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エンジンバルブとは?DOHC・SOHC・OHVの違いを徹底解説!

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みなさまは、エンジンバルブについて詳しくご存じでしょうか。

エンジンバルブとは、エンジンに入ってくる気体と出ていく気体をコントロールするための「弁」です。
シンプルな機構ですが、エンジンにとって非常に重要な部品です。

この記事では、エンジンバルブの役割や構造、種類とそのメリット・デメリットを詳しく解説します。

エンジンバルブとは?


エンジンバルブの役割と構造を解説します。
また、吸気バルブと排気バルブの違いも解説します。

エンジンバルブの役割

エンジンバルブの役割は、エンジンの吸気口と排気口に配置され気体の流入・流出を制御することです。

エンジンバルブは、エンジン稼働時には800~1000℃もの高温下で動いています。
車の排気量にもよりますが、時速100kmで走行しているとき、エンジンバルブは1分間に1000回ほどの開閉を繰り返しています。
このような過酷な使用環境でも、エンジンバルブは精密に働かなければなりません。
非常に高い耐久性が必要な部品といえるでしょう。

近年の車には燃費の向上が求められており、そのためには空気と燃料を一定の割合で混ぜる必要があります。
吸排気を細かくコントロールするために、エンジンバルブにはより高い精度が求められています。

エンジンバルブの構造

エンジンバルブは、細長いシャフトの先に円盤が取り付けられた、きのこのような形状をしています。

エンジンには、吸気バルブと排気バルブの2系統があります。
吸気バルブと排気バルブがそれぞれ2本ずつ計4本が取り付けられている「4バルブ」が近年の主流です。

エンジンバルブの開閉は、カムシャフトと呼ばれる、卵のような楕円型の厚板が取り付けられたシャフトが担っています。
エンジンバルブは、バネの力で引っ張られて常に閉じた状態になっていますが、カムシャフトの卵の凸部によって押し出されると開きます。
カムシャフトの回転によって、周期的にエンジンバルブを開閉しています。

吸気バルブとは?

吸気バルブの役割は、空気と燃料が混ざった気体をエンジンに取り入れることです。

吸気の時点でピストンが下降し、吸気バルブが開いて、空気と燃料が混ざった気体がシリンダーに流入します。
ピストンが最下点に達すると吸気バルブが閉じ、気体の圧縮・燃焼がされます。

排気バルブとは?

排気バルブは燃焼後のガスをエンジンから排出する際に働きます。

空気と燃料が混ざった気体の圧縮・燃焼がされた後、排気バルブが開き、ピストンが上昇して燃焼後のガスが排出されます。
排気バルブは、ピストンが最上点に達すると閉じる構造をしています。

エンジンバルブを動かす仕組みは3種類ある


エンジンバルブを動かす仕組みには、DOHC、SOHC、OHVの3種類あります。
3種類それぞれの違いを詳しく解説します。

1.DOHCとは?

DOHCとは、「Double OverHead Camshaft(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)」の略称です。
独立した2本のカムシャフトによって、吸気バルブと排気バルブの開閉をそれぞれ独立して制御しています。

2.SOHCとは?

SOHCとは、「Single OverHead Camshaft(シングル・オーバーヘッド・カムシャフト)」の略称です。
1本のカムシャフトによってエンジンバルブの開閉を制御しています。

左右に配置されているエンジンバルブを1本のカムシャフトで制御するために、ロッカーアームという部品が使われることが特徴です。

3.OHVとは?

OHVとは、「Over Head Valve(オーバー・ヘッド・バルブ)」の略称です。
シリンダーヘッドの上部にロッカーアームとエンジンバルブが配置されています。
ブッシュロッドという長い棒を介して、カムシャフトの力をロッカーアームに伝え、バルブを開閉します。

DOHC・SOHC・OHVのメリット・デメリット

上記で解説したDOHC・SOHC・OHVの、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

DOHCのメリット・デメリット

DOHCは、SOHCと異なりロッカーアームを使わない分、直接カムシャフトの力をエンジンバルブに伝達でき、エンジンの高回転・高出力を可能にします。

吸気バルブと排気バルブをそれぞれ別のカムシャフトで動かすため、負荷を分散・軽減できることもメリットです。

また、2本のカムシャフトをそれぞれ油圧や電動モーターなどで独立して動かせるので、エンジンバルブの開閉タイミングをより細かく調節できます。

ただし、複雑な構造なので、製造・修理のコストが高めです。

SOHCのメリット・デメリット

SOHCは、構造がシンプルであることがメリットです。シンプルな分だけ、製造・修理コストを抑えられます。

しかし、エンジンバルブとカムシャフトの間にロッカーアームが挟まれており、高回転時には開閉タイミングのズレを許容できず、エンジンの性能を十分に発揮できません。
また、ロッカーアームの分だけ部品点数が多く、重くなりがちです。

高回転に対する耐久性と軽量化が課題だといえるでしょう。

OHVのメリット・デメリット

OHVを採用すると、燃焼室をコンパクトにできるため、効率よく圧縮・燃焼でき、燃費が向上します。

しかし、部品点数が多く複雑な機構であるため開閉タイミングのズレが大きく、高回転が苦手です。

また、近年ではSOHCの軽量化・高精度化により、OHVを採用した車種は減っています。

まとめ


エンジンバルブの役割や構造、種類とそのメリット・デメリットを詳しく解説しました。

エンジンバルブは、燃料と空気の混ざった気体の吸入、燃焼後のガスの排出のコントロールを担う、重要な部品です。
ピストン運動に連動してエンジンバルブが開閉することで、エンジンが滑らかに回転します。
エンジンの高回転時の出力安定化、燃費の向上などを求めて、様々な機構が考案されてきましたが、それぞれメリットとデメリットがあります。

ご自身の愛車に採用されているエンジンバルブの機構について、一度調べてみてはいかがでしょうか。

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