・エンジン本体などの構成品を指します。

これ以外の部分であればは9cm以下でも構いませんし、エンジンらをアンダーカバーなどで確実に保護できるのであれば5cmまでは下げても良いのです。

実際にアンダーカバー等の設置の難易度を考えると現実的か疑問です。
先に述べたようにバンパーも車検の要点に含まれないモノもあります。

ただし、こちらは形状によっては幅員、デザインによってはアウトな場合もありますので注意が必要です。

このようにシャコタンに見えるから車検がアウト、とは必ずしもなりません。
しかしアウトになる可能性も大いにあるといえるでしょう。

 

車をシャコタンにするための方法とは?

車をシャコタンにする方法についても紹介していきます。
基本的には足回りに手を入れていくことになります。
低コストに抑えるのであれば、装着されているコイルスプリングを切ってしまうことです。

とはいえ想定と違うダウン量になる可能性も否定できないので、コイルスプリングをダウンサスに交換することから初めてみてはいかがでしょうか。

次に車高調整式サスに交換です。
少々コストの上積みは必要ですが、高さを調整することが出来るので、高さ・硬さを考慮しつつ調整が出来ます。

次にエアサスです。
これはコイルスプリングではなく、空気バネを使用する方法です。
空気量を調整することで、任意の車高にできます。
商品によるものの、空気量を少なくし、車高を下げすぎると故障につながる恐れがあります。

最後にハイドロサスです。
ハイドロというと古いアメ車でピョンピョン跳ねさせるサスペンション機構をイメージされるかもしれません。

そもそもハイドロサスはスプリングとサスペンション双方の機能を併せ持つサスペンションです。

空気を弾力として用いる点はエアサスと同様ですが、車高の調整は油圧量で行います。
エアサスに比べても乗り心地に優れ、車高も調整可能です。
また路面の変化に対して油圧シリンダーが作動し車両を安定させます。

非常にメリットに優れる反面、複雑な機構はオイルや気体の漏れ、取付コストや修理費などデメリットも存在します。

また車両の構造変更を伴いますので、公認申請も必要です。

まとめ

さて今回はシャコタンについてまとめてみました。
多くの方にとっては、施さないカスタムであろうディープな世界です。
しかしその生い立ちや歴史は長く、カーエンスージアストにとっては無視できないカスタムです。

ちょっとしたローダウンなら…と愛車にカスタムをすると、もっと下げたいとなってしまうのも人の性です。

いつしかあなたもシャコタンオーナーになっているかもしれません。

もしそうなっても、きちんとルールや基準を守り、安全運転を忘れずに楽しんでいただければと願っています。

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