MENU

車のクラッチとは?仕組みや役割、種類を徹底解説

このページは広告PRを含んでいます。

車のクラッチとはエンジンの力をトランスミッション(変速機)に伝えたり遮断したりするためのパーツです。

MTはクラッチペダルがあるため存在が分かりやすいですが、実はATやAMTもドライバーが操作しないだけでクラッチが存在します。
ただ、MT車が少なくなっている昨今、クラッチのことを詳しく知らない方も多いかもしれません。

そこで今回は、MT、AT、AMT車のクラッチについて基本的な仕組みから役割、種類について解説します。

クラッチを意識すると車を操っている感覚が増して運転が楽しくなるでしょう。
なんとなくの働きを知るだけでも十分なので、ぜひクラッチについて勉強してみてください。

車のクラッチとは?


車のクラッチについて、以下の2点から紹介します。

  • クラッチとは?
  • クラッチの仕組みと構造

クラッチとは?

クラッチとは軸の回転数が異なる2つの物を固定したり切り離したりするパーツです。

特に車の場合はエンジンの力をトランスミッション(変速機)に伝えたり遮断したりします。

クラッチの仕組みと構造

クラッチは機械的にエンジンとトランスミッションを噛み合わせたり、摩擦を利用して一方からもう一方へ動力を伝えます。
「フライホイール」「クラッチディスク」「クラッチカバー」という3つの部品から構成されます。

合掌して片手を回転させる様子がクラッチの説明でよく挙げられます。
合掌した姿勢で、片腕はエンジン、もう片腕がトランスミッション、手のひらがクラッチです。

手のひらがギュッと強く押し合った状態で片手を回すと、もう片腕も摩擦でつられて回転します。
これがクラッチが噛み合って動力が伝わっている状態です。

手のひらを離すと、片手を回してももう片手は回転しません。
これはクラッチが切り離されて動力が伝わらない状態です。

最後に、軽く手のひらを合わせ片手を回転させると、もう片手は滑りながら回転します。
これが半クラッチです。

MT車・AT車・AMT車のクラッチの違い


MT車、AT車、AMT車(自動MT)のクラッチの違いを紹介します。

  • MT車のクラッチの役割
  • AT車にクラッチはある?
  • AMT車にクラッチはある?

MT車のクラッチの役割

MT車(マニュアルトランスミッション)はドライバー自身でクラッチを操作してエンジンの動力をトランスミッションに伝えなくてはいけません。

車はスピードに合わせてギアチェンジする必要がありますが、エンジンが高回転で回っている状態ではギアチェンジできません。
そのため、クラッチペダルを踏み込んでクラッチを切り離し、動力が遮断されている状態でギアチェンジする必要があります。

また、クラッチを急につなぐと衝撃が大きいため、半クラッチで少しだけ動力を伝え、それから完全にクラッチをつなげることも大切です。

AT車にクラッチはある?

AT車(オートマチックトランスミッション)にもクラッチはあり、ドライバーでなく車がオートでクラッチを操作してくれます。
しかし、その構造はMTのものとは全く違います。

ATにはトルクコンバーター(流体クラッチ)という機構がMTのクラッチの代わりです。

MTのクラッチは摩擦で動力を伝えますが、ATのトルクコンバーターはオイルが動力を伝えます。
ちょうど、2台の扇風機を向かい合わせで置いて片方を作動させると、もう片方の羽根も回るイメージです。

このように、AT車はエンジンの回転数に合わせてトルクコンバーターが自動で適切に動力を伝えてくれます。

AMT車にクラッチはある?

AMT車はMT車のクラッチ操作だけ自動化した車で、自動MT、セミオートマ、2ペダルMTなどと呼ばれます。
AMT自体はトラックに採用されることの多い機構です。

そして、AMT車にもクラッチはあります。
ドライバーがクラッチを操作することはありませんが、シフトチェンジ自体はドライバーがやらなくてはいけません。

AT限定免許でも運転できること、シフトチェンジの手間がMTより小さいことが大きなメリットです。

MT車のクラッチの種類


MT車のクラッチの種類は大きく分けて4つあります。

  • ドッグクラッチとは?
  • 摩擦クラッチとは?
  • 遠心クラッチとは?
  • 強化クラッチとは?

ドッグクラッチとは?

ドッグクラッチは噛み合いクラッチともいわれ、互いに噛み合う二つの爪によって動力を伝えるクラッチです。

エンジンとトランスミッション両者の回転が合えばエネルギーをロスすることなく素早く動力を伝えられますが、合わないと全く伝えられません。

変速が早いためレース用のトランスミッションに利用されます。

摩擦クラッチとは?

摩擦クラッチはエンジンとトランスミッションを摩擦で接続する機構です。

一般車に採用されることが多く、徐々に動力を伝えられるため衝撃が少ないことが利点です。

クラッチはその機能上、熱を多く発生させます。
クラッチをオイルに浸して放熱性を高めたものが湿式クラッチ、オイルに浸していないものが乾式クラッチです。

MT車には湿式に対してエネルギーの伝達効率がいい乾式が採用されることが多いです。
湿式は高回転になりがちな二輪やAT車に採用されることが中心です。

遠心クラッチとは?

遠心クラッチはエンジンの回転で発生する遠心力を利用して動力をトランスミッションに伝えます。

クラッチペダルを操作することなくシフトチェンジできるのが特徴です。

車では初心者用のレーシングカート、バイクではスクーターやカブに採用されています。

強化クラッチとは?

強化クラッチは純正の摩擦クラッチより摩擦力を高めてより圧着性能を高めたものです。

半クラッチの範囲が狭く運転が難しくなる代わりに、ギアチェンジ時のエネルギーのロスが少なくなるメリットがあります。

ハイパワーが出るようにカスタムした車やレーシングカーで採用されるケースがほとんどです。

まとめ


車のクラッチについて仕組みや役割、種類を解説しました。

クラッチとは軸の回転数が異なる2つの物を固定したり切り離したりするパーツで、特に車ではエンジンとトランスミッションの接続を担っています。

MT車は自分でクラッチを操作するの馴染み深いでしょう。
ただ、AT車やAMT車にもクラッチは存在します。車がオートでクラッチ操作をするためクラッチの存在を意識することがないだけなのです。

AT車でも、運転するときはギアチェンジを意識してみてください。
クラッチが動いてエンジンとトランスミッションが繋がったな、離れたなという瞬間がわかると、きっと運転が楽しくなることでしょう!

関連記事

・車のトランスミッションとは?基本構造や種類まとめ!
・【豆知識】MT、AT、CVT…多様化するトランスミッションの種類と特性
・意外と知らないAT車シフトレバーの正しい使い方を徹底解説!