トラックなどがダブルタイヤにする理由とは?ワイドシングルタイヤについても解説

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皆さんは、トラックが並列に後輪タイヤを装備しているのを、見たことがあるでしょうか?

所謂ダブルタイヤ(ツインタイヤ・デュアルタイヤ)はトラックでは決して珍しいものではないものの、普通車で採用されることはまずありません。

今回は、こういったダブルタイヤを採用する意図や狙いはどこにあるのかご紹介していきます。
また採用するメリットデメリットについても、この記事で知っていただければと思います。

目次

トラックなどがダブルタイヤにする3つの理由

早速、トラックがダブルタイヤを採用する3つの理由について、考えていきましょう。
 

理由1.耐荷重性能を確保するため

そもそもタイヤには、限界となる耐荷重性能(ロードインデックス)があります。

つまり使用するタイヤの総荷重量が、車両総重量の車軸あたりに定められる重量を下回る運行を禁じています。

であれば1軸に2輪ではなく、4輪のダブル構成にしてしまえば、タイヤ1輪あたりの荷重は半分にできます。

このように許容積載量を車軸を増やさずに、大きくすることが可能になります。

荷物を積載するトラックにとっては、非常に大きな理由といえるでしょう。
 

理由2.荷台の高さを低くするため

ダブルタイヤを採用するモデルでは、前輪タイヤに対して後輪タイヤ1本の外径は小さなサイズを採用します。

すると荷台は低床化でき、荷物の積み下ろし作業を各段に楽にできるのです。

小さいタイヤとはいえ、ダブル化され1軸に4本のタイヤを持つ為、耐荷重性能に不安はありません。
 

理由3.接地圧を減らすため

トラックは重い荷物を積み移動し、そもそも車重も重い為、不整地走行が苦手であったり、走行安定性が悪かったりします。

そういった弱点の克服、つまり1本あたりの接地圧低減をし、走破性の向上を見込んでいる点も見逃せません。

ダブルタイヤのメリット・デメリット

さてダブルタイヤを採用する理由、意図についてご理解いただいたかと思います。
その上で、ダブルタイヤのメリット・デメリットについても確認していきましょう。
 

ダブルタイヤのメリット

まずメリットからです、前の項、ダブルタイヤを採用する理由と若干重複する内容がありますが、ご了承ください。

重量の分散

トラックは、荷物を積む前提で設計されています。
通常後輪に2つタイヤが装着されていますが、これを4つにすることで荷重を分散させます。

こうすることによって1つのタイヤにかかる重量を軽減させ、重さに耐えられる設計としています。

安全性・走行性能・走破性の確保

普通車よりもハードな状況で使用されるトラックですので、パンクのリスクも大きくなります。

ダブルタイヤで1本タイヤがパンクをしても、安全な場所までの走行は可能です。

勿論、可能な限り早く停車し、スペアに交換してほしいところですが、場合によっては修理工場まで走行も可能でしょう。

また接地面が多いことで、ぬかるみや不整地帯でタイヤがとられるリスクも低減します。

ダブルタイヤは作業地の状況によって、まったく走行状況が変わるトラックにとっては合理的な選択といえるでしょう。

比較的安価

車両サイズや採用するタイヤサイズによるものの、概ねダブルタイヤで使用するタイヤは細目・外径は小さめです。

その為、1本あたりの単価はシングルタイヤに比べ安価です。

長期的に考えれば、コスト減に貢献してくれる可能性があります。

荷物の積み下ろしのし易さ

ダブルタイヤとし、1つのタイヤの外径を小さくしても、積載可能重量を担保できます。

小外径タイヤを使えば、荷台の低床化設計が可能ですし、荷台にホイールスペースがはみ出す必要もなくなります。

 

ダブルタイヤのデメリット

次にデメリットについて考えていきましょう。

車両重量の増加

タイヤの総本数が増え車両重量が増加しますので、燃費に対し悪影響が考えられます。
また総重量が増えるということは、積載量は減ってしまいます。

乗り心地の悪化

シングルタイヤに比べ、接地面が増え、走行時の振動が伝わりやすくなります。
長距離の移動などでは、疲労が増える可能性も否定できません。

交換費用の増加

タイヤの総数が増えるということで、工賃の発生機会は増えますし、1度に全数交換でも工賃は高くなってしまうでしょう。

ダブルタイヤに変わるワイドシングルタイヤとは?

あまり聞きなじみがないかもしれませんが、今後ダブルタイヤに変わってワイドシングルタイヤが主流になる可能性があります。
ここではワイドシングルタイヤについてご紹介していきます。
 

ワイドシングルタイヤとは?

ダブルタイヤ装着車で、ダブルの替わりに幅広のシングルを装着することができます。

この幅広いタイヤをワイドシングルタイヤといいます。
 

ワイドシングルタイヤのメリット

ダブルタイヤを装着し続けることに比べ、ワイドシングルタイヤで考えられるメリットを挙げていきましょう。

軽量化

ダブルに比べると大きく軽量化が可能です。
大型トラックで採用されることが多い、後輪2軸では、最大200kg~軽量化も可能です。
当然、車両重量で浮いた分を積載量に転化できますので、業務効率にも関わってくるでしょう。

燃費の向上

軽量化による燃費向上も見込めますが、転がり抵抗がダブルタイヤに比べ低減され、燃費の向上に貢献します。

安全性の向上

左右タイヤの距離を拡大でき、車両の走行安定性の向上が期待できます。
また低重心化も可能で、運転のし易さ、安定性、ひいては安全性の向上につながるでしょう。
 

ワイドシングルタイヤのデメリット

次にデメリットについて考察していきましょう。

パンク時

ダブルとの大きな差といえるのですが、1本パンク、最悪バーストした場合、即走行不能となります。

ダブルであれば、1本パンクしても走行可能なシーンも多いのですが、シングルではそうはいきません。

単価の高さ

タイヤ1本当たりの値段が、ダブルタイヤに比べると高くなります。

まとめ

仕事でトラックを利用する方にとっては身近な話題だったのではないでしょうか。
しかしトラックに触れる機会がないと、ダブルタイヤにしている理由を考えることはないかもしれません。

普通自動車と違い、荷物を積むという前提があるトラックは、よりタフでハードな環境に晒されます。

こういったプロ仕様の車には、様々な工夫がされており、細かい仕様・要望に応える必要があるのです。

街を走っている働く車に、今一度注目してみてはいかがでしょうか。

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