ワイルドスピード等の影響もあり、1980年代から90年代にかけて生産されたスポーツカーが海外で注目を集めています。
この人気は日本でも例外ではなく、リアルタイムでスポーツカーに憧れた人、実際に乗っていた人、今でもスポーツカーが好きという人も少なくないでしょう。
そんなスポーツカーについて、魅力や選び方、人気の車種について迫っていきたいと思います。
青春時代をスポーツカーと共に過ごしたことが有る人には、強烈な思い出になっている方も多いはずです。
スポーツカー以外の購入は考えられないという人もいる一方、まったく食指に触れない、選択肢に入らないという考えの方も少なくないでしょう
「スポーツカー」は、人それぞれ車種選びの際、好みが分かれる車種といえるでしょう。
愛好家も多い車種でもあり、なぜ人を引き付けるのか、興味が無い人にもご一読頂ければと存じます。
スポーツカーの定義とは?
さて、なんとなく速そうでちょっと車高の低そうな2ドアの車をスポーツカーと考える方が多いのではないでしょうか。
かくゆう筆者も、自動車業界でコラムを執筆する端くれの割に、捉え方は概ねそんな感じです。
スポーツカーに「定義」があるもなのか、少々考えてみましょう。
スポーツカーの定義
スポーツカーとは「主体的に操縦することに楽しさや気持ちよさを見出せる車種」と考えます。
実はスポーツカーに明確な定義はなく、自動車ジャーナリストや自動車雑誌などによっても差があります。
そんなスポーツカーを定義付ける上で、そもそも「スポーツ」とはなんぞや、という点も調べてみましょう。
「sport」を日本語に訳すと、運動・戯れ・スポーツなどの意味のようです。
各種スポーツ、野球・サッカー・マラソンなど個々の競技を指す以外には、運動全般や戯れという捉え方ができます。
スポーツカーに個々の競技、球技は関係無いなので、意味合いとしては、運動や戯れというようなニュアンスが合っているように思います。
つまり乗ること自体に楽しさがあるような、操縦つまり運転自体に重きを置いた自動車カテゴリーと捉えられないでしょうか。
必ずしもモノを大量に運べなくてもよい、走りの楽しさや操縦をすることに意味があればこそ、スポーツカーの定義に沿った車なのです。
スポーツカーの特徴
必ずしも大勢の人やモノを運ぶこと、快適さは重視されません。
運転すること自体がまるでスポーツを楽しむかのように、走りと操縦性に重点が置かれます。
またそれに特化したり、そう感じられる特性を与えられているのがスポーツカーです。
ボディ形状に確固たる定義や決まりはないものの、2ドア(2シーター、4シーター)クーペ構造のほうが軽量かつ剛性の高い車体を手に入れられ、スポーツカーには向いているでしょう。
またコーナリング性能、加速性能、総合的な運動性能を獲得する上では、必要以上に長大であり相対的に重い車両は向いていません。
車種やコンセプトによるものの、一般的には2ドアクーペ又はクーペに近い流線形スタイル、回転の良いフィールでパワーに余裕のあるエンジン、車高は低め、これがスポーツカーの特徴といえるのではないでしょうか。
普通車とスポーツカーの違い
普通車は一般的に、人とモノの双方がバランスよく乗れ、乗り心地も一定水準求められます。
あるいはさらに積載性がよく利便性の高い車両が一般的であり、そのほうが商品性も高くなります。
スポーツカーの場合、車の操縦性や一体感を得る上での乗り心地は重要になりますが、普通車と同義の快適性は必ずしも求められません。
勿論、グランドツーリング志向の高級クーペなどでは、そういったフィーリングも重要になる可能性もあります。
しかし、それはあくまで付加価値であり、スポーツカーとしての本質に必要かは別問題といえるでしょう。
またモノを積む、積載性については軽視される傾向にあります。
あくまで走りを楽しむ、そしてドライバーと車が主役ですので、積載スペースは少ないか無いデザイン場合が多くなります。
SUVとスポーツカーの違い
SUVもまた悪路や過酷な道を往く、一種のスポーツカーと定義できるかもしれません。
(最近ではアーバンSUVなど、種類は多岐にわたりますが、ここでは強靭な足回りとトルクを与えられた、所謂クロカンを想定します。)
しかしスポーツカーは一般的に舗装路、オンロードで走りを楽しむ車種を指します。
SUVは、未舗装のオフロードで力を発揮し、必要な物資の運搬も担えます。
車高の低い車では入っていけない場所に分け入り、ある程度の積載が可能で、奥地でキャンプも行えるでしょう。
SUVもまた至極楽しく、奥深いジャンルです。
レースカーとスポーツカーの違い
レースカーはレース場での走行を想定し、必ずしも公道での走行を必要としません。
レースカーはトレーラーやトラックに積載され、レース場のみで活躍します。(市販で限りなくレースカーに近い又は改造車で、ナンバー取得可能車種もあるでしょう。)
またスポーツカーをレース場で走らせることも可能ですし、愛好者も沢山いらっしゃいます。
しかしスポーツカーはあくまで乗用車であり、公道やレース場、場所を問わず楽しめるように開発され、必要以上にピーキーなセッティングにはなっていません。
レースカーがドライバーを選ぶ一方、あくまで日常の延長に楽しみをもたらすのがスポーツカーといえるでしょう。
スポーツカーの6つの選び方
スポーツカーを選ぶうえで、6つの選び方をご紹介します。
ちょっとしたチェックポイントとして覚えておくと、より深くスポーツカーを楽しめるでしょう。
スポーツカーの魅力はやはり、その走り。
走りを特徴づける要素として、駆動方式は外せません。
全部で、FF・FR・MR・RR・4WDが挙げられます。
それぞれエンジン、駆動輪がどこにあるかを端的に表します。
FF=フロントエンジン・フロントドライブ、FR=フロントエンジン・リアドライブといった具合です。
それぞれに走行性能や操縦フィーリングに違いがでてきます。
自分好みの駆動方式があるのであれば、外せない要素のはずです。
エンジンパワーや排気量などのスペックです。
大馬力が好みであったり、回転数の高いエンジンが好みであったりと、こちらも人によって好みの変わる要素です。
また傾向としてですが、設計上、排気量や馬力が大きい車種ほど高価になりがちです。
そもそも設計から価格設定が高くなるので、当然といえるかもしれません。
また良好な状態を保つにもメンテ費用が高くなりがちなので、中古市場で良コンディション車は高額で取引されるでしょう。
人それぞれ、好みが分かれる部分です。
自分が好きなデザインの車種がどういったものかを知っていれば、車選びもスムーズに進むはずです。
スポーツカーの中でカスタマイズ性を重視する方もいらっしゃるでしょう。
一方、なるべくコストを掛けずに楽しみたい方にとっては、優先度は低くなります。
カスタマイズを楽しみたい方は、その拡張性とアフターマーケットがどの程度活発か調べる必要があります。
例えば、通勤・ドライブと乗る頻度が高いのであれば、ある程度の快適性、つまり日常使いができる車種が良いでしょう。
週末にワインディング重視で楽しむのであれば、バケットシートを装着するなど操縦性に特化したセッティングも有効になるでしょう。
どういった使い方をするのかによって、車との付き合い方・選び方は大きく変わってくるはずです。
あまりに運転がしにくく、自分のスタイルに合っていないと、所有する楽しみもなくなります。
またシートが低すぎて前がみえなかったり、車高が低すぎてコンビニすら入れないとなると、もはや面倒すら感じるかもしれません。
運転のしやすさや日常での不便がない程度にしないと、スポーツカーとしての楽しさも得ずらくなってしまいます。
人気の高いスポーツカー3選
市場には魅力的なスポーツカーが溢れていますが、特に人気の高い3車種をご紹介させていただきます。
マツダ ロードスター
人馬一体。
人と車、双方の感覚をつなぎ合わせるかのような一体感こそ、ロードスターの魅力です。
そのきりっとしたフィーリングだけでなく、象徴的なオープンカーとしての存在も秀逸です。
決してドライバーを突き放さない、日常ではフレンドリーでいてくれるが、ワインディングでは非日常に連れていく、日本を代表するスポーツカーです。
トヨタ 86
トヨタ自動車がSUBARUと共同開発したスポーツカーで、スバルBRZとは姉妹車にあたります。
若者の車離れに対する危機感から、市場においては比較的安価なスポーツカーとして発売されました。
そのまま走って楽しいのは勿論、アフターマーケットも活発で、豊富なカスタマイズが可能です。
2リッターFR駆動方式、安く軽めで改造しやすい、嗜好性もあり、程ほどのサイズ感で運転しやすい。
スポーツカーを選ぶうえで、外せない1台といえるでしょう。
スズキ スイフトスポーツ
コンパクトカーベースのスポーツカーです。
現行型は1.4リッターFF駆動方式、車重は1t以下、走る楽しさを凝縮した本格的スポーツコンパクトです。
新車価格も200万円台前半からと、昨今の車両価格の流れとしては良心的といえるでしょう。
便利なコンパクトカーがベースなので、日常生活でも使い勝手がよいのが魅力です。
そしてワインディングに行けば、能力をいかんなく発揮してくれるでしょう。
まとめ
スポーツカーというと、自分には縁のない異世界の車というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし必ずしも操縦が難しかったり、日常使いがに向いていない車種ばかりではありません。
日常を彩るちょっとカッコいい相棒、そんな付き合いができる車もスポーツカーの魅力です。
車選びの際は、あえて普段見ることの無い車種を検索してみると、新しいカーライフにつながるかもしれません。
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