みなさまは、車のエアコンが突然効かなくなって、真夏につらい思いをしたことはありますか。
家庭用のエアコンと異なり、車のエアコンは常に振動にさらされ、ときには激しい雨風の中でも稼働しなければならないため、トラブルが発生しがちです。
酷暑日に車のエアコンが効かないと、特に幼児や高齢者は命に関わります。
この記事では、車のエアコンが効かない原因や対処法などを解説します。
ぜひ紹介する内容を覚えておいて、エアコンが効かないときに対処法を試してみてください。
車のエアコンが効かない時に試すこと
車のエアコンが効かないときに、まず試してもらいたいことを紹介します。
車のエアコンがなかなか効かないときは、エアコンの温度を最も低く設定してください。
酷暑日では周囲の空気の温度が高いので、空気がなかなか冷たくならないことがあります。
エアコンの設定温度を最も低くすれば、冷風が出てくるかもしれません。
外気導入ではなかなかエアコンが効かない場合は、窓を開けて車内の熱気をある程度外に出してから、内気循環にしてください。
外気温が高いとき、外気導入では空気が冷えにくいことがあります。
雨で湿度が高いときだと、空気が冷えていても、暑苦しさは解消されないかもしれません。
渋滞時には走行風を上手く取り入れられず、なかなか空気が冷たくなりません。
内気循環にすれば、効率良く車内の温度を下げられるでしょう。
冷たい風が出ていても、風量が少ないとなかなか車内の温度が下がらないので、風量を最大にしましょう。
簡単に車内の温度を下げられるはずです。
風がなかなか強くならない場合は、エバポレーターやブロアファンモーターに異常があるかもしれません。
車のエアコンが効かない8つの原因
車のエアコンが効かないときに考えられる8つの原因をそれぞれ詳しく解説します。
原因1.エアコンフィルター
車のエアコンが効かない原因のひとつに、エアコンフィルターの詰まりが挙げられます。
フィルターはエアコンの風をきれいにするために取り付けられており、花粉、ほこり、ごみ、排気ガス中の有害物質などを捕集してくれます。
フィルターを長期間使うと、ほこりやごみなどで目詰まりして、エアコンの風が車内まで送られません。
フィルターが詰まっていたら、新品に交換しましょう。
車種ごとにフィルターの大きさや形状が決まっているので、専用のものを取り付けてください。
カー用品店やネット通販にて、1,000~3,000円程度で購入できます。
自身で簡単に交換できるので、取扱説明書を読みながらチャレンジしてみましょう。
フィルター交換をディーラーやカー用品店に依頼すると、3,000円程度の工賃がかかります。
原因2.エアコンガス
エアコンガスが不足していると、冷たい空気が出てきません。
コンプレッサーによって気体のエアコンガスを圧縮すると液体になります。
液体のエアコンガスは、周囲の熱を奪って再び気体になります。
これを繰り返して周囲の空気を冷却するのがエアコンの仕組みです。
エアコンガスは基本的に減りませんが、走行の振動で徐々に部品の隙間から漏れていくことがあります。
また、飛び石や大きな衝撃で部品が破損し、エアコンガスが漏れ出てしまうこともあります。
原因3.コンプレッサー
エアコンを構成する重要な部品であるコンプレッサーが壊れた場合、エアコンガスを圧縮できず、空気が冷たくなりません。
コンプレッサーに不具合があると、エアコンを起動したときに異音がする場合があります。
専門的な知識と機器が必要なので、ディーラーや整備工場、カー用品店に依頼して交換してもらいましょう。
コンプレッサーの交換は、部品代と工賃で5~10万円かかります。
原因4.エバポレーター
エアコンが効かないのは、エバポレーター(熱交換器)のトラブルが原因かもしれません。
エアコンガスは、エバポレーターを介して空気から熱を奪います。
エバポレーターは同時に、空気から湿気を取り除いています。
エバポレーターには結露が起こりやすく、ほこりが付着して目詰まりしがちです。
故障により交換が必要になった場合、部品代と工賃で5万円前後かかるでしょう。
5千~1万円程度のエバポレーターの洗浄だけで済むこともあるので、カー用品店やディーラーに相談してみてください。
原因5.ブロアファンモーター
エアコンが効かないときの原因に、ブロアファンモーターの不調も考えられます。
ブロアファンには、車内に風を送る役割があります。
ブロワファンに異常があると、風が出なかったり弱まったりするでしょう。
ブロアのファン自体はほとんど破損しませんが、モーターが消耗して動かなくなることがあります。
故障したブロアファンモーターの交換には、部品代と工賃合わせて2~4万円程度かかります。
原因6.リレー・ヒューズ
エアコンの電気回路のオンオフを担うリレーに不具合があると、エアコンが稼働しません。
故障したリレーは、2~4千円で交換できます。
また、エアコンのヒューズが切れている可能性もあります。
ヒューズは、電気回路がショートしたときに過電流を防ぐ大事な部品です。
エアコンのヒューズは数百円で購入でき、自身で簡単に交換できます。
交換してもすぐにヒューズ切れが再発するようであれば、電気回路がショートしているかもしれません。
ディーラーや整備工場で点検してもらいましょう。
原因7.サーミスタ
エアコンが効かないとき、サーミスタ(外気温度センサ)が劣化している可能性があります。
サーミスタが劣化すると、正しく温度を計測できず、エアコンが空気を冷やしてくれません。
ディーラーや整備工場にサーミスタの交換を依頼すると、部品代と工賃で1万円程度かかります。
原因8.サーボモーター
エアコンのサーボモーターに不具合があると、冷気が送られません。
サーボモーターには、冷風と温風を混ぜて風の温度を調節したり、内気循環と外気導入を切り替えたりする役割があります。
サーボモーターに異常があると、サーボモーターがあるダッシュボード辺りから異音がすることがあります。
サーボモーターが故障していた場合、サーボモーターのオーバーホールに1~2万円程度、交換に2~3万円程度かかります。
車のエアコンが効かないに関するQ&A
車のエアコンが効かないときのQ&Aをいくつかご紹介します。
エアコンの故障を予防する方法は?
フィルターが目詰まりしていると、エアコンが効かないだけでなく車内の不快な臭いの原因にもなるため、定期的に交換しましょう。
エアコンが効かなくなる前に、1年もしくは走行距離1万kmを目安として交換するのをオススメします。
エアコンに関わる部品は滅多に故障しませんが、大きな衝撃があると破損することがあります。
夏になって初めてエアコンを付ける場合は、急激に稼働させてはいけません。
車のエンジンが十分温まった後にエアコンを付けて、温度を高めに設定し、徐々に慣らしましょう。
可能ならば、気温が高くなる前にディーラーや整備工場で十分にチェックしてもらってください。
エアコンが効かない時の暑さ対策は?
エアコンがどうしても効かないときは、窓を開けて換気しましょう。
炎天下で窓を閉め切っていると、熱がこもって車内の温度がどんどん上昇します。
日陰に退避することも大切です。
車内にいても、直射日光を受け続けると熱中症になるかもしれません。
近くにコンビニやスーパーがあれば、氷や保冷剤を購入して暑さをしのぎましょう。
氷や保冷剤をタオルで巻いて首元に当てることで、効率よく体温を下げられます。
ほかにも、サンシェードや遮光フィルムで直射日光を防ぐのも有効です。
車内が高温になるのを防ぐだけでなく、日焼けによる内装の劣化を防ぐこともできます。
エアコンが問題なく動くときでも、直射日光を防ぐアイテムを使うことで、効率よく車内を冷やせるでしょう。
ただし、道路運送車両法の保安基準第29条により、フロントガラスや運転席、助手席の窓ガラスが可視光線透過率70%未満になるようなフィルムは貼り付けを禁止されています。
エアコンは外気温が高いと効きにくくなる?
外気導入設定の場合、エアコンは取り入れた外気を冷やして車内に送風します。
外気温が高いとエアコンの機能が追い付かず、空気がなかなか冷えません。
あまりにも外気温が高いときは、内気循環にしましょう。
エアコンで冷やした空気を再度取り入れてさらに冷却するので、効率良く車内を冷やせます。
ただし、車内の二酸化炭素濃度が上昇して気分が悪くなる可能性があるので、長時間の内気循環は禁物です。
エアコンからぬるい風が出るのはなぜ?
フィルターの目詰まりや部品の故障ではない場合、エアコンのスイッチの押し忘れかもしれません。
エアコンをオンにしていなくても、送風はされます。
新しく手に入れた車だと操作に慣れておらず、エアコンのスイッチをうっかり押し忘れる事例が多いようです。
エアコンのスイッチは「A/C」と表示されています。
エアコンからぬるい風が出たら、エアコンのスイッチを押し忘れていないか確認しましょう。
まとめ
車のエアコンが効かない原因や対処法などを解説しました。
エアコンが効かない原因がフィルターの詰まりであれば、フィルターを新品に交換することで解決します。
コンプレッサーやエバポレーターなどの不具合が原因であれば、ディーラーや整備工場で点検・修理してもらいましょう。
車のエアコンがどうしても効かないときは、窓を開けて換気したり氷や保冷剤を活用したりして、熱中症を予防してください。
紹介した内容を頭の片隅に置いておいて、エアコンが効かないときに早めに対処してください。