エアバッグの仕組みとは?開く条件やよくある質問にお答えします

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いざという時、ドライバーや乗員の命を守ってくれるのがエアバッグです。
ところで皆さんはエアバッグの仕組みをご存じでしょうか?

多くの車に搭載されているエアバッグですが、仕組みや開く条件について知らない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は自動車を運行する上で強い味方である、エアバッグの基本知識やよくある質問に答えていきたいと思います。

目次

エアバッグの仕組みとは?

そもそもエアバッグとは何なのか?
どうやら袋が開いて追突時に乗員の怪我を軽減するらしい、ということはご存じかも知れません。
まずエアバッグの仕組みや格納されている場所について、基礎知識を覚えていきましょう。
 

そもそもエアバックとは?

エアバッグは乗員の保護を目的とした、補助拘束装置です。
エアバッグが格納されている場所を見てみると、SRS AIRBAGと刻印されていることに気づかれるでしょう。

SRSとは「Supplemental(補助)Restraint(拘束)System(装置)」を指します。

これらはあくまでシートベルトで身体を拘束した状態で、効果を発揮する補助機構であるということです。

自動車乗車中の死者数の状況について、このようなデータがあります。
乗車中に死亡した人のうち、43.3%がシートベルトを着用していませんでした。(860人中372人)
自動車乗車中のシートベルト非着用者の致死率は、着用者の約17倍にもなります。
(参照元:令和3年における交通事故 の発生状況等について – 警察庁 )

前面衝突に対するエアバッグの役割自体も、シートベルトで適正な位置に身体が拘束されていることが前提です。

また横や後ろからの衝突に対しては、エアバッグの効果は必ずしも期待できません。

そういうシチュエーションでは、シートベルトによる乗員保護が必要です。
自動車に乗るときは、まず後席も含めてシートベルトを締めてください。
エアバッグを端的に言うならば、衝撃時に乗員の頭部等を保護する機構であり、ガスで急速にバッグ(袋)を膨らませて乗員を衝撃から守るものです。

 

エアバックの仕組み

次にエアバッグがどのような仕組みで動いているか説明していきます。
構成部品として基本的には、バッグ・センサー・コントロールユニット・インフレーター・回転コネクター(運転席側)が挙げられます。

衝突の衝撃をセンサーが感知し信号をコントロールユニットに送り、インフレーターを点火し、発生したガスでバッグを膨らませます。

センサーが衝撃を検知して約0,03秒後にはバッグが膨らみ、乗員を受け止め、その後収縮します。
 

エアバックが格納されている場所

エアバッグの格納場所、搭載数量は車によって変わります。
また同じ車種でもグレードやオプション構成によっても変わることがありますので、注意しましょう。

さて格納されている場所について、オーソドックスな4部位をご紹介します。
また繰り返しになりますが、シートベルトで身体を拘束しエアバッグが当たる位置に着座していることが大前提の補助的な安全機構であるということをご理解ください。

運転席

基本的な格納場所で、ハンドル中央に格納されることが多いでしょう。
追突時の衝撃など、車両が急停止・急減速した場合にドライバーの頭部・胴体はハンドルに強く叩きつけられる可能性が高く、エアバッグ搭載の最優先箇所となっています。

助手席

概ねグローブボックスの上あたりに格納されています。
ベースグレードの段階で搭載する車種も多くなっており、カップルや夫婦、仕事で人を乗せる場合など搭載されていると安心です。

しかし注意も必要で、助手席にチャイルドシートを取り付けることは多くのメーカーがNGにしています。
まずエアバッグのサイズが大人を対象に作られています。
チャイルドシートを助手席にセッティングした状態で事故にあった場合、最悪子供はチャイルドシートと助手席の間に挟まれ、空間が潰れされてしまいます。

こういった理由からもチャイルドシートは後部座席に装着するべきといえるでしょう。

サイドエアバッグ

主に座席外側(ドア側)に格納されます。
正面衝突はもちろん、側面衝突、斜めに衝撃が加わるシチュエーション等からも身体を守ってくれます。

サイドカーテン

カーテンエアバッグの多くは、ドア上部のルーフ部に格納されます。
衝撃時、ドア・ドアガラスと座席の間で膨らみ、乗員の頭部や頸部を保護します。
側面からの衝撃、横転時も膨らみが維持されるので、保護機能が見込まれます。

エアバッグが開く条件とは?

ここまで読み進めていただくと、全席シートベルトを締めた上であれば、エアバッグが事故時に非常に有効な機構であることが分かります。

また事故時、衝撃を感知した際に展開するということはイメージして頂けるかと思います。

より詳しくエアバッグがなぜ開くのか、開く条件について考えていきましょう。
 

エアバッグが開く条件

基本的にエアバッグは車速30km/h程度以上の速度で前面からの衝撃をセンサーが感知し作動します。

それ以下の低速では開かないこともありますし、衝撃が分散したり、条件が悪い場合も検知されない可能性があります。
 

エアバッグが開きにくい条件

概ね30km/h以上の全面からの衝撃が条件になるのが基本です。
つまりそれ以下の低速では開かない可能性があります。
また斜めからの追突や衝撃が分散されている状況、徐々に圧力が加わるような事故ではセンサーが反応しないことも考えられます。
 

エアバッグが開かない条件

基本的にエアバッグの展開は前後からフレームへの衝撃で判断されます。
代表的な開かない条件・シチュエーションとして、トラック等への潜り込みがあります。

キャビンに直接打撃が加わっても前後フレームに衝撃が無い為、センサーが感知できないということです。

こういった状況では車両へのダメージはとても大きいはずですが、エアバッグは開いていないということがあり得るでしょう。

エアバックに関するよくある質問

この項では、エアバッグに関するよくある質問について答えていきましょう。
いずれの場合も、後部座席も含め全席シートベルトを使用することが前提です。
エアバッグが補助的な安全装置であることは念押しさせていただきます。
 

開いたら閉じることはできる?

結論からいえば、一度開く=使用したら、閉じることは出来ません。
再利用はできないので自動車を修理するのであれば、その際にエアバッグも新調する必要があります。
 

エアバックの衝撃は?痛い?

エアバッグの衝撃や痛みについては、皆さん気になるところではないでしょうか。
人それぞれともいえますが、基本的にめちゃくちゃ痛いといわれています。
私がディーラー営業マン時代の研修でよく聞いた話としては、サッカーボールのシュートを眼前で蹴りぶつけられる、大きなボクシンググローブで殴られるなど散々脅されました。

実際、鼻の骨が折れたり、肋骨を折ったりという事例は多いとされます。
しかしエアバッグが無ければハンドルやグローブボックスといった部位に高速で身体が衝突します。

エアバッグは怪我をしない為の機構ではなく、乗員に致命的なダメージを負わせない・死なせない為の機構であるという認識が正しいでしょう。
 

エアバックはいつからあるの?

エアバッグがいつ頃開発されたのか、詳しく歴史についてもご紹介しましょう。
最初の発明は1920年、アメリカで受理された特許に遡ります。
それ以降もバネを利用した機構や、空気圧縮技術を利用したシステムなど開発がされるものの、自動車に本格的に利用されることはありませんでした。

1960年代末にセンサーを利用したシステムが開発され、1970年代クライスラーやフォードに搭載されることになります。

また後に世界中に普及する、火薬で起動するエアバッグシステムは日本人の小堀保三郎氏によって発明されています。
 

後方席にもついている?

後方席エアバッグを採用している自動車は多くありません。
理由としてはエアバッグの格納位置が前席後ろになるであろう事実です。
エアバッグは正確に対象者の頭部、または対象とする部位を保護する必要があります。
その為にシートベルトを付け、身体の位置をキープすることが重要です。
後席もシートベルトを付けるのは勿論ですが、前席がリクライニングしている状態やセダン(特にハイヤーのような)で後部座席もリクライニングしている状態ではどうでしょう。
頭部など対象とする部位に的確にエアバッグを当てることは難しく、機能を果たせない可能性があります。

とはいえ、今後の開発によって有効な後方エアバッグが利用されるかもしれません。

まとめ

今回はエアバッグについて、知識の掘り下げができる記事とさせていただきました。

エアバッグの有効性について、知っていただけたなら幸いです。
一方、エアバッグはシートベルトありきの機構であることを是非覚えてください。

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