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トップ営業マンがぶっちゃけトーク!自動車査定の実務・商談の舞台裏

2020.10.04

今回は実際の査定の現場に迫っていきます。営業マンは商談時にどのように査定をしているのでしょうか。商談の舞台裏で行われているドタバタ劇にスポットを当てていきましょう。
※この記事は営業マンの視点から査定の技術や重要性について述べていきます。

内容については筆者の経験を元に記事にしています。店の形態や営業形態、営業マンの商談スタンスによっても差があります。ひとつの参考としてご理解いただければ幸いです。

自動車査定で意気込んでいるのは営業マンの方?

いざ!と意気込んでいるのは営業マン側かもしれません。見知った仲の既存客と新規客で商談の内容変わってくるものですが、今回は新規で一見さん、新車を検討中で自身の車は下取りに出す予定と仮定します。
ちなみに私が営業マン時代には査定件数のノルマがあった為、査定ができるだけで嬉しかったものです。我ながら月60件の査定ノルマをよく達成していたものだと思います。

営業マンとお客さんが会話を始め、査定の許可がもらえたら鍵を預かり査定の開始となります。まず査定を誰が行うか、販売会社や店舗、人員数によりかわってきます。
人がいなければ商談を行っている営業マンが席をはずして査定をしますが、筆者の勤めたディーラーではなるべく同僚が査定を行うようにしていました。

これは商談中に席をはずして査定をすると、お客さんに他社のことや商談について考える時間を与えてしまうこと、退屈に感じ帰りたくなってしまうことなど、いずれもデメリットとなってしまうのです。

営業マンは会話を続け、商談を進めつつ試乗に誘導すべきと叩き込まれていました。査定中は拘束時間なので、お客さんは帰ることができません。その間に試乗をすることで、お客さんにしてみれば効率的に時間を使えていると感じるのです。勿論、試乗は最重要の商談ツールであり訴求力は抜群です。

また営業マンにとって会話=商談です。会話は受注の確度を少しでも高める情報収集の手段です。少しでも会話の時間は多くとるべきですし、試乗中も対話の時間なのです。この大事な時間を確保することも、査定の重要な役割のひとつといえます。

査定は査定価格を出す為に行いますが、商談の情報収集としての側面もあります。商談の中でお客さんから情報を聞き出せない場合に有効となります。

車種は何かから始まり、使い方はどうか。オプションの付き具合の多い少ない。チャイルドシートやベビーシートから家族構成が想像できます。シートのへたり具合や足元の整頓具合で何人乗ることが多いのか推察可能です。積んであるアウトドアグッズや落ちているゴルフボール、野球グローブの使い込み具合で趣味が見えてくるかもしれません。

車外、車内の汚れ具合でオーナーの性格がみえてきます。ステッカーが多く貼ってあると人の目を意識したり、少し顕示欲が強かったりする傾向にあると筆者は考えていました。つまりグレードはノーマルよりスポーツグレード等が本命か、金額とのバランスからしておススメする車種は合っているか。といった具合です。

そうすると愛車への不満感や満足感をどこに感じているかもみえてきます。それは訴求する車のトーク内容にも関わってきます。まるで『人間観察』のように『車観察』ができる査定士は同僚からの信頼も厚いのです。商談を強力にバックアップし、商談中の営業マンにかわり情報を集めつつ精査してくれる相棒でもあるのです。

査定する側から見た、査定の風景

では実際の査定の手順や査定風景に迫っていきましょう。

まず車検証と自賠責保険書類等の確認

基本的には車内にあるはずです。車両データと共に所有者の情報も確認できます。所有権を見れば、クレジットで購入したか判明するかもしれません。

今回もクレジットの可能性がありますので、さりげなく低金利キャンペーンを訴求してもいいでしょう。メンテナンスノートを見れば定期的に点検をしているか、部品交換はどうかなど車自体のカルテをみることができますし、車両状態の判断材料となります。定期的にディーラー整備に出しているならば、メンテナンスパックは付けて見積もるべきです。

書類の次はコーションプレートの確認

多くはエンジンルームやフロントピラー、センターピラーの下に貼ってあります。(ちなみに最悪車検証が見つからなくてもコーションプレートで査定は成立します。)

メーカーによりけりですが、プレートには車台番号の他、モデルやメーカー型式、色番号の記載があります。モデルやメーカー型式はその車両のグレードやラインオプションの有無がわかる重要な情報です。

しかし記載のないメーカーもあり、その際はナビやオプションの搭載具合等から気合いと知識でグレードを特定する必要がでてきます。実際には社内にある査定資料とナビオプションやシート素材、年式等でグレードをあぶり出していくわけです。グレードミスは査定額のベースを間違えているということですので、大目玉となります。実に基本的な部分といえますが、絶対にミスは許されません。

基本のデータ収集は概ね車検証入れ内の書類とプレートで終わります。あとは走行距離を確認し、車内に目立つキズやシートの状態がどうか確認します。車内は乗り降り含めキズや汚れがつくものですし、あまり減点はきつくありません。

そして外装のキズチェック、修理跡の有無

このあたりで商談中の営業マンと打ち合わせることが多いです。データや情報の共有の為です。「商談の金額がきつそう」とか。「キズ多いっすねー」とか。実はこの時点で管理職は特に査定に関わらないので、「キズちょっと少な目に・・・」や「ここ大目にみといて・・・」など仲間内でキズの多さを調整していたりもします。

目玉をくらわない程度にチェックシートにキズを載せる、載せないというテクニックもあり、そういった取捨択一も腕の見せ所といえます。キズの確認が終われば値段を決めて、お客さんに査定価格として提示します。

値段がある程度ついているならば少し安めに提案している可能性があります。商談は戦いです。値段の余地=値引きの余地は少しでも多いほうがいいわけです。

社内における査定価格をめぐる戦い

査定価格をお客さんに提示し商談している最中に管理職も遊んでいるわけではありません。(当時は遊んでいるに等しいと思っていましたが。)

中古車店舗にチェックシートをFAXし、査定価格アップを依頼する場合があります。商談がきつければ金額アップとしてお客さんにひと押しするためです。

数万円くらいはアップすることが多かったです。中古車店は下取り車が明日の商品ですから、新車を受注し下取り車を取ってほしいわけです。程度や条件の良い下取り車、取引量の多い営業マンの商談については中古車店舗側も忖度してくれている印象がありました。自身の商品を仕入れてくれるのですから、「次もよろしく。」といったところです。

想定していたより査定価格がアップしてビックリすることもあります。そのままアップ額をお客さんに伝えることはまずありませんが、条件が緩くなりハンコまでなんとか頑張れとなることがあります。

査定額を上限いっぱいまで提示しているかは不透明ですが、限界提示であることはよくあります。ここは駆け引きの難しいポイントです。買う側が情報を集め営業マンを揺さぶるように、売る側もまたお客さんを揺さぶる情報を集めているのです。