世界の国々の約75%は日本とは逆の左ハンドルを採用しています。
「輸入車といえば左ハンドル」というイメージを持っている方も少なくないでしょう。
かつては輸入車の大部分が左ハンドルでした。しかし、近年ではあえて右ハンドルが選ばれることが多く、左ハンドルの輸入車は減少傾向にあります。
では、なぜ左ハンドルではなく右ハンドルを選ぶ人が増えたのでしょうか?
この記事では、ハンドルの左右が存在する理由から、左ハンドルが減った理由、そして、左ハンドルのメリットとデメリットを紹介します。
輸入車の左ハンドルが減ったって本当?
まずは左ハンドル車の現状について下の2つの点から解説していきます。
- 輸入車の左ハンドルの割合
- なぜ左ハンドルと右ハンドルが存在するの?
輸入車の左ハンドルの割合
日本自動車輸入組合によると、輸入車の登録台数は近年増加傾向にありますが、左ハンドルのものは10%以下です。
そして、右ハンドルしか選べない輸入車も少なくありません。
ドイツ車であるメルセデス・ベンツのエントリークラスであるAクラスやGLAは右ハンドルのみです。
他にも、フォルクスワーゲン、ルノー、シトロエン、フィアットなどの多くのメーカーが日本で左ハンドル車を導入していません。
左ハンドルの輸入車は私たちが想像するよりずっと少ないといえるでしょう。
なぜ左ハンドルと右ハンドルが存在するの?
世界の国々で自動車が車線のどちらを走るかが違うため、左ハンドル車と右ハンドル車が存在しています。
左側通行の場合は右ハンドル車の方がすれ違いや右折時に視界を広く確保できて安全に走行可能です。右側通行と左ハンドルでも同じことが言えます。
日本やイギリス、オーストラリアなど約76の国と地域が右ハンドルで左側通行。そして、ドイツやアメリカをはじめ世界の約163の国と地域が左ハンドルで右側通行です。
なお、日本で売られている輸入車は、左ハンドルの国のメーカーであっても、ハンドル取り付け位置の左右を選べるものもあります。
輸入車の左ハンドルが減った理由とは?
なぜ輸入車の左ハンドルが減ったのでしょうか。
その理由は以下の3つだといわれています。
- 理由1:技術的な発展
- 理由2:運転のしやすさ
- 理由3:「輸入車=左ハンドル」という価値観の減少
それぞれ解説していきます。
理由1:技術的な発展
理由のひとつに自動車の製造技術の発展があります。
ハンドルの左右を入れ替えるために必要なことは、単純にハンドルの取り付け位置を変えるだけではありません。
アクセルとブレーキの位置、それに伴う配線の取り回しなども逆にしなくてはいけません。
そのため、左ハンドルの車を右ハンドルにするのは簡単ではありませんでした。
時代は進み技術の発展により、以前は物理的に接続および制御されていた機器が、今では電気的に制御されるようになってきました。
そのため、現代ではハンドルの左右を入れ替えるのが以前ほど大変なことではなくなっています。
理由2:運転のしやすさ
日本のような左側通行の国では、右ハンドルの方がすれ違いや右折時に視界が広く取れて運転しやすいです。
また、駐車場で駐車券を取ったり、ドライブスルーを利用するときも右ハンドルの方が圧倒的に便利です。
日本は大部分の施設が右ハンドルの車を基準に作られているため、右ハンドルの方が便利なのです。
理由3:「輸入車=左ハンドル」という価値観の減少
かつては輸入車が珍しく、左ハンドルが一種のステータスのように感じられました。
ただ、今は輸入車は特に珍しいものでもなく、国産車と比べて圧倒的に高額で手が出ないようなものでもありません。
左ハンドルのステータスが感じられなくなり、日本で便利な右ハンドルを選ぶ方が増えたといわれています。
輸入車が左ハンドルであるメリットとデメリット
日本では、輸入車でもハンドルの左右を選べるモデルが一部販売されています。
では、どちらを選べばいいのでしょうか?
左ハンドルのメリットとデメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
輸入車が左ハンドルであるメリット
左ハンドルのメリットは以下の2つです。
- かっこいいと思う方もいる
- 自動車本来の運転ができる
左ハンドルのステータスが以前より減少したとはいえ、かっこいいと思う方はいるでしょう。
車は嗜好品の側面もあるので、かっこよさやステータスを重要視するユーザーも少なくありません。
そして、本来左ハンドルの車を右ハンドルにしたら、ウインカーやワイパーは逆になっていてもシフトパターンは左ハンドル仕様のままの車もあります。
慣れてしまえば違和感はありませんが、やはり左ハンドルの車は左ハンドルが本来の姿だといえます。
輸入車が左ハンドルであるデメリット
続いて、左ハンドルのデメリットです。
- 有料駐車場やドライブスルーが面倒
- 慣れるまでは運転しにくい
- 査定が低くなる可能性がある
まず、有料駐車場やドライブスルーでは、車の右側から支払い等ができるようになっているため、左ハンドルでは運転席から出て取りに行かなくてはいけません。
そして、慣れるまでは運転しにくく事故に一層注意しなくてはいけないのもデメリットのひとつです。
車を手放す時に査定が低くなる可能性もあります。
左ハンドルは今や貴重なので高く売れそうなものですが、需要も減っており、あまり値段がつかなくなってきています。
あなたは右ハンドル派?左ハンドル派?
かつては「輸入車=左ハンドル」でしたが、今は輸入車でも右ハンドルのものが多くを占めるようになってきました。
技術の発展や価値観の変化がその理由です。
ただ、車は嗜好品の側面もあるので、かっこよさは重要な選択基準です。
ぜひ右ハンドルか左ハンドル、お好きな方を選んでください。
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