ACCとはAdaptive cruise controlの頭文字を取ったもので、日本語で定速走行・車間距離制御装置といいます。
走行中、速度を自動的に調整して前の車と安全な距離を保ってくれるシステムです。
運転手の運転にかかる負担を軽減してくれたり渋滞緩和に役立ったりととても便利な機能です。
しかし、今までACCなしで運転していた方にとっては、本当に必要な機能なのか疑問を持っているかもしれません。
そこで今回は、ACCについて基本情報と3つのメリット、メーカーごとの搭載車種を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、ACC搭載車を手に入れるかどうかの悩みを解消してください。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)とは?
アダプティブクルーズコントロール(ACC)について、以下の3点から解説します。
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)とは?
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)の仕組み
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)の使い方・注意点
アダプティブクルーズコントロール(ACC)とは?
アダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive cruise control)とは日本語で定速走行・車間距離制御装置と呼びます。
走行中にアクセルとブレーキを自動的に操作して、前の車両との距離を一定に保ってくれます。
ACCはクルーズコントロールというスピードを一定に保つシステムを進化させたものです。
クルーズコントロールは1958年にクライスラーがインペリアルという車に搭載したのが最初で、運転手や乗客の安全のために開発されました。
ACC自体は1992年に三菱のデボネアに日本史上初めて搭載されました。
しかし、これはドライバーに警告を与えるだけだったので、自動で速度を調整してくれる本当の意味でのACCは1995年の三菱・ディアマンテが最初かもしれません。
その後ACCはどんどん普及していき、現在販売されている車なら多くの車に装着されていて珍しいものではありません。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)の仕組み
ACCは車両前部に装着されたレーダーやカメラで先行している車の距離を測定し、遠ければ設定された速度まで加速し、近ければブレーキやシフトダウンで減速します。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)の使い方・注意点
ACCは決められた範囲(40~110km/hなど)で運転手が速度を設定するだけで作動します。
現在の車のスピードが速度範囲外の状態でACCを作動させた場合、クルーズコントロールとして作動するものや、そもそも作動しないものなど、車種によって挙動が変わります。
ACCはドライバーがアクセルやブレーキを踏んだりシステムをオフにしたりして介入すると解除されます。
注意点としては、高速道路や自動車道での使用が想定されていること、急カーブや急坂などではセンサがうまく作動せず誤作動を起こすかもしれないことです。
一般道は交通状況がめまぐるしく変わるため、ACCの制御では状況変化に適応しきれません。
また、誤作動を起こすと思いもよらぬ加速や減速が起こる可能性もあります。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)の3つメリット
ACCには以下の3つのメリットがあります。
- メリット1.安全車間
- メリット2.疲労軽減
- メリット3.渋滞緩和
メリット1.安全車間
一般的に、前の車との車間は速度60km/h以下のときは「速度-15メートル」、それ以上のときは「速度と同じメートル」だと安全だといわれています。
ACCを使えば適切な車間距離に自動的に保ってくれるので安全性が高まります。
近すぎても急ブレーキ時に衝突するかもしれませんし、遠すぎても他の車両に割り込まれるかもしれないので、適切な距離を保つことが重要です。
メリット2.疲労軽減
高速道路や自動車道ではほとんど同じ速度で長時間運転するため意外と疲労が溜まります。
「高速道路睡眠現象」と呼ばれるほど、単調な風景や操作が続く運転は運転手に負担がかかるものです。
あくまで運転手が操作のメインになることは変わりませんが、ACCが運転を補助すると疲労軽減が期待できます。
メリット3.渋滞緩和
渋滞の大きな原因は「上り坂などでの無意識な減速」と「それに対応するための後続車のブレーキ」です。
減速してしまうと後続車がブレーキを踏み、またその後続車がブレーキを踏み、とブレーキの連鎖が起こり渋滞を引き起こします。
ACCを使えば上り坂などでの減速はなくなります。
仮に減速しても、急な減速でない限り、後続車はブレーキでなくエンジンブレーキやシフトダウンで速度を調整するのでブレーキランプも光りません。
このように、ACCは渋滞緩和に大きな効果が期待されています。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)のメーカーごとの名称と搭載車種
ACCはメーカーごとに呼び方が違います。
どんな呼び方なのか、搭載車種はなんなのかを紹介します。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)のメーカーごとの名称
メーカーごとに以下のように名称が変わります。
- スバル:全車速追従機能付クルーズコントロール
- ダイハツ:全車速追従機能付ACC
- トヨタ:レーダークルーズコントロール(DRCC)
- 日産:インテリジェントクルーズコントロール(ICC)
- ホンダ、スズキ:アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
- マツダ:マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)
アダプティブクルーズコントロール(ACC)の搭載車種
多くあるACC搭載車種の中から、3つの人気車種を紹介します。
- トヨタ:プリウス
- 日産:エクストレイル
- ホンダ:インサイト
トヨタ:プリウス
トヨタの人気車種であるプリウスは、2015年式でAとAプレミアム、2018年式で全グレードにACCが標準装備されています。
日産:エクストレイル
エクストレイルは上位機種になると、高速道路でアクセルとブレーキだけでなくステアリングまで自動でコントロールしてくれます。
ホンダ:インサイト
インサイトは全車にホンダの安全支援システム「Honda SENSING」を標準装備しており、高い先進安全技術を誇っています。
まとめ
アダプティブクルーズコントロール(ACC)について解説しました。
ACCのメリットは安全性が高まることと渋滞の緩和に役立つことです。
ただ、一般道でなく高速道路や自動車道での使用を前提にしていること、あくまでも補助で運転のメインは人間がすることに注意してください。
一度使ったら辞められないという方も少なくないACC。ぜひ一度体感してみてください。
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