シートベルトは自動車の安全運行の為に必須です。全席着用義務がありますが、後部座席では着用しきれていない人も見受けられます。
今回はシートベルトの着用の歴史から違反の罰則、種類についても解説します。
シートベルトの着用は命にかかわる大事なこと!
そもそも付けなければ危険があるということです。
シートベルト非着用の事故の場合、死亡率が非常に高く14.5倍ともなります。(平成28年度、警察庁資料による)
この数字を見るだけでも着用は必須であるといえるでしょう。
シートベルトの効果と役割
シートベルトを着用していないと事故の際、体を車内で強打したり、フロントガラスとの激突、さらには車外に放り出されたりします。
後部座席の非着用の場合、車外に放り出される危険性はもちろんですが、前席でシートベルトを着用している人に激突し大怪我を負わせることがあります。
つまりシートベルトを着用することで、怪我や死亡のリスクを大幅に避けることが可能です。シートベルトは大事な命綱なのです。
日本におけるシートベルト着用の歴史
日本でシートベルトは1969年に新車での取付けが法律化されました。
車に取付けが法律化されたのであってドライバーの着用義務が生じているわけではありません。
1971年には高速自動車道路、自動車専用道路において運転席のみ努力義務が課されます。
1985年には高速自動車道路、自動車専用道路において前席(運転席・助手席)でのシートベルト着用が罰則付きで義務付けられ、1992年には一般道路にも規定範囲が広がります。そして後部座席にも着用義務化の波は押し寄せ、2008年には従来の努力義務から前席同様に義務化されます。
シートベルト違反の罰則
シートベルト着用が義務化されており、非着用の場合は当然違反となります。違反が確認された際の罰則はどうなっているでしょうか。
前席と後席それぞれについて確認していきます。
運転席・助手席
一般道・高速道において未着用の場合、反則金や罰金はありません。しかし違反点数最大1点の減点が課せられます。
後部座席
後部座席も罰金はありません。一般道では口頭注意のみで減点もありません。高速道では最大1点の減点が課せられます。
シートベルトの種類とそれぞれの特徴
私たちが日常的に装着するシートベルト以外にも、実は形状の違うものが多くあります。
実際日本ではほとんどの車両に3点式シートベルトが装備されています。
他の方式のシートベルトは街乗りであまり必要のない、見る機会のないものかもしれませんが違いについて確認していきましょう。
2点式シートベルト
2点式シートベルトは腰の両端を1本のベルトで支持する形式となります。
旅客機のシートベルトをイメージしていただけると良いでしょう。
現状、一般車両において装着することはほぼありませんが、セダンなど2列5人乗り車両において、2列目真ん中は2点式シートベルトが装備されていることがあります。
また古い外車などでは2点式シートベルトしか装備されていないものも存在します。
事故の際には身体、特に腰部への負荷が強い傾向にありますし、拘束性の低さから頭部や頸椎へのダメージも懸念されます。
車外への放り出しリスクは0ではなく、重大な怪我や後遺症の可能性もあります。
3点式シートベルト
3点式シートベルトは2点式に加え、肩部を含めて3点で身体を支持します。
通常、自動車に標準装備されているシートベルトとなります。
1959年ボルボより特許が取得され、乗用車に装備されるようになりました。
ボルボはその後特許を無償公開し、全世界の自動車に装備されるようになります。
日本においても、現在発売される車両については全ての座席で3点式シートベルトとすることが定められています。
乗員保護性能において2点式に勝っており、実用的であるとされています。
フルハーネス式
フルハーネス式は腰部の拘束用ベルトと胸部拘束用ベルトで強力に身体を固定する形式のシートベルトです。
4点式・5点式・6点式などバラエティーがあり、ドライバーの好みや用途、レギュレーションによって選択されます。
サーキットで走ることを目的にスポーツカーに後付けするオーナーもいるでしょう。プロドライバーの乗るレーシングカーなどもフルハーネス式を採用され、股下も固定するような6点式が採用されることもあります。
通常の車両に取り付ける場合はシート自体の交換が必要となり、かなり面倒な作業が必要になります。
ちなみに公道においてフルハーネス式装着だけでの運転はシートベルト装着義務違反となりますので注意が必要です。
後部座席もしっかりシートベルト着用を
皆さんの安全を守るシートベルトの役割、歴史、種類についてご理解いただけたでしょうか。日本では後部座席も含めて全席着用義務があります。
しかしちょっとそこまでなら、と着用しない人が多いのも事実です。
前席の人との会話を楽しみたいがために後部座席での着用を躊躇う人もいます。非着用は事故時に、自身だけでなく前席にいる人も危険にさらすことになります。
一般道・高速道にかかわらず、どこの席に座ってもシートベルトを確実に着用しましょう。またすべての人がキチンと装備しているか、同乗者同士でチェックする心構えを持ちたいものです。
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