日本は地震が多い国です。震度1程度の小さな地震は毎日のように、震度5を超えるような大きな地震も毎年発生しています。
大きな地震に遭遇したら避難することとなりますが、車で移動してよいのでしょうか。
また、運転中だったらどうしたらいいのでしょうか。
結論からいいますと大地震発生時には車でなく徒歩で避難することがベストです。
車で移動すると落下物や渋滞で身動きが取れなくなる恐れがあります。
この記事では大地震発生時には徒歩で避難したほうがいい理由と、運転中だった場合の対処方法を紹介します。
日本に住んでいる以上、いつ大地震に遭遇するか分かりません。
対処方法を知っていざというときに安全な避難ができるよう備えておきましょう。
大地震発生時は車で避難していい?
大地震発生時は車でなく徒歩での避難が推奨されます。
車で避難することは大きなリスクを伴う
大地震が起こると想定されることは以下の通りです。
- 道路が損壊する
- 落下物が道路をふさぐ
- 信号機が止まる
このような状態で、加えて全員が避難に焦っている状態だと事故発生率が非常に高まります。
道路の損傷や落下物に気が付かず乗り上げてスリップしてしまう、交差点に突っ込んで交通事故を起こす、などの二次被害が発生しやすいです。
原則徒歩で避難した方がいい
二次被害を防ぐためにも原則徒歩での移動が推奨されます。
ただ、絶対に徒歩でなく、津波から避難するためなどやむを得ない場合は車を使います。
車で避難することの危険性を十分に理解したうえで運転してください。路上と信号機の状態には要注意です。
参考:防災対策推進検討会議 津波避難対策検討ワーキンググループ:自動車で安全かつ確実に避難できる方策
車を運転中に大地震が来た時の対処法
たとえ運転中でも、大地震が来たら車を置いて逃げることが推奨されます。
ただ、停車して車を置くにも以下のような注意点があります。
地震に驚いて急ハンドル、急ブレーキをしないよう気を付けてください。
自分が地震に気が付いていても他人もそうとは限りません。
また、地震自体が自分の勘違いかもしれません。
交通の流れを止めないよう、周りに合わせてスピードを落とすことが大切です。
周りにスピードを落とすことを知らせるためにハザードを付けるのも有効でしょう。
周囲にスピードを合わせつつ道路の左側に駐車します。
地震のときは緊急車両が通る可能性があるため、道路の右側はふさがないで通行可能な状態にしておきます。
揺れが収まるまでは車外に出ず、スマホやカーラジオなどで情報を収集します。
外に飛び出すと、落下物やパニックになっている他のドライバーの車と衝突する恐れがあります。
ニュースや地震速報、道路交通情報で現在の状況を確認し、適切な対応します。
ひとつの媒体だと通信が混雑して接続できない可能性があるため、スマホやラジオなど複数の手段を持っておくとより安心でしょう。
忘れがちですが、窓は閉めておきましょう。
地震のときは火災がセットで起こることも多く、窓を閉めることで車内への引火を防止できます。
また、車を置いて避難することを考えると、防犯の観点からも窓は閉めておくほうが得策です。
続いて、エンジンを止めます。
車両火災などの二次被害を防止するためです。
キーを付けたまま車を離れ避難します。
スマートキーの場合は運転席などわかりやすい場所に置いておきます。
緊急車両が通るときに動かせるようにするためです。
キーを置いておくのは不安ではありますが、緊急時では個人より社会全体のことを考えて動かなくてはいけません。
どうしても盗難の危険を覚悟したうえでの避難になってしまいます。
盗難の危険を減らすためお金やスマホなどの貴重品をできるだけ車内に残さず持ち出します。
車検証も一緒に持ち出すと、仮に車を盗まれても転売対策になります。
連絡先を書いたメモを車内に残すことをおすすめします。
緊急車両などの邪魔になると車を移動させられますが、電話番号を残しておくと連絡が来ることがありスムーズに車を見つけられます。
最後にドアはロックせず車から離れて避難します。
キーを付けたままにするのと同じ意味で、緊急車両などの邪魔になり車を移動される可能性があるためです。
大地震後、車中泊避難をする場合に気を付けること
大地震がおこったときは避難所に逃げ込みますが、場合によっては車内泊避難することもあるでしょう。
車内泊避難はプライバシーが守れたりペットと一緒にいれたりとメリットが大きいですが、次のような注意点もあります。
- エコノミークラス症候群ならないように注意
- エアコンは適宜休ませる
- 夏は熱中症対策が必要
- 冬は低体温症と一酸化炭素中毒に注意
エコノミークラス症候群ならないように注意
車中泊ではエコノミー症候群に注意です。
エコノミー症候群は同じ姿勢で座り続けていると発症する場合があります。
血管にできた血栓が血管を詰まらせることで痛みや腫れがおきたり、程度がひどい場合は肺を詰まらせます。
足を下げて寝ないこと、こまめに歩いたり足のマッサージをすることで予防できます。
水分を多めにとることも推奨されます。
エアコンは適宜休ませる
エアコンはできるだけ切っておき、いざというときだけに使います。
地震のときの避難生活はいつまで続くか分からないため、できるだけ燃料は節約しなくてはいけません。
しかし、エンジンを付けずにエアコンをつけても送風になって快適な温度にはなりません。
そのため、エンジンおよびエアコンは適宜休ませる必要があるのです。
夏は熱中症対策が必要
夏は熱中症に注意が必要です。
真夏の車内の温度は最も高い昼間で50℃を超えます。
日が落ちた後でも快適とは決していえない温度にしか下がりません。
できるだけ体を冷やすのが大切ですが、避難生活では難しい場合もあります。
水分を多めにとる、直射日光を避ける、など基本的でできることからやっていきましょう。
冬は低体温症と一酸化炭素中毒に注意
冬は低温からくる低体温症と、排ガスによる一酸化炭素中毒に注意です。
深部体温が35℃以下になることを低体温症といいます。
10℃程度と意外と低くない気温でも十分に低体温症になる可能性があります。
雪の降る冬は暖を取るためにエアコンをつけるケースも少なくありません。
雪がマフラーをふさいでしまっていたら、行き場を失った排ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒の原因になります。
一酸化炭素は無臭なので充満していることに気が付くのは難しいです。
寝るときはエアコンだけでなくエンジンも切っておくことが推奨されます。
まとめ
大地震発生時には徒歩での避難が推奨されること、どうしても車で避難するときの注意点を紹介しました。
運転中に大地震が発生したら焦らず落ち着いて車を寄せて避難してください。
また、車中泊で避難生活を送る際はエコノミークラス症候群や熱中症などに注意です。
自分と周りの人を助けるためにも、緊急時こそ正しい行動をとれるように意識しておきましょう。
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