車のエンジンの種類を徹底解説!それぞれの仕組みと特徴とは?

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みなさまは、車のエンジンについてどのくらいご存じでしょうか。

ポピュラーなものからあまり馴染みのないものまで、エンジンには多くの種類があります。
この記事では、様々な種類のエンジンの特徴を解説します。

目次

車のエンジンは大きく分けて2種類


車のエンジンは、燃料を基準にするとガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2種類に大別できます。

ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンどちらも、車に搭載されているものは、ピストンの往復運動を用いた「レシプロエンジン」がほとんどです。
それぞれの仕組みと特徴を解説します。

ガソリンエンジンの仕組みと特徴

ガソリンエンジンは、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という工程を1サイクルとして、何度も繰り返しています。

それぞれの工程の詳細は以下の通りです。

吸気工程
  • 1. ピストンが下降し、吸気バルブが開く
  • 2. 吸気前の手前で、インジェクターからガソリンが噴射される
  • 3. ガソリンと空気の混合気がシリンダーに送り込まれる
圧縮工程
  • 1. ピストンが上昇し、吸気バルブが閉じる
  • 2. ピストンが上昇することで、シリンダーの容積が減る
  • 3. シリンダー内の混合気が圧縮される
燃焼工程
  • 1. スパークプラグで火花を出して、圧縮した混合気に点火する
  • 2. 混合気が爆発するように燃焼して、ピストンが下に押し出される
排気工程
  • 1. ピストンが上昇し、排気バルブが開く
  • 2. 燃焼したガスが排出される

このピストンの往復運動を回転運動に変換して、車を動かしています。

スパークプラグで点火するので、燃焼のタイミングを細かく制御できるのがガソリンエンジンの特徴です。

ディーゼルエンジンの仕組みと特徴

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは異なり軽油を燃料としています。
燃料は違いますが、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という工程を1サイクルとして動力を産み出すことは、ガソリンエンジンと同様です。

それぞれの工程の詳細は以下の通りです。
ガソリンエンジンとは異なる点がいくつかあります。

吸気工程
  • 1. ピストンが下降し、吸気バルブが開く
  • 2. 空気のみがシリンダーに送り込まれる
圧縮工程
  • 1. ピストンが上昇し、吸気バルブが閉じる
  • 2. ピストンが上昇することで、シリンダーの容積が減る
  • 3. シリンダー内の空気が圧縮される
  • 4. 圧縮された空気が、500~800℃の高温になる
燃焼工程
  • 1. 圧縮されて高温になった空気に、インジェクターから燃料が噴射される
  • 2. 燃料が自然着火し、爆発するように燃焼して、ピストンが下に押し出される
燃焼工程
  • 1. ピストンが上昇し、排気バルブが開く
  • 2. 燃焼したガスが排出される

ガソリンエンジンで混合気を圧縮しすぎると、自然に着火してしまいますが、ディーゼルエンジンでは空気のみを圧縮するので、自然に着火することはありません。

空気を強く圧縮できる分だけ、燃焼したときの膨張も大きくなるので、ディーゼルエンジンのほうが燃焼エネルギーをエンジン出力に変換する効率は優れています。

ただし、ディーゼルエンジンでは、自然発火に頼っているので、スパークプラグを用いるガソリンエンジンほど細かく燃焼のタイミングをコントロールするのは困難です。

ハイブリッドはエンジン?

ハイブリッドは「混成物」という意味を持ちます。
ハイブリッドエンジンが指すものは主に、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたものです。

登坂や発進の際に電動モーターが補助として働く「パラレル方式」と、エンジンで発電して電動モーターで走行する「シリーズ方式」に分けられます。
パラレル方式とシリーズ方式を切り替える「スプリット方式」も存在します。

ハイブリッドエンジンを搭載した車は、燃費が優れているのが特徴です。
また、電動モーターとの併用によってガソリンエンジンへの負荷を分散できるので、エンジンが長持ちします。
ただし、構造が複雑なので、製造・修理コストが高額であることがデメリットです。

ガソリンエンジンの形状種類は大きく分けて5種類


主なガソリンのレシプロエンジンに、直列エンジン、V型エンジン、W型エンジン、水平対向エンジンが挙げられます。
また、レシプロエンジン以外にも、ピストンを使わずにローターを用いるロータリーエンジンがあります。

それぞれのエンジンの特徴を解説します。

直列エンジン

直列エンジンは、シリンダーが一直線に並んだエンジンです。
シンプルで安価に製造できるので、多くの乗用車に採用されています。

V型エンジン

V型エンジンには、1本のクランクシャフトを中心に、シリンダーがV字のように配置されています。

コンパクトに多気筒化できるので、SUVやミニバンといった大型の乗用車の多くに搭載されています。

W型エンジン

W型エンジンは、1本のクランクシャフトに対してW字のようにシリンダーが配置されたエンジンです。

V型エンジンよりもコンパクトに多気筒化できますが、構造が複雑で高価なので、一部の高級車のみに採用されています。

水平対向エンジン

水平対向エンジンは、1本のクランクシャフトに対し、シリンダーが180度向き合うように配置されています。

振動が少ないことがメリットですが、幅が広くスペースを取ることがデメリットです。
一部のスポーツカーで使われています。

ロータリーエンジン

ロータリーエンジンは、ピストンの往復運動で吸気・圧縮・燃焼・排気をするレシプロエンジンとは異なり、おむすびのような三角形のローターの回転運動で吸気・圧縮・燃焼・排気をします。

シリンダーではなく、ローターと、ローターを格納したハウジングの間にできる空間で混合気を燃焼することで、連続した回転運動を産み出します。

レシプロエンジンよりも軽量かつコンパクトであることが特徴です。
レシプロエンジンのようにピストンの往復運動を回転運動に変換する必要がないので、振動や騒音が少ないこともメリットに挙げられます。

昔のシボレーのコルベットや、マツダのRX-8などに採用されていましたが、燃費が悪いことから、近年はあまり採用されていません。

ただ、近年、二酸化炭素を排出しない水素燃料を用いたロータリーエンジンの開発が進められています。
水素は自然着火しやすく、レシプロエンジンでは制御が困難ですが、ロータリーエンジンでは制御可能であることが理由です。
カーボンニュートラルの実現に向けて、ロータリーエンジンのさらなる進化が期待されます。

ディーゼルエンジンの形状種類は大きく分けて2種類


ディーゼルエンジンの代表的なものに、直列エンジンとV型エンジンの2種類があります。
それぞれについて解説します。

直列エンジン

直列エンジンは、ガソリンエンジンと同様に、シリンダーが一直線に並んだエンジンです。

ヨーロッパ市場向けディーゼルエンジンの研究開発を長年続けてきたマツダは、排ガス規制をクリアした燃費の良い独自のエンジンを産み出し、日本国内の車にも搭載しています。

V型エンジン

ガソリン式同様に、V型エンジンには、1本のクランクシャフトを中心に、シリンダーがV字のように配置されています。
多くのトラックやバスなどの大型車に採用されています。

ガソリンエンジンよりも大排気量化しやすいこと、燃焼エネルギーをエンジン出力に変換する効率が良いため重い車両を動かすパワフルさがあることが理由です。

まとめ


様々な種類のエンジンの特徴を解説しました。

燃料の違いや、シリンダーの配置の違いなどから、様々な種類のエンジンが存在します。
搭載されている車種はあまりありませんが、ピストンではなくローターを用いたエンジンもあり、水素を燃料としたものの研究が進められています。

この記事を読んでエンジンに興味を持った方は、ご自身の車に採用されているエンジンについて調べてみてはいかがでしょうか。

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