製造してしばらく年月が経った車を旧車と呼びます。
明確に何年以上経過したら旧車と呼ぶかは決まっておらず、人それぞれの解釈に委ねられています。
現代車にないフォルムや手に入りにくいプレミアム感から多くのファンがいる旧車ですが、維持費が少々かさみます。
普通に走るだけでなく、メンテナンスや修理代、税金まで高価なので、憧れから旧車を手に入れても金銭的にキツくて手放す方も少なくありません。
今回は、旧車の維持費が高くなる理由について、どうしたら抑えられるのか、よくある質問を解説します。
旧車の購入を検討している方は、この記事を読んで金銭面の負担がどのくらいになるのかあらかじめ知っておいてください。
旧車の維持費が高くなる理由とは?
旧車の維持費が高くなる理由は以下の5つです。
- 理由1.故障し修理する頻度が多い
- 理由2.部品が希少
- 理由3.税金が通常よりも高い
- 理由4.保管する場所が限られる
- 理由5.燃費が悪い
理由1.故障し修理する頻度が多い
現代の車と比べると、旧車は故障し修理する頻度がどうしても多くなります。
構造的に走行すると壊れやすい部品があったり、ゴム製品は置いておくだけでも加水分解を落として劣化します。
パーツ代や工賃にかかるお金や修理自体にかかる時間も多く、旧車の維持には高いコストが必要です。
理由2.部品が希少
旧車に使われている部品はすでに生産しておらず、在庫または現在流通しているものだけのケースが多くあります。
故障しても部品が手に入らなくて修理できないという話も珍しくありません。
最近は復刻版で部品を再販しているメーカーもあります。
多少手に入りやすくなったとはいえ、それでも数が多いわけではないので、旧車の購入を考える場合は部品の手に入りやすさも考慮しなくてはいけません。
理由3.税金が通常よりも高い
新車登録から13年経過しているガソリン車は自動車税と重量税が高くなります。
環境への配慮のため、この通称「ボロ車税」が設定されています。
ボロ車税が適応された車は、毎年かかる自動車税が15~20%ほど上乗せされます。
そして重量税は排気量にもよりますが15%〜40%ほど多く課税されます。
旧車に乗るということは、税金面でも大きく負担が増えてしまいます。
理由4.保管する場所が限られる
旧車は修理しにくいことからできるだけ状態良く保管しなくてはいけません。
そのため、雨風がしのげて直射日光もできるだけ当たらないところで保管する必要があります。
また、人気のある旧車は盗難の危険も高く、目立つ場所に保管すると盗難の恐れもあります。
鍵がつく屋根付きガレージに入れたり、警備が厳重な駐車場を借りたり、一工夫が必要です。
理由5.燃費が悪い
旧車は現代の車と比べて全体的に燃費が良くありません。
アクセルを踏み込むと燃料計の針が動きが見える、といわれるほどのスポーツカーも存在します。
その車がハイオクだったらさらに燃料代がかかります。
走りを楽しみたいのにガソリン代が気になるから走りにくい、という事態に陥らないようにしましょう。
旧車の維持費を抑える方法
旧車の維持費を抑える方法を以下の3つ紹介します。
- 方法1.メンテナンスを常に怠らない
- 方法2.整備が得意な業者から購入する
- 方法3.丁寧な運転を心がける
方法1.メンテナンスを常に怠らない
メンテナンスを怠らず実施し、できるだけ故障を予防しましょう。
メンテナンス自体は適切なオイル交換、フィルター交換など基本的なもので構いません。
部品の手に入りにくさと値段を考えたら、多少メンテナンスコストが上がっても結果的にお得になります。
方法2.整備が得意な業者から購入する
旧車の整備が得意な業者から購入し、つながりを持っておくことが重要です。
旧車は現代の車と構造的に異なる部分が多い、整備に責任を持てないなどの理由で普通のディーラーだと入庫を断られるケースも少なくありません。
旧車の整備を得意としている業者と関係を持つことは、愛車の寿命を延ばすことに直結します。
方法3.丁寧な運転を心がける
丁寧な運転を心がけて車に負担をできるだけかけないようにしましょう。
急ハンドル、急ブレーキ、急発進のいわゆる「3急運転」をしないようにするだけでも、車は傷みにくくなります。
ガタガタ道のオフロードに行かないようにするのも有効です。
旧車の維持費に関するQ&A
旧車の維持費に関するよくある質問4つを紹介します。
- 維持費はどのくらいかかる?
- メンテナンスの頻度はどのくらい?
- 故障が多い部分は?
- 旧車を購入する際に気をつけることは?
維持費はどのくらいかかる?
維持費がどのくらいかは排気量や車種にもよるので一概にはいえませんが、諸々積み重なり合計で年間10万円以上は高くなると考えてよいでしょう。
旧車がレアであればあるほど部品の流通量も少なく維持費がかさみます。
また、排気量が大きいと税金の負担が年間何万円も増加します。
メンテナンスの頻度はどのくらい?
半年に1回程度は専門店でメンテナンスを依頼するケースが多いです。
乗り方によってはより頻繁にメンテナンスしなくてはいけません。
ただ、いくらしっかりとメンテナンスしても調子が悪くなるときはあります。
定期メンテナンスに加え、日々不調がないかチェックして気になることがあったらすぐに整備することが大切です。
故障が多い部分は?
故障が多い部分はエアコン関係とエンジン関係です。
現代でもエアコンのコンプレッサーが壊れてぬるい風しか出なくなったという話はよく聞きます。
エアコンがついていない旧車も多く、もしついていたとしても黎明期で未発達のものなので、なおさら故障しやすいです。
エンジン関係はパーツが高速で稼働しているのもあって負担が大きく、故障しやすい部分のひとつです。
特にガスケットの劣化、ドレンボルトの磨耗などでエンジンオイルが漏れるケースが多くあります。
旧車を購入する際に気をつけることは?
旧車を購入するとき、以下の3点は気をつけましょう。
- 金銭的、精神的に維持できそうか
- パーツが手に入りやすいか
- 整備してくれる人がいるか
- 自分で不具合を察知し、整備できるか
旧車はどうしても金銭的な負担が大きく、あまりにお金と時間がかかるから面倒になり手放すケースがあります。
憧れの旧車を手に入れたのに、このような気持ちになるのはとても勿体無いことです。
また、パーツが手に入りやすいことと整備をしてくれる人がいるかも大切です。
故障してもパーツが手に入らない、もしくは整備する人がいないという状態だと、乗れないのに税金だけかかるという状況に陥ります。
自分で車の不具合を察知して整備できるスキルも必須です。
旧車は修理に手間とお金がかかるので大切に乗ることが基本ですが、もし車の不調が分からず乗り続けたらすぐに故障してしまうでしょう。
日頃から自分である程度整備できるだけの知識も求められます。
金銭面や利便性だけで見れば、旧車はメインでなく趣味用のセカンドカーとして楽しむのが一番安全でオススメです。
まとめ
旧車の維持費が高くなる理由と、できるだけ安くする方法を解説しました。
旧車の維持はパーツ代、燃料代、整備代、税金などなどが積み上がって金銭的な負担が大きいです。
そこで重要なのは定期的なオイル交換や定期点検などの基本的なメンテナンスです。
適切なメンテナンスで故障を避け、できるだけ負担の少ない旧車ライフを送りましょう!
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