愛犬とのドライブは、飼い主にとって絆を深めるのにうってつけな時間です。しかし、安全を確保しないと大切な愛犬が危険にさらされる可能性があります。愛犬を自動車に乗せる際には、安全対策を講じるとともに、快適な環境を整えることも重要です。
この記事では、犬を車に乗せるときの正しい乗せ方、誤った乗せ方、注意点を紹介します。愛犬との安全で楽しいドライブを実現するために、本記事を参考にしてみてください。
なお、カーシェアで借りた車にペットを乗せたい場合はこちらの記事も参考にしてください。
犬と車で出かける際の正しい乗せ方とは?
犬と車で出かける際の正しい乗せ方を3つ紹介します。
愛犬をクレートに入れることが最も安全で理想的な方法です。急ブレーキや事故時にペットが投げ出されるのを防ぐために、クレートはシートに固定できるタイプをおすすめします。
クレートは主にプラスチック製のハードタイプと布製のソフトタイプがあります。ハードタイプは重く持ち運びが大変ですが、それだけ安全性が高いです。そのため、車にペットを乗せる場合はハードタイプをおすすめします。
愛犬を助手席に乗せる場合やクレートを嫌がる場合は、ペット用シートやシートベルトを利用しましょう。ペット用シートは、ブレーキ時にペットが飛び出さないよう固定できるタイプを選ぶことが重要です。また、シートベルトはペットの首を引っ張らないようにハーネスタイプがおすすめです。
車が動いていないとき、犬を車内で自由にさせることもあるでしょう。ただ、そのときでもリードをつけておくとドアを開けたときに犬が飛び出すことを防止できます。
ショッピングモールの駐車場など車が多い場所で飛び出してしまったら、周囲の人や大切なペットの命を落としてしまう事故につながる可能性もあります。
誤った犬の車の乗せ方
車に犬を乗せる際、避けるべき誤った乗せ方を5つ紹介します。
愛犬を車内に乗せる際、自由に動けるようにすることは危険なので避けてください。ペットが車内を自由に移動すると、運転中の邪魔になるだけでなく、急ブレーキや事故時に大きな危険を引き起こすかもしれません。
また、道路交通法「乗車又は積載の方法」に違反とみなされる可能性があります。今回の場合だと犬を適した場所以外に載せて走行すると違反になるというもので、普通車で6000円の罰金、1点減点が課されます。
愛犬を膝にのせたまま運転すると、犬を自由に動けるようにしたときと同様に道路交通法に違反しているとみなされます。
もし事故をしたときに人間とエアバッグの間に犬が挟まれてケガをするケースも実際に発生しています。法律違反であるだけでなく、愛犬の体を守るためにも、膝の上に乗せて運転することは避けてください。
愛犬を助手席に乗せることも危険です。助手席にペットを乗せると、運転中に飼い主の注意をそらす可能性があります。また、急ブレーキ時に投げ出されたり、エアバッグとシートの間に挟まれて愛犬がケガをするリスクも高まります。
愛犬が窓から顔を出した状態で運転すると道路交通法「運転者の義務(安全運転の義務)」に違反とみなされる可能性があります。この法律は「他人に危害をおよぼさない速度と方法で運転しなければいけない」という内容です。急ブレーキ時に愛犬が窓から飛び出す恐れがあるため違反とみなされるということです。普通車の場合6000円の罰金、1点減点が課されます。
車内に放置された犬は高温による熱中症の危険に晒されます。窓を少し開けて空気を入れ替えているから大丈夫、真夏ではないから大丈夫、という考えが愛犬の危機につながります。
JAFの調査結果によると、気温が23.3℃の日でも車内温度は48.7℃まであがります。なお、気温23℃は6月の東京の最高温度と同等です。さらに、犬は汗をかくことができないため、人間より熱中症になりやすいといわれています。
人間にとって気持ちのいい気温でも、車に閉じ込められた犬にとっては危険な暑さとなります。決して愛犬を車内に放置せず、安全で快適な状態を確保しましょう。
犬と車で出かける際に注意すること
犬と車で出かける際に注意することを5つ紹介します。
車内の温度が犬にとって快適な範囲内になるように、エアコンを適切に調整してください。特に夏場は熱中症のリスクが高いので、十分に冷房をかけましょう。クレートの中やラゲッジスペースは熱がこもりやすいので、強めに冷房をかけたり空気の通り道をふさがないようにするなど工夫するとより効果的です。
長時間のドライブでは犬にとってトイレの我慢がストレスとなります。定期的にトイレ休憩を取り、その際は水分補給も忘れずに行いましょう。ドライブ前にトイレを済ませておくと、より愛犬がストレスを感じずにいられるでしょう。
犬も人間と同様に車酔いをします。走行中の揺れ、におい、ストレスや過去の車酔いの記憶などが原因です。以下の車酔い対策を試してみてください。
- 満腹、空腹を避ける
- 事前の散歩で体力を使い、車内で眠らせておく
- 2時間ごとに休憩をとる
- 急発進・急停止。急ハンドルを避ける
- 芳香剤を使わない
ドアロックやウィンドウロックを怠らないようにしてください。犬が突然ドアを開け飛び出したり、窓から頭を出すことを防ぐことが目的です。チャイルドロックを使うのも効果的でしょう。
子犬のうちから車に慣れさせるためのしつけをしてください。ゆっくりめの運転から始めて徐々に車に慣れさせ、車は怖いところではないと覚えさせることが大切です。犬にとってポジティブな経験を積み重ねましょう。
まとめ
犬を車に乗せるときの正しい乗せ方、誤った乗せ方、注意点を紹介しました。
車内ではクレートやシートベルトで固定する、車内の温度管理に気を付ける、短時間だからといって車内に放置しないなど注意するべきポイントがいくつかあります。
この記事で紹介したポイントを守り、犬とのドライブを安全かつ快適に楽しみましょう。