通常、カーリースには「走行距離制限」という制度があり、月々に走行できる距離の上限が決められています。
距離を気にしながら乗るのは不便という声もありますが、なぜこのような制度があるのでしょうか。
この記事ではその理由を解説するとともに、もしも走行距離制限をオーバーしてしまうとどうなるか、人気カーリース会社3社の対応を詳しくご紹介していきます。
カーリースの走行距離制限をオーバーするとどうなる?
カーリースのデメリットとして挙げられることの多い「走行距離制限」ですが、もしもそれをオーバーしてしまうと一体どうなってしまうのでしょうか。
ここでは、カーリース契約における走行距離制限を超えた場合の影響について考察します。
制限を超えた際の対処法や、なぜこのような制限があるのかについても探っていきましょう。
カーリースの走行距離制限とは?
カーリースでは基本的に、月間の走行距離制限というものが設けられています。
例えば「月に1,000kmまで」といった具合に月々に走れる距離の上限が設定されているわけですが、その距離はカーリース会社や、契約したプラン、オプションなどによって異なります。
なお、この距離は契約期間満了までの総走行距離を契約期間の月数で割ったものであり、例えば月に1,000kmで5年間のプランであれば、1,000km×12ヶ月×5年=合計6万kmが上限となります。
この場合、契約期間満了時の総走行距離が6万kmを超えなければよいのであり、たとえある月に1,000km以上走ってしまったとしても最終的な帳尻が合えば問題ありません。
カーリースの走行距離制限をオーバーした際の対処法
カーリースの走行距離上限は途中で変更することはできず、また中途解約もできません。
そのため、もし総走行距離の上限をオーバーしてしまった場合は、車の返却時にオーバーしたキロ数に応じた超過金を追加精算で支払うのが基本となっています。
超過金は1kmあたり数円~10円程度の設定の会社が多く、例えば2,000kmオーバーした場合に1kmあたり10円の超過金であれば、2万円の追加精算が必要ということです。
なお、前述のように走行距離はあくまで車の返却時の総走行距離で判断されますので、ある月に月間の走行距離上限をオーバーしてしまったとしても、その場で超過金を支払う必要などはありません。
- 距離の超過が予想されても、契約期間中のプラン変更は不可
- 返却時、1kmあたり数円~10円程度の超過金を支払う
- ある月に走行距離が超過しても、返却時に総走行距離がオーバーしていなければ大丈夫
カーリースに走行距離制限がある理由
しかし、カーリースにはなぜこのような走行距離制限があるのでしょうか。
その理由は、カーリースの「残価設定」という基本的な仕組みにあります。
カーリースは契約満了後に車を返却することが前提となる契約であり、返却時に見込まれる残価(車の価値のこと)があらかじめ値引いてあるためにリーズナブルな月額料金を実現しています。
残価というのは車の状態に左右されるものですが、走行距離も残価の重要なポイントの一つです。そのため、もし契約時に設定した走行距離をオーバーしてしまうと、実際の残価が見込まれた残価に届かなくなってしまうのです。
ただ、この「残価設定」をしていないプランや、車を返却せずにそのままもらえるプランであればこの限りではなく、そのようなプランであれば走行距離無制限で乗ることが可能です。
カーリースの走行距離制限をオーバーした際の各社の対処法
それでは、カーリースの走行距離制限をオーバーしてしまった場合にどうなるかというのを、人気カーリース会社3社を例にして見てみましょう。
定額カルモくんで走行距離制限をオーバーした場合
サービス名 | 定額カルモくん |
---|---|
取り扱い車種 | 国内全メーカーほぼ全車種 |
契約期間 | 1年~11年(1年刻みで選択可能) |
車がもらえるプラン | 月500円で「もらえるオプション」加入可(※7年契約以上) |
走行距離制限 |
|
走行距離オーバー時の超過金 | 1kmあたり8円 |
定額カルモくんは、長期契約を含めた幅広い契約期間が選べるカーリースで、リーズナブルな月額料金も大きな魅力です。
走行距離制限については、比較的長めの距離である「月に1,500km(年間18,000km)」となっています。
ただ、7年以上の契約期間であれば全車種全プランで走行距離が無制限になるのが大きなメリットです。同じく7年以上の契約で「車がもらえるオプション(月500円)」加入も可能ですので、乗り慣れた車を長く使いたい人、本当のマイカーのように気兼ねなく乗りたい人、長距離走行が多い人にもピッタリでしょう。
なお、走行距離をオーバーしてしまった場合の超過金は1kmあたり8円となっており、他社と比較してもそれほど高くはないのも嬉しいポイントです。
ニコノリで走行距離制限をオーバーした場合
サービス名 | ニコノリ |
---|---|
取り扱い車種 | 国内全メーカー全車種 |
契約期間 | 1年~9年(1年刻みで選択可能) |
車がもらえるプラン | 9年契約で「もらえるパック」選択可 |
走行距離制限 |
|
走行距離オーバー時の超過金 | あり(金額は公式サイトに記載なし) |
ニコノリはニコニコレンタカーが運営するサービスで、月額料金は5,500円からという安さが魅力のカーリースです。
そんなニコノリの特徴はユーザーひとりひとりに合わせた個別のプランを提案してくれることで、走行距離制限についても一律の設定ではなく、個々の状況に合わせて相談することができます。走行距離オーバー時の超過金についても併せて相談・確認するのがおすすめです。
ただし、最長の9年プランであれば「車がもらえるパック」も選択できるほか、走行距離も無制限になります。
なお、ニコノリでは契約期間中ガソリン代が5円/L引きになる特典もあるため、走行距離が長い人はガソリン代もお得になるでしょう。
KINTOで走行距離制限をオーバーした場合
サービス名 | KINTO |
---|---|
取り扱い車種 | トヨタ車・レクサス車 |
契約期間 | 3年・5年・7年 |
車がもらえるプラン | なし |
走行距離制限 | 1,500km/月(年間18,000km) |
走行距離オーバー時の超過金 |
|
KINTOは自動車メーカーのトヨタが運営するカーリースで、トヨタ車とレクサス車の一部を取り扱っています。
走行距離制限は月1,500kmとなっており、それを超えるとトヨタ車で1kmあたり11円、レクサス車では1kmあたり22円の超過金がかかります。
またKINTOでは走行距離無制限になるプランや車がもらえるプランはないので、走行距離がかさむと思われる方は慎重に乗るのがよいでしょう。
まとめ
今回は、カーリースの走行距離制限の仕組みや制限オーバーしてしまった場合の対処法などをご紹介しました。
カーリース車両の残価を維持するために各社で走行距離制限が設けられていますが、契約途中でその上限を変更することはできません。もし制限をオーバーしてしまったら、超過金を追加精算する必要があります。
長距離を運転する、走行距離がかさみそうだという方は、走行距離が無制限になるプランを用意しているカーリース会社を選ぶのがおすすめです。
◆今回の記事が気になった方へのおすすめ記事はコチラ!
↓↓↓
カーリースがデメリットだらけと言われる8つの理由。やめといた方がいいって本当?
カーリースでおすすめなオプションをご紹介!人気2社のオプションを徹底解説!
おすすめのカーリースの契約年数とは?長期・短期のメリット・デメリットを解説