もし両親が若いころのように自在に運転ができなくなってきた、危険を感じると言ってきたら、あなたはどうしますか?
または、運転の判断力が鈍ってきたと感じときがある。知り合いから「運転免許を返納した。」という話を聞く機会があった。という経験を自身でされたという方も中にはいるかもしれません。
体力の低下や年齢による身体機能・運転技術の低下により危険を感じる機会が増えた、運転する機会が少なくなってきたならば、運転免許証返納も選択肢の一つです。
しかし急に車のない生活にかわってしまうことは誰しも不安です。
今回の記事では、そんな本人・家族の心配を少しでも解消できればと思っています。
いつ返納する人が多いのか、また返納することによるメリットについてもご紹介します。
最後には具体的な返納方法についてもご紹介します。
運転免許証の自主返納とは?
免許証の自主返納は、加齢を伴わなくとも免許が不要であれば可能です。
ここでは免許証を返納するタイミングや平均年齢、返納率について確認します。
一つの判断材料にしていただければと思います。
運転免許を返納するタイミング
免許を返納しようと考えるタイミングは個人によって様々ですし、本人が自発的に返納を考えるとは限りません。
例えば加齢による身体機能の低下等により、運転に不安を感じたことが理由かもしれませんし、若くとも単純に免許が不要という方もいるでしょう。
年齢による返納であれば家族からの説得や友人が返納をしたことで、自身にも身近な話題だと知ることが大事です。
また70歳を超えると更新時に高齢者講習が必要で更新期限も短くなり、面倒に感じられるかもしれません。
自分の身内に返納を進めるか迷っているならば、まず本人の考えを聞いてみて下さい。
返納にあたっては本人の意思も重要ですが、家族友人からの返納の必要性がないか、客観的なアドバイスも重要になります。
運転免許返納者の平均年齢
あくまで平均ではありますが、警察庁による運転免許統計(平成30年度)を参考にすると返納者の平均年齢は76.9歳となります。80歳前が一つの判断基準になっているようです。
当然若くとも必要が無ければ返納する人もおりますので、年齢によって返納する必要があるという訳ではありません。
運転免許の返納率
平成30年度の返納数は60万件強となり、年齢によって返納率には差がでてきます。
比較的返納率の高い年齢層ごとに、65歳以上で約3.1%、75歳以上で約6.1%、85歳以上で約14.4%となります。
(警察庁、運転免許統計平成30年度参照)
運転免許を返納するメリット
返納には車の運転が出来なくなる、便利な身分証明書がなくなる、というデメリットが存在します。
しかしメリットも多くあるということを紹介したいと思います。
事故のリスクを回避
そもそも運転は事故のリスクと隣り合わせです。
人に迷惑をかけるだけでなく、自身も大きなケガをする恐れがあります。
裁判となれば、時間だけでなく体力も精神もすり減らします。
そういったリスクを無くすことが可能です。
維持費がなくなることによる金銭面の余裕
車両の維持には車検・税金・燃料・整備費・保険代などがついて回りますが、それらコストがなくなることで金銭的な余裕ができます。
自治体ごとに様々な特典が付く
ご存じない方も多いですが、自治体は返納率を上げつつ、何より返納者に不便をさせないための特典をつけています。一部になりますがご紹介します。返納に年齢制限はないものの、特典によっては対象年齢がありますので各自治体HPにて確認をお願いします。
- 返納手続き後5年以内であれば、運転経歴証明書を受領可能で、免許証のように身分証明書として扱うことができます。
- 公共交通機関の割引特典が用意されます。公営バス・電車、タクシー運賃の割引なども受けられます。
- 対象となる銀行で金利優遇を受けられます。より有利な金利で預け入れができます。
- 宿泊施設や旅行、ボーリング場の割引なども受けることが可能です。友人とのお出掛けや楽しみを推進してくれる、嬉しいメリットです。
- 補聴器や家電品(一部家電チェーン)の割引サービスも存在します。日常生活のサポートはありがたいサービスです。
- 以上は生活の中で利用するサービスですが、墓石・仏壇・葬儀といった仏事の割引も受けることができます。自身や家族の終活について考えるきっかけになるかもしれません。
上記の紹介例は主に東京都を参照にしていますが、ご当地によってサービスも様々です。
是非、お住まい地域の特典についても調べていただければと思います。
運転免許返納の手続き方法
次に返納の手続き方法についてご紹介します。
難しい手続きではありませんが、きちんと家族や親しい人と相談の上、進めていくと良いでしょう。
運転免許返納をする場所
運転免許センター、運転免許試験場、警察署内運転免許試験場にて手続き可能です。
運転免許返納に必要なもの
返納のみであれば運転免許証を持参すれば大丈夫です。
代理人による運転免許返納方法
代理人に手続きを行ってもらう場合は書類が増えます。
- 返納する本人の運転免許証
- 委任状
- 代理人の本人確認書類
運転経歴証明書の発行方法
免許証返納時に発行することも可能です。返納窓口にて申請書を記入しましょう。
持ち物としては以下になります。
- 運転免許証
- 申請用写真(現地で撮影)
- 手数料(例:東京都1,100円)
運転免許返納で気を付けること
免許の返納を決め、いざ返納となった際にやってしまいがちなミスについてまとめていきます。
返納場所へ運転して行かない
運転免許証、帰りには所持していません。
帰りに運転すれば無免許運転ですし、誰かに車両を取りに来てもらうことになります。
名義変更を忘れずに
車両を譲渡するのであれば、免許があり車で移動できる間に行っておくと良いでしょう。
返納後の運転はできません。
手続きに伴う移動で不便を感じる為、早めに名義変更は進めておくことをおすすめします。
まとめ
自分にはまだ先の話と思うかも知れませんが、自身の親御さんの運転に不安を覚える方も多いのではないでしょうか。
返納のきっかけは家族の説得という方も多いようです。
将来的に免許をどうするのか、家族内で話し合いをするとよいかもしれません。
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