自動車を運転するうえで、トラブルや事故は避けたいものです。
その為にどういった現象があるのか幅広く知り、原因や対策についても把握しておく必要があります。
今回は事故の原因となりえる、スタンディングウェーブ現象についてご紹介いたします。
この現象はタイヤにまつわる事柄であり、実は事故の原因として身近に存在します。
タイヤがどうなると危険なのか、どのように安全を確保すればよいのかを知っておく必要があります。
車はタイヤが地面に接することで、走ったり止まったりすることができますが、適切な管理が出来ていなければならないのです。
スタンディングウェーブ現象の原因や防ぐための対処法は是非覚えていただきたいと思います。
スタンディングウェーブ現象とは?
スタンディングウェーブ現象とはそもそもどういった現象なのでしょうか。
この現象の大きな特徴はタイヤの接地面後方が波状にたわむことです。
接地しへこんだ部分が元に戻る前にタイヤが一周してしまい、地面がタイヤをへこまそうとする力とタイヤが元の形に戻ろうとする力のバランスが崩れている状態といえます。
タイヤが潰れた状態で走行することでタイヤのバーストや致命的な劣化を引き起こす可能性があるということです。
この項では、そういった詳細について説明いたします。
スタンディングウェーブ現象が起こる原因
スタンディングウェーブ現象は、タイヤのたわみがある状態で高速回転することにより起こります。
何故このような状態になってしまうのか、原因はタイヤの空気圧にあります。
空気圧の低いタイヤは車両重量によって潰れた状態、つまりたわみが大きくなります。
また空気圧が低くたわむほどではなくとも、荷物が多く車体重量が増えていてもたわみが増える可能性があるので注意が必要です。
こういった状態で高速走行をするとたわみが多重発生してしまい、スタンディングウェーブ現象に繋がります。
空気圧が低下する原因
空気圧が下がる原因として、まず「自然空気漏れ」が考えられます。
何をしなくとも空気圧は徐々に下がっていくということを覚えておきましょう。
また経年劣化でバルブ部分の錆やゆがみでも空気漏れは増えていきますし、ゴムの劣化によって空気漏れが速くなることも考えられます。
スタンディングウェーブ現象が起こりやすい場所
スタンディングウェーブ現象はタイヤが高速走行=高速回転する状態で起きやすくなります。
つまり高速道路や自動車専用道路など速度が出しやすい環境で特に注意が必要です。
スタンディングウェーブ現象に気付く症状
重大な事故になる前に、現象に気づくことはできるでしょうか。
いくつかの予兆がありますので、記憶していただければと思います。
まず車が小刻みに揺れ始めたら注意が必要です。現象が進めば振動が大きくなります。
ゴムのたわみが継続すると負荷によって、ゴムが焦げた匂いがすることもあります。
スタンディングウェーブ現象が起きたらどうする?
ここまで読み進めていただくと、スタンディングウェーブ現象が大変注意すべき事象であると分かってもらえたのではないでしょうか。
では実際に現象が起きてしまった場合、どのように対応すべきなのでしょうか。
安全な場所に車を停める
スタンディングウェーブ現象が起きた場合、まず自動車を停車することを考えましょう。
注意が必要なのは、この現象が高速走行時に起きやすい、つまり高速道路などで発生しやすいということです。
周囲の状況を把握せずに急な減速をすると、より広範な事故を引き起こす可能性があります。
ハザードを出すなど異常を周囲に知らせつつ、ゆっくり速度を落とし、安全な場所に停車することを心がけましょう。
ロードサービスを呼ぶ
スタンディングウェーブ現象が起きた場合、タイヤに深刻なダメージが加わっている可能性があります。
再度、運転を開始すればタイヤのバーストが起きるかもしれませんし、そもそもスタンディングウェーブ現象が再発する危険も考慮しなければなりません。
自身で車両を運転することは危険ですので、ロードサービスを呼ぶことをおすすめします。
スペアタイヤに交換
先の項で述べたように、ロードサービスを呼ばない対処方法としてスペアタイヤに交換するという手段があります。
交換の手順、方法をあらかじめ把握しておくか、交換の予行練習をすることを強くおすすめします。
交換が無事済んだとしても、スペアタイヤは通常のタイヤとは違い、ずっと履かせておくものではありません。
可能な限り早くタイヤの修理交換を行うべきでしょう。
スタンディングウェーブ現象を防ぐための対処法
スタンディングウェーブ現象とはどういった現象か、起きてしまった場合の対応についてご紹介してきました。
ここからはそもそも現象が起きないようにする方法についても考えていきましょう。
決して難しい内容ではありませんので、是非愛車のチェックをしてください。
定期的に空気圧を点検をする
対処方法の大前提といえるかもしれません。
定期的な空気圧のチェックを行いましょう。
空気圧が低いタイヤはスタンディングウェーブ現象が起きた際、発熱を起こし、バーストを起こしやすくなっている可能性があります。
重大なアクシデントを引き起こす前に、適性な空気圧を維持しましょう。
空気圧は1か月に5%程度、自然に抜けていってしまいます。
たまに空気を入れたからと安心するのではなく、給油の際にガソリンスタンドで定期的にチェックすると良いでしょう。
スピードを出しすぎない
スピードの出しすぎによって、タイヤのたわみや発熱が増えてしまう可能性があります。
適性なスピードを守って走ることが大事です。
荷物を積み過ぎない
荷物を多く積むことで、車体重量が上がり、タイヤに対する負荷が多くなります。
タイヤの空気圧に問題がなくても、タイヤにたわみを起こしてしまうのです。
また操縦性が悪くなることも予想されるため、適性な荷物量を心がけましょう。
タイヤ交換のタイミングを逃さない
タイヤ自体の寿命にも気を配る必要があります。
溝が沢山あるようにみえても、長い期間使用したタイヤには細かいヒビが発生してきます。
空気圧の低下が早く、また負荷にも弱くなっており、バーストしやすくなっているかもしれません。
タイヤの使用期間によって交換をすることも考えておくと良いでしょう。
まとめ
さて今回はスタンディングウェーブ現象について記事にいたしました。
非常に怖い現象ですが、そもそも予防可能であるという点についても、理解していただけたと思います。
是非タイヤの状態をチェックする習慣を身につけ、安全な運行につなげてください。
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