自動車にとって雨は決していいものではありません。高い湿度、不純物の混じった水滴などが自動車にダメージを与えます。
梅雨は他の時期に比べても自動車のコンディションへの気配りが重要になる季節です。安全で快適なドライブを実現するためにも、梅雨時に必要なメンテナンスを把握し実践しましょう。
梅雨の時期のメンテナンスの必要性
梅雨の時期の特徴といえば、高い湿度・降り続く雨・路面の水たまりなどです。それらは下記の3つの理由で自動車にダメージを与え、運転を困難にし、快適なドライブを阻害します。
汚れの付着
雨が降って乾いたボディに黒い汚れが付着しているのに気が付いた方もいるでしょう。雨滴は無色透明ですが、水だけでなく油やホコリ・黄砂などの不純物が含まれており、それらがボディに黒い汚れとして付着して見栄えを悪くします。
また、酸性雨も自動車の塗面を劣化させる大きな原因です。
視界不良
雨天時はフロントガラスやミラーに付いた水滴が視界を悪くします。いくらワイパーで水滴を拭っても晴天時のように視界良好にはなりません。
また、雨の日は昼間でも暗くて運転が怖いと感じる方も少なくないでしょう。
ハイドロプレーニング現象
ハイドロプレーニング現象は走行時に水たまりの上をスキーのように滑ってしまう現象で、事故の原因になります。
通常、タイヤの溝が路面を覆う水を排水してくれるのでタイヤゴムと地面がしっかりと接地します。しかし、高速走行時や水の量が多いとタイヤの溝では排水しきれずに水の上を滑ってしまいます。
梅雨時期の車のメンテナンス方法
上記のような梅雨にありがちな現象は、自動車のメンテナンスの実施で防止が可能です。下のようなメンテナンスをして梅雨に備えましょう。
ボディ部分
ボディのメンテナンスは定期的な洗車です。前を走行している自動車が跳ね上げた水滴や雨粒自体には油分・黄砂・ホコリといった不純物が含まれており、塗面を痛めます。ボディに水滴の形に黒ずみが残って見た目も悪くなります。
雨が降るたびに洗車するのが理想ですが、現実的ではありません。見た目で汚れが気になったり、ボディを触ってザラつきを感じたら洗車を考えてみてください。
ガラス部分
ガラス部分は撥水コーティング剤を使いましょう。自動車を走らせたときの風で水滴が飛んで視界がクリアになります。
撥水コーティング剤の前に、市販の油膜取り用のシートや洗剤で油膜を除去するのも有効です。対向車のヘッドライトのギラツキが軽減され、運転の快適性がアップします。
ワイパー
ワイパーは雨天時の運転の快適さに直結します。直射日光に晒されるため意外と劣化が早いので梅雨に突入する前にワイパーの状態をチェックしてみてください。
ワイパーゴムが半年〜1年、ワイパー本体は2年程度が交換時期の目安です。交換時期がきてなくても、雨の拭き取りが甘くなったり異音がするようになったら交換をお勧めします。
タイヤ
磨り減ったタイヤは排水する力が弱くなってハイドロプレーニング現象の原因になります。タイヤのスリップサインを見て、十分な溝が残っているかチェックしてください。
また、適切な圧の空気が入っていることも確認しましょう。空気圧が低くても排水がうまくいかずハイドロプレーニング現象を引き起こします。
ミラー
意外と忘れがちなミラーも雨対策しておきましょう。雨を弾き飛ばす撥水ではなく、雨を一面にベタッと貼り付ける親水タイプのコーティング剤がおすすめです。ミラーは走行中も風が当たりにくいため、撥水タイプのコーティング剤ではうまく水滴をはじきとばせません。
その他
梅雨の時期はガラスの汚れを落とすウォッシャー液の補充、湿度を下げて曇りを取るエアコンのフィルター交換といったメンテナンスもやっておきたいです。
梅雨に突入する前に自動車全体の一通りのチェックを済ませておくと、快適にドライブできるでしょう。
梅雨時期の車に起こりやすいトラブルへの対処方法
次に、実際に下のようなトラブルが起こったときの対処法を紹介していきます。
ガラスの結露やくもり
梅雨時の結露やくもりの原因は空気中の水蒸気です。車内の人間の呼気などに含まれる水蒸気がガラスに付着して結露やくもりを引き起こします。
フロントガラスは下の画像にあるデフロスターを使えば、ガラス付近の空気が強制的に乾燥されてくもりがなくなります。リアガラスのくもりはデフォッガーで同様に除去できます。
車内の臭いやカビ
梅雨時の高い湿気は、車内の臭いやカビの原因になります。晴天時に窓やドアを開けて車内を乾燥させましょう。
消臭スプレーを使ったりカーエアコンの送風を使うのも効果的です。車内の空気を入れ替えたり湿気を取ることを意識してみてください。
梅雨対策で安全安心なドライブを実現しよう
梅雨は自動車の状態や運転の快適性を悪くします。劣化したタイヤで水たまりを走行するとハイドロプレーニング現象でツルッと滑ってしまったり、安全性の減少も引き起こします。
是非とも梅雨に突入する前に、愛車の状態を一通りチェックしてみてください。