今回は交差点の1種であるラウンドアバウトについてお話しさせていただきます。
あまり聞きなれないワードかもしれませんが、徐々に設置数も増えています。
ラウンドアバウトがどういうものかご紹介しつつ、メリット・デメリット、使い方についてもご紹介します。
目の前にラウンドアバウトが現れた際に慌てないで済むようにしたいところです。
ラウンドアバウトとは?
まずはラウンドアバウトがどういったものかご紹介しましょう。
日本での設置数は少ないもののお目にかかれる場所についてもお話ししたいと思います。
ラウンドアバウトとは交差点の1種
ラウンドアバウトは交差点の1種で環状交差点ともいわれます。
中心の島の周囲を一方向に周回します。信号機と一時停止線の設置は必要としないものの、一時停止線は一部に使用されています。経過を見つつ、廃止の方向となっています。つまり随時進入、離脱を行い信号での停止や発進の指示が必要ないということです。
日本でラウンドアバウトが運用されたのは近年
ラウンドアバウトの運用は2013年6月14日法律第43号改正道路交通法により「環状の交差点における右回り通行」(標識327の10)として現代的ラウンドアバウトが定義されたことによります。
本格的に運用されたのは2014年9月1日となります。
日本でラウンドアバウトのある場所
2014年度中には7都府県15か所に留まりましたが、2021年3月末には126箇所に拡大しています。
北は北海道から南は沖縄まで幅広く運用されており、今後も増えていくでしょう。
ラウンドアバウトのメリット・デメリット
ラウンドアバウトを使うことのメリット・デメリットについても考えていきましょう。
メリット
事故の削減
ラウンドアバウトの進行方向は一方向です。
進入する車は全て同じ向きで進みますので、右折車や対向車との衝突事故を減らすことが可能です。
信号がないことにより、注意力も増しさらなる事故の低減が期待できます。
ある交差点をラウンドアバウトにした際、1年での事故数が1800件から300件まで減少した例もあります。
信号機不要
周囲の車両の動きに合わせて進入・走行・離脱を行いますので、信号設置の必要がありません。
信号待ちによる渋滞が減りますし、停電時・災害時の混乱も最小限にすることができるでしょう。
デメリット
渋滞の原因
ラウンドアバウトは信号が必要ないものの、進入に時間がかかったり、不慣れな地では離脱に手間取ったりするかもしれません。
渋滞の原因となってしまうことが考えられるでしょう。
設置面積の大きさ
構造上、中心部は道路として機能せず、車両の流入に余裕をもたせて設計するため、大きなインフラ設備といえるでしょう。
日本での新規設置の難しさはいうまでもありません。
また歩行者が環状間際では横断出来ないため、車両以外の利便性についても考慮する必要があります。
利用者の認知不足
そもそもラウンドアバウトの利用方法を知らない人が知らない地域で進入した場合、進入も離脱もままならない可能性があります。
目的地に行く為の離脱方向を冷静に判断できるのか、より多くの人に利用方法の認知が必要になっていくでしょう。
ラウンドアバウトとロータリーは何が違う?
ラウンドアバウトとロータリーは外見や作りがとても似ています。
双方の違いはどこにあるのでしょうか。
そもそもロータリーとは?
円形交差点、つまり交差点の一種です。
ロータリーの外見はラウンドアバウトと大差はありませんが、一時停止位置や信号機の設置があり、交通整理が行われます。
標識の違い
標識にも違いがあります。
ロータリーは黄色地に黒の円形矢印マーク、ラウンドアバウトは青地に白抜き円形矢印マークです。
優先して通行できる車の違い
ロータリーは左側の道路から侵入する車が優先です。
ラウンドアバウトは周回している車両が優先となります。
ただし場所によっては、信号・一時停止などの規制やバス停の設置もありますので注意しましょう。
ラウンドアバウトとロータリーのルールや注意点
ここまでの説明で触れた部分もありますが、改めてラウンドアバウトとロータリーのルールや注意点をおさらいしていきます。
ラウンドアバウトのルール
すでに円内で周回している車両が優先です。
進入する車は道を譲る必要があります。
ラウンドアバウト内は駐停車禁止となります。
ラウンドアバウトの注意点
信号などによる規制がないため、ルールを把握していない車両がいると流れを止めてしまう恐れがあります。
また交通容量が多く無い為、車両が多いと渋滞の発生原因になることも考えられます。
ロータリーのルール
左側道路より進入する車が優先されます。
ただし信号機や標識により、周回車両が優先されることもあります。
ロータリーの注意点
駅前ロータリーなどでは人も車も増えるため、信号機や規制に注意する必要があります。バスなどの停車場所への誤進入にも気を付けるようにしましょう。
まとめ
今回はラウンドアバウトについてご紹介しました。
ロータリーは駅前などで利用することがあるかもしれません。
ロータリーはラウンドアバウトとは似て非なるものです。
旅先で急にラウンドアバウトに入ってしまった際、慌てないですむように覚えておいていただければ幸いです。
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