皆さんは車のボディタイプと聞くと何種類ぐらいが思い浮かびますか?
乗り心地の良いセダン、ファミリーで乗れるミニバン、アウトドアに強いSUVなど、車には様々なタイプがありそれぞれに特徴があります。
今回はそんな車の基本的な知識について実際の車種を紹介しながら解説していきます。
これから車を購入しようと考えている方はもちろん、それぞれの特徴を知っておきたい、車に関する知識を深めたいという方もぜひ最後までご覧ください。
車のボディタイプについて
車のボディタイプとは意外とややこしいもので、車の見た目だけではなく機能や性能により呼び方が違う場合があるのでその辺りも詳しく解説します。
昔の車はボディ形状の自由度が低かった事もあり、現在のようにボディタイプが細かく分けられていませんでした。簡単にはなりますがそんな車の歴史にも少し触れておきましょう。
まずは車のボディタイプとは何か、ボディタイプの歴史、そして近年特に人気のあるボディタイプについて見ていきます。
そもそも車のボディタイプとは?
そもそも車のボディタイプとはどのように分けられるのでしょうか?
一般的にボディタイプは車の外観の違いにより分けられるもので、その他には車の使用用途の違いで区別されることが多くなっています。
また、人を乗せるための車か荷物を載せるための車かの違いで同じ車でも違うタイプとされる場合もあります。
具体的な例としてトヨタのハイエースを挙げると、ハイエースにはバンタイプとワゴンタイプがあり、バンタイプは主に荷物を載せるためにシートが少ないですが荷室部分が広く作られ、ワゴンタイプは人間を運ぶために荷室部分がシートになっています。
このようにボディタイプとは車の外観だけで一概に言えるものではなく、使い道によって呼び方が異なるものもあります。
時代とともに変化するボディタイプ
昔はボディの加工技術が低かった事もあり鉄板を多用したカクカクした四角いデザインの車が多く販売されていて、そういったクラシックな車種は現在でも根強い人気があります。
そして鉄板などの加工技術が発展してきた現在では衝突安全性の観点からも、丸くて継ぎ目の少ないカーブを多用したデザインの車が多くなっています。
カーブの多いデザインは空気抵抗が低く燃費性能にも良い影響があり、またバンパー等は鉄板ではなくプラスチック素材にすることで軽量化と同時に低燃費化にも貢献しています。
各社がしのぎを削るSUV市場
近年特に人気のあるボディタイプとして「SUV」が挙げられます。
SUVとは 「Sport Utility Vehicle」の略で、主な特徴として車高が高く悪路走破性に優れている車を指します。
その車高の高さから、運転時の目線が高く運転がしやすい、周囲を確認しやすい、疲れにくいという理由で街乗りなどの日常生活の足としても非常に高い人気があります。
昔はSUVといえば砂利道や砂浜を走ったり林道に入っていくなどのイメージがありましたが、そういった本格的なダート走行を行う車は「クロカン」と呼ばれ、区別されることが多くなったようです。
車のボディタイプの特徴
さてそれではそれぞれのボディタイプについて細かな違いを見ていきましょう。
先ほども解説した通り、車のボディタイプには同じ車でも違う呼び方が存在するものや、2つの呼び方を組み合わせたものがあります。
実際の車種を例に挙げながらその辺りも詳しく触れていきます。
ボディタイプ1:軽自動車
代表車種:スズキ ワゴンR
小さなボディと燃費性能の良さが長所の軽自動車ですが、一言に軽自動車と言ってもタイプは様々です。
最近では軽自動車にプラスして特徴を持たせることで、他の軽自動車との差別化を図る場合があります。
「軽バン」や「軽ワゴン」など商用車によく使われる言葉は耳にしたことがあるかと思いますが、この他にも「軽スポーツカー」や「軽SUV」など、多様なニーズに応えるために各社から工夫を凝らしたボディタイプの車種が販売されています。
ボディタイプ2:コンパクトカー(ハッチバック)
代表車種:日産 ノート
コンパクトカーとは軽自動車よりも少しサイズの大きな車のことを指します。
実ははっきりとしたサイズの基準は無く、軽自動車以上の中型車のことを指す場合が多くなっています。
軽自動車よりも車体価格や維持費は高くなりますが、乗車人数が多くエンジンのパワーも強いので、家族や友人などと複数人で乗る機会が多いのであればコンパクトカーがオススメです。
ちなみにハッチバックと呼ばれる車がありますが、ハッチバックとは後部ドアが備わっていて荷室と乗車スペースが繋がっている車を指す場合が多いです。
コンパクトカーだけではなくワゴンやSUVなど、後部ドアがある車のことを広くハッチバックと呼ぶこともあり、特定のボディタイプを定義する言葉ではないとされています。
ボディタイプ3:セダン
代表車種:トヨタ クラウン
先ほど解説したハッチバックとは異なり、荷室と乗車スペースが繋がっていない車のことを指し、走行性能や乗り心地を良くするために車高が低く作られています。
昔からあるボディタイプなので車といえば、特に高級車といえばセダンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
SUVやミニバンが人気の昨今でも一部では根強い人気があり、自動車メーカー各社からフラッグシップモデルと呼ばれる高級車や、お手軽な価格の大衆車まで様々な価格帯の車種が販売されています。
ボディタイプ4:クーペ
代表車種:スバル BRZ
クーペもセダンと同じく荷室と乗車スペースが繋がっていない車のことを指しますが、この2つの違いは「ドアの数」と「乗車人数」です。
セダンが4ドアなのに対し、クーペは2ドア。
そして4人もしくは5人での乗車を想定しているセダンに対し、クーペは主に2人での乗車を想定されています。
4人乗りや5人乗りのクーペもありますが、後部座席が非常に狭く設計されている場合が多いので3人以上での長時間の乗車は難しいでしょう。
後部座席を簡素なものにするなどして車体を小さくすることで軽量化や運動性能の向上を図っています。
ボディタイプ5:オープンカー
代表車種:マツダ ロードスター
皆さんご存知だと思いますが一応オープンカーについても解説しておきましょう。
オープンカーとはセダンやクーペの屋根が開く、もしくは屋根が無い車のことを指します。
昔は幌(ほろ)という布製の屋根を手動で開閉していましたが、最近のオープンカーは電動で開閉できるものがほとんどです。
屋根部分はボディと同じ金属で作られたハードトップが主流ですが、現在でも幌タイプ(ソフトトップ)の屋根が装備されたモデルが新車で販売されています。
オープンカーについては国産車は販売車種が少なく、メルセデス・ベンツやBMWなどの高級外車では多くラインナップされています。
ボディタイプ6:ステーションワゴン
代表車種:スバル レヴォーグ
ステーションワゴンとは、セダンとミニバンの中間に位置づけられるボディタイプです。
セダンのような乗り心地と走行性能を持ち、それと同時にミニバンのような乗車人数と積載能力を併せ持っています。
車高が低いので高速道路などでも安定した走りが可能で、ミニバンよりも重量が軽い分燃費性能も高くなっています。
ボディタイプ7:キャブオーバーバン(ワンボックス)
代表車種:トヨタ ハイエース
あまり聞き慣れないワードかもしれませんが、キャブオーバーバンとはエンジンの上部に運転席・助手席がある車のことを指します。
「キャブオーバー」といえば主にトラックのことでその中には軽トラも含まれますが、「キャブオーバーバン」は運転席と荷室が繋がった車のことを指します。
軽バンや軽ワゴンもキャブオーバーバンの一部と言っても良いでしょう。
キャブオーバーバンの特徴としてとにかく荷物がたくさん載るので、商用車として使われることが多かったりアウトドアが趣味の方に高い人気があります。
ボディタイプ8:ミニバン
代表車種:ホンダ ステップワゴン
日本では大型のファミリーカーのことをミニバンと呼びますが、なぜミニなのでしょうか。
その答えは、昔は日本にはミニバンという呼び方がなく、アメリカでよく利用されているフルサイズバンと形が似ていてサイズが少し小さいからという理由です。
家族が多い方に人気が高いミニバンですが、乗車人数が7〜8人の車種が多く車高も高いので乗り降りが楽で荷物がたくさん載るというメリットがあります。
ステーションワゴンよりもファミリー向けで、キャブオーバーバンと比べると荷物よりも人を乗せることに焦点を置いた造りになっています
ボディタイプ9:SUV/クロカン
代表車種:トヨタ ランドクルーザー
記事の最初の方でも少し紹介しました近年で最も人気の高いボディタイプであるSUV。
地面から床面までが高く、他のボディタイプよりも悪路走破性などに優れています。
ミニバンよりも乗車人数は少ない傾向にありますが、排気量が大きかったり4WDが搭載されていたりと、雪道や未舗装路を走るとその性能を実感できるでしょう。
最近では軽自動車やコンパクトカーサイズのSUVも販売されていて、その運転のしやすさから女性からも高い人気を獲得しています。
SUVと同じような意味でクロカンという呼び方がありますが、この2つの違いとしては主に街中で走行する車をSUV、林道や砂浜など普通の車が入っていけないような場所を走行するための車をクロカンと呼ぶ場合が多いようです。
ボディタイプの特徴を踏まえた選び方は?
それぞれのボディタイプの違いと特徴を簡単に解説しましたが、では自分にぴったりの車を選ぶにはどこに注目すれば良いのでしょうか?
もちろんデザインが第一という方もいれば、エンジンや足回りなどの車の性能に関する項目に注目する方も多いでしょう。
そんな車選びに関するたくさんの悩みの中から、今回は車の使用用途や乗車人数などに注目しどのような選び方をすれば良いのかをピックアップして紹介したいと思います。
車の主用途は何か
まず車を選ぶときに注目したい点として「どのように車を使いたいか」が重要になってきます。
通勤や子供の送り迎え、休みの日にドライブやレジャー、はたまたサーキット走行がしたい等、車にはあらゆる使い道が想定されます。
毎日乗るわけではないから維持費の安い軽自動車が良い、高速道路を走ることが多いから安定性の良い車が良い、といったように自分が普段どのように車を使っているか、どのように使いたいかを考えることが重要です。
どういう人が乗るか
車の用途が決まれば自然とどのような車が良いかイメージができてくると思います。
そこで次に注目したいのが乗車人数や乗る人の年齢です。
小さな子供を乗せることが多いのであれば乗り降りをさせるときに窮屈にならないよう室内が広い車がオススメですし、お年寄りを乗せることが多いのであれば足腰の負担にならないよう車高の低い車がオススメです。
荷物はどれくらい積むか
車選びには積み込める荷物の量も重要です。
スポーツやアウトドアを楽しみたいのであれば道具が載せられなければいけませんし、人をたくさん乗せるのであれば人数分の荷物を載せられなければいけません。
日常の買い物程度しか荷物を積まないのであれば軽自動車でも十分でしょう。
大きな車が必要な時だけレンタカーを借りるという手段もあるので、自分が最もよく使う場面を想定して車選びを進めましょう。
試乗してボディタイプの特徴を肌で感じよう
今回はそれぞれのボディタイプの特徴や基礎的な知識、車選びのポイントについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
車選びは人生の中でも家に次いで大きな買い物になります。
後悔しないためにも今回の記事で解説したポイントを踏まえつつ、気になる車があれば試乗してみて乗り心地や運転のしやすさ、使い勝手の良さを確認することをオススメします。
適切な車選びで快適なカーライフを実現しましょう。
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