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車のオーバーハングとは?長さによるメリット・デメリットを徹底解説

2022.07.31

車の運転しやすさや事故をしたときの耐久性、見た目の印象はその形によって大きく左右されます。
特に、オーバーハングと呼ばれる車の先端(後端)から前輪(後輪)車軸の中央部の長さはそれらに大きく影響します。

フロントとリアのオーバーハングの長さが車の性能にどのような影響を与えるかを知れば、自分が求める車を選択しやすくなります。
思ったより運転しにくかった、安全性が低そうで怖い、なんて後悔もなくなるでしょう。

そこで今回は車のオーバーハングについて基本知識からフロント・リアそれぞれの長さの性能に与える影響、ちょっとした豆知識を紹介します。
オーバーハングのことを知って自分が欲しい車はどんな車なのかを検討する材料にしてください。

車のオーバーハングとは?


オーバーハング(overhang)は日本語で「突出部」という意味です。
建築用語でいう屋根の張り出し、登山用語でいう傾斜60°を超える岸壁など様々な業界で使われる言葉です。

車でいうオーバーハングも突出部のことで、フロント側とリア側に分けられます。

フロントオーバーハングとは?

フロントオーバーハングとは車の先端から前輪車軸の中央部までの長さのことです。

リアオーバーハングとは?

フロントオーバーハングとは逆で、リアオーバーハングは車の後端から後輪車軸の中央部までの長さのことです。

オーバーハングの長さによるメリット・デメリットとは?


オーバーハングの長さは車の運転しやすさ、事故をしたときの耐久性、見た目の印象に大きく影響を与えます。

オーバーハングは長ければ、もしくは短ければいいというわけではありません。
乗る人によって車に求めるものが異なるため、適切なオーバーハングの長さは人それぞれです。

以下にフロントとリアそれぞれでオーバーハングの長さが変わったときのメリット・デメリットを紹介します。

フロントオーバーハングが短いメリット・デメリット

フロントオーバーハングが短いメリットは運転しやすさがアップすることです。
運転席から車の先端が見やすくなるため、障害物にぶつかる心配が少なくなります。
見た感じコンパクトな印象を与えることも、人によってはメリットとなるでしょう。

逆にデメリットは安全性が低くなること。
車には変形しやすい構造をした空間という意味の「クラッシャブルゾーン」という考え方があります。
正面から物に衝突したときに発生するエネルギーはクラッシャブルゾーンが潰れることで消費されるため、乗客のいる車内に及ぼす力が少なくなります。
オーバーハングが短いとクラッシャブルゾーンも小さくなるため、車内にまで及ぶエネルギーが大ききくなってしまいます。

事故をした軽自動車が室内まで潰れやすいのも、フロントオーバーハングが短いことが要因のひとつです。

フロントオーバーハングが長いメリット・デメリット

フロントオーバーハングが長いと車の安全性が高まります。
短いときと逆でクラッシャブルゾーンが大きくなるため衝撃を吸収しやすいためです。

デメリットとしては、車の先端が見にくくなるため慣れないと運転しにくいこと、カーブ時の安定性が低下することです。
フロントオーバーハングが長いとそれだけ重量が増すため、曲がるときに左右に振られやすくなります。

リアオーバーハングが短いメリット・デメリット

リアオーバーハングが短いとミラーで車の後部を確認しやすくなるためコーナーが曲がりやすくなります。
重量が減って左右に振られにくくなるのもうれしいメリットです。

デメリットとしては荷室が狭くなることです。
運転しやすさを求めてリアオーバーハングを短くしつつ室内スペースをある程度確保しようと思ったら、どうしても荷室の広さが犠牲になってしまいます。

リアオーバーハングが長いメリット・デメリット

リアオーバーハングが長いと荷室を大きく確保できます。
荷物を載せる機会が多い車としてタクシーを例に挙げると、今はハッチバックのものも増えましたが、昔はリアオーバーハングが長いセダンタイプばかりでした。

リアオーバーハングが長いデメリットはカーブが難しくなることです。
車の後部が飛び出ているため、カーブ時に思ったより膨らんでしまいます。
リアオーバーハングが長い車に乗るときは、できるだけ曲がりたい方向に寄ってから曲がることが膨らまないコツです。

オーバーハングの豆知識


オーバーハングの豆知識として以下の3点を紹介します。

  • オーバーハング現象とは?
  • オーバーハングとホイールベースの関係
  • オーバーハングの算出方法

オーバーハング現象とは?

オーバーハング現象とはカーブを曲がるときに車の後部が外側に膨らむ現象です。

トラックや工事用車両などリアオーバーハングが長い車がカーブを曲がるのを見て、思ったより左右に膨らんでいると気がついた方もいるかもしれません。
車の後部が飛び出ているためどうしても膨らんでしまいます。

リアオーバーハングが長い車が前にいてカーブを曲がろうとしていたら、横ギリギリをすり抜けると接触する可能性が高いです。
すり抜けられるかな?と思っても落ち着いて停車し、前の車がカーブし終わるのを見届けてから走り出しましょう。

オーバーハングとホイールベースの関係


ホイールベースとは前輪と後輪の車軸中央間の距離のことです。
ホイールベースが長いと安定性が増す代わりに小回りが効きにくくなります。

車体の全長はフロントオーバーハング+ホイールベース+リアオーバーハングで計算できます。

オーバーハングの算出方法

車の諸元表を見てもオーバーハングは書いていないことが多いでしょう。
ただ、ホイールベースと全長は記載があるため、それらを利用すればオーバーハングが算出できます。

例えば、トヨタのクラウンの全長は4,895mmでホイールベースは2,850mmです。
そのため、オーバーハングは全長-ホイールベース=2,045mmだと分かります。
参考にプリウスのオーバーハングが1,780mmなので、クラウンはプリウスよりもオーバーハングが大きくカーブが曲がりにくい可能性があると分かります。

この算出方法ではフロントとリアのオーバーハングをそれぞれ算出することはできないので注意してください。
詳細に知りたい方は、実際にメジャーを持って測ってみるとよいでしょう。

まとめ


自動車のオーバーハングについて解説しました。

長さによってメリット・デメリットがあるため、一概に長いほうがいい短いほうがいいとは言えません。
それぞれの方が車に何を求めるかによってどちらがいいかは変わります。

ただ、リアオーバーハングが長い車はカーブ時に外に膨らむことは安全に直結するため覚えておきましょう。

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