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車のニュートラルの使い方とは?役割や仕組み、注意点をご紹介

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車を運転するときには、ATではあまり意識することはないかもしれませんが、適切なギアを選択する必要があります。その中でも「ニュートラル(N)」は、多くの方は意識して使っていないかもしれません。ただ、どんな車にもニュートラルは備えられていて、大切な役割もあります。

この記事では、車のニュートラルの基本的な役割や仕組み、さらに具体的な使い方や注意点について詳しく解説します。正しいニュートラルの理解と使用方法を身に付けることで、より安全で効率的な運転を実現しましょう。

車のニュートラルとは?


車のニュートラルとはなんなのか、役割と仕組みを解説します。

車のニュートラルの役割

ニュートラルとは英語でneutralで中立という意味です。車をエンジンの力では前進も後退もしない中立な状態に保てます。

似たような状態でパーキングもありますが、役割が明確に違います。ニュートラルは車の動きに干渉しない状態で、パーキングはタイヤをロックして動かないようにしています。詳しくは後述しますが、ニュートラルは車を牽引する際や手動で動かしたい場合、パーキングは駐停車するときに使われるギアです。

ニュートラルは平常時にはほとんど使わないギア、パーキングは日常的に使うギアだということを覚えておいてください。

車のニュートラルの仕組み

ニュートラルは、車のトランスミッション(変速機)とエンジンとの接続を解除している状態です。いくらアクセルペダルを踏み込んでエンジンを動かしても、トランスミッションに力は伝わりません。つまり、エンジンで生み出した力はタイヤに全く伝わらないので、アクセルを踏んでも車は前に進みません。

車のニュートラルの使い方


車のニュートラルを使う場面を3つ紹介します。

車を牽引する時

車が故障などで自走できなくなったとき、牽引やレッカー移動するために使います。牽引やレッカー移動の際、牽引される車はタイヤが接地しているため、ギアをニュートラルにしてタイヤがロックを解除する必要があります。

車を手動で動かす必要がある時

駐車場や狭い場所で車を手動で移動させる必要がある場合もニュートラルが役立ちます。例えば、エンジンをかけたくない状況や、バッテリーが上がっている場合などです。ただし、車があらぬ方向に進んだりわずかな下り坂を勝手に進んでしまったり大きな危険があるため、あくまで緊急用であることに注意して下さい。

マスター巻きを行う時

特殊な状況ですが、牽引のためにウインチを使ったあと、ワイヤーをテンションをかけてきれいに巻き直す「マスター巻き」をするときにも使えます。

重りとなる車のギアをニュートラルに入れサイドブレーキを引き少し抵抗を与え徐々にウインチを回すと、きれいにマスター巻きができます。

車のニュートラルで注意すること


上手に使うと有効なニュートラルですが、いくつか注意点もあります。

使用時はブレーキをかけておく

ニュートラルでは車は自由に動くことができるため、必ずいつでもブレーキを踏める状態にしておくことが必要です。そのため、牽引や手動で車を動かす際でも、運転席に人が乗っていてはいけません。運転手なしでニュートラルにすると、動き出した車を制御できず、交差点に飛び出したり壁にぶつかったり重大な事故につながる可能性があります。

信号待ちや下り坂で使用しない

信号待ちや下り坂でニュートラルを使用することは避けましょう。

信号待ちをはじめとする路上では、いくら自分が気を付けていても周囲の車が追突してくるかもしれません。そのときにギアがニュートラルに入っていると、とっさにアクセルを踏んでも、空ぶかしになるだけで危険を回避できません。また、たとえ危険な場面でなくても、青信号での発進する際、空ぶかしに焦ってギアをドライブに入れ急発進になる可能性もあります。信号待ちではドライブにギアを入れ、ブレーキを踏んでおくことが基本です。

また、下り坂でニュートラルを使うとエンジンブレーキが効きません。エンジンブレーキとはアクセルもブレーキも踏まないときの減速で、エンジンの抵抗を利用しています。ブレーキペダルを踏むフットブレーキだけに頼ると、ブレーキの過熱を招き、フェード現象やペーパーロック現象を引き起こして、制動力の低下および事故につながります。

頻繁に使用しない

ニュートラルを頻繁に使用することは推奨されず、あくまで緊急時のみに使うことに留意してください。AT車はエンジンの回転を利用してトランスミッション内にオイルを循環させています。そのため、ニュートラルを多用しているとオイルが不足し、トランスミッションに負担をかけ、部品の摩耗や故障の原因となることがあります。

ニュートラルは必要な時にのみ使用し、通常の運転時にはドライブやリバースなど適したギアを選択するように心掛けましょう。

燃費は向上しない

ニュートラルをこまめに使用しても燃費の向上は期待できません。特に今のAT車は電子制御によって適切なギアを自動で洗濯してくれます。むしろ、エンジンブレーキが効かずフットブレーキを多用することになるため、ガソリンを燃やして作った推進力を過度に殺すことになり、結果的に燃費が悪化する可能性があります。

燃費を向上させたいのなら、急アクセル、急ブレーキ、急ハンドルの3急運転を避つつ、エンジンブレーキをうまく使うことが有効です。

また、フットブレーキの多用はブレーキパッドの摩耗につながり、通常より交換時期が早くなります。燃費は向上しない、ブレーキパッドは早く減ると、経済的に良い効果は期待できません。

まとめ


車のニュートラルの使い方、仕組み、使うときの状況や注意点を解説しました。

車のニュートラルは、正しく使用することで牽引やレッカーが必要なときなど、緊急時な状況で役立つ機能です。しかし、誤った使い方や頻繁な使用は、車に負担をかけるだけでなく、事故の原因にもなりかねません。燃費を向上させたり楽をしたりするための機能ではないことに注意してください。

この記事で紹介した役割や注意点を理解し、正しくニュートラルを使用することで、安全で効率的な運転を楽しんでください。

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