自動車ユーザーにとって、愛車との別れはいずれやってきます。
そのとき車の売り方、ユーザーに与えられる選択肢には、どういったものがあるのでしょうか。
今回は車の売却で代表的な5つの方法やそのメリットデメリット、手順についてご紹介します。
5つの車の売り方
主な車の売り方について考えていきましょう。
ネットやスマホの普及により、その方法を個人が手軽に選択できるようになりました。
各方法の概要と、最後におすすめ度を示した表もごらんください。
新車に買い替える際、多くの方が選択する又はしたことがある、下取りです。
新車購入時に、愛車をそのままディーラーで引き取ってもらう方法です。
注意点として、下取りとは新車購入が前提ですので、売却のみ利用はできません。
中古車の買い取り専門店を利用する方法です。
店舗数も多く、一見でも気軽に訪問しやすいでしょう。
友人や希望者に対して、直接車両を売ります。
値段や引き渡し方法など、個人間で決める必要があります。
また書類の作成も、大半を個々人で行うことになるでしょう。
オークションに愛車を出品し、売る方法です。
中古車オークションは資格を持つ業者だけが参加できます。
その為、基本的にはオークション代行業者に依頼することになります。
スマホなどで申請し複数の買い取り業者に査定をさせ、売却候補を選びます。
非常に便利な一方、多くの業者から連絡がきて忙しくなる可能性も否定できません。
各方法についてのおすすめ度を★5点で評価しましたので、参考にしてください。
買取価格 | スムーズさ | 売れるまでの期間 | 安心感 | |
---|---|---|---|---|
ディーラーの下取り | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
中古車買取専門店 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
個人間 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
オークション | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
一括査定 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
このように表を見ていただくと、一長一短、それぞれの違いが分かりやすくなります。
何より愛車を高く売るなら、一括査定がおすすめです。
価格以外の項目評価も良く、総合的にも満足度の高い方法といえるでしょう。
煩わしさを嫌うのであれば中古買取専門店、総合的なおすすめ度はトップクラスです。
安心感を重視した商談であれば、ディーラーの下取りも一考に値します。
相対的に個人間・オークションはデメリットも目立ち、おすすめ度は低くなるでしょう。
車の売り方ごとのメリット・デメリット
おすすめ度とは別に、メリットとデメリットについてもキチンと覚えておきましょう。
自分に合った売却方法を選ぶうえで、重要な決め手になるかもしれません。
ディーラーの下取りで売るメリット・デメリット
メリットとしては、新車購入と車売却の商談・手続きを一本化できることです。
商談を通して、営業マンとも一定の信頼関係が築けるなか、新車納車・下取り車引き渡しができるのは快適です。
そういった心理的・肉体的な負担を軽減できることもメリットです。
また新車納車まで下取り車に乗り続けられる可能性もあり、日常生活に影響が少なくなるでしょう。
デメリットとしては、査定価格が高くつかない傾向にある点です。
傾向ですので例外はありますが、買取り数を増やす=商品を仕入れるという感覚は買い取り専門店に比べれば薄く、査定は低い傾向です。
商談の中でも査定価格は新車見積内の一項目として語られます。
「新車の値引きを頑張るので下取り価格は我慢してください。」など実際の査定価格として、いくら計上されているかユーザーとしては見えづらくなるのも事実です。
中古車買取専門店で売るメリット・デメリット
中古車買取専門店は、その名の通り買取りのプロ集団です。
ディーラーなどの「下取り」ではなく「買取り」であれば、まず選択肢に思い浮かぶ選択肢です。
まずメリットから考えていきましょう。
TVのCMでも大々的に宣伝しており、その売買ノウハウは実に豊富です。
彼らにとって買取=商品の仕入れです。
査定が安く思われては商品を仕入れられないので、それなりの査定価格が提示される傾向です。
積極的にアタックしてくれるので、ユーザーとしても悪い気はしないでしょう。
また価格で納得できれば、無駄なくスムーズに売却までたどり着きます。
デメリットとしては、早く売却を決めさせようとしてくることです。
査定価格は数日内のみ有効とし、他車で相見積もりを取る時間を与えないというのも戦略です。
つまり提示された価格の高低の判断は難しくなってしまいます。
別会社と比較するのであれば、スケジュールをしっかり組んで、当日中に数社回るといった戦略も必要になってきます。
また希望価格はいくらか聞き、商談の主導権を取りに来ることもあります。
希望価格を安易に伝えず、数社回って高いところにすると伝えるなど、ユーザー側も余裕をもって構えるとよいでしょう。
しかしそういったプレッシャーを嫌うのであれば、おすすめ度は下がってくるでしょう。
個人間で売るメリット・デメリット
まずメリットを挙げていきましょう。
個人間での売買は売り手であるオーナーがある程度、値段を決められます。
また業者を挟まないので中間マージンが発生せず、多少売値が高くとも、買い手にとっては店で買うより安くなり得ます。
コンディション等に自信があるのであれば、強気の値段で交渉できるでしょう。
逆に相場感から逸脱していれば、いつまでたっても買い手がつかないかもしれません。
デメリットとしては、車両売買に関するあらゆる手続き・段取りを自ら行う必要があります。
また金銭取引のトラブルのリスクが増え、ハードルが低いとはいえないでしょう。
オークションで売るメリット・デメリット
オークションのメリットとしては、何より高く売れる可能性があるということです。
タイミングによるものの、車種やカテゴリー、季節が合うと想定外の高値がつくかもしれません。
ただし、平凡な値段に終わることが多いというのも事実です。
デメリットはそもそも落札されない、落札額が安いといった可能性があるということです。
またオークションは代行業者を利用する為、代行料や出品・陸送費といった費用についても考慮しなければなりません。
一括査定をしで売るメリット・デメリット
一括査定のメリットは、一度に複数の買い取り業者に査定依頼ができる為、査定の違いを確認しつつ高値で売却できる点です。
あちこち査定に行く手間を省きつつ、買取店には査定の競争を促すことができるのです。
デメリットとしては、多くの買取店と査定・交渉をすることになります。
その煩わしさや忙しさを考慮してサービスを利用しなければなりません。
車を売る手順
さぁ車の売り方、どのサービスを利用するか、イメージが湧いてきたでしょうか?
次に、車の売却の手順について見ていきましょう。
大まかな流れとなりますので、売り方によっては少々流れが変わる可能性があることをご理解ください。
ネットで愛車の買取相場を調べることができます。
例えば、平成15年式 白色 走行距離〇〇kmで35万円~60万円といった具合にザックリ相場を調べます。
ただしあくまで指標であり、それより安いという事実も受け入れる覚悟はもっておきましょう。
あくまで物差しの1つとして、頭に入れておくと良いでしょう。
ご紹介した5つの売却方法で自分が良いと思う方法を決めましょう。
一般的には買取業者か一括査定がおすすめとなってきます。
また新車買い替えであれば、ディーラー下取りの利用を考慮しつつ、商談時に査定もしておきます。
個人売買やオークションでなければ、お店側が必要書類を丁寧に教えてくれます。
指示通り書類の準備を行いましょう。
それ以外の方法で売却するのであれば、あらかじめ書類・段取りを頭に叩き込んでおく必要があります。
店舗での基本的な普通自動車の書類は下記のようになりますので、参考にしてください。
- 自動車検査証
- 自賠責保険証明書
- 自動車リサイクル券
- 納税証明書
- 印鑑証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
- 実印
車内を清掃し、忘れ物がないように注意しましょう。
またカーナビやドラレコの自宅設定や個人情報も忘れず消去します。
代金の受け取りには、現金買取や口座振込といった方法があります。
担当者にいずれの方法か、日付の確認もしっかりしておくことでトラブルを回避できるでしょう。
まとめ
一昔前に比べると、ネットを使った一括査定や相場調査とかなり便利になりました。
一方、買取側も車種による市場の流れ・トレンドを敏感に察知しており、個々の査定基準が厳しくなっているのも事実です。
また一部の人しか利用しなかった、オークション・個人売買に挑戦しトラブルになるといった傾向も無視できません。
勿論、愛車を高く売りたいのは当然であり、その為の努力はするべきです。
まずはリスクの少ない方法で愛車の値段を調べることから始めてみてはいかがでしょうか。
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