悪天候時の運転でなくてはならない存在のワイパー。実は様々な種類があることをご存知でしょうか?
大きく分けてワイパー本体だけで3種類、ワイパーゴムで4種類と選択肢が多くあります。
それぞれ得意・不得意な場面があるので、各々に適したワイパーを選べれば見た目と性能面でより満足できるでしょう。
今回はワイパーとワイパーゴムの種類や選び方を解説します。
ワイパーは消耗品です。
ちょうど取り替えるタイミングの方はぜひ本記事を参考にし、好みや目的にあったワイパーを選んでください。
ワイパーは主に3種類
ワイパーは車体に近い方からワイパーアーム、ワイパーブレード、ワイパーゴムという部品に分けられます。
その中でもワイパーブレードとワイパーゴムは消耗品なので定期的な交換が必要です。
ワイパーブレードの役割はワイパーゴムをガラス面に押し付けること。
そして、形によって以下の3種類に分けられ、それぞれ性能も違います。
- トーナメントワイパー
- フラットワイパー
- デザインワイパー
それぞれ特徴を紹介します。
トーナメントワイパーの特徴
トーナメントワイパーは最も多くの日本車に標準で装着されているタイプのワイパーです。
複数の金属パーツを組み合わせて作られており、トーナメント表のように枝分かれしていることが名前の由来です。
トーナメントワイパーのメリットは以下のようなものが挙げられます。
- 全体に均一に力がかかり骨組み自体の強度も高いため、歪みにくい
- 曲線にフィットしやすい
- ブレードとゴムと分けて交換でき、交換費用が安い
ブレードに骨が多くあるため、力を均一に伝えられて本体の強度も高めです。
ブレードとゴムが別々に交換できるのも大きなメリット。ブレードに比べてゴムは劣化が早いので、それぞれ適したタイミングで取り替えられます。
一方、主なデメリットは以下の2点です。
- ごちゃごちゃした見た目が好きでない人もいる
- 細かい部分の掃除がしにくい
性能はよく安いが見た目が人を選ぶというイメージです。
ワイパーは安く済ませたいという方にオススメです。
フラットワイパーの特徴
フラットワイパーは1999年にドイツの自動車機器メーカーであるボッシュによって開発されたワイパーです。
欧州車でよく見かけるタイプで、近頃は日本車にも装着されるようになってきました。
ワイパーブレードとワイパーゴムが一体化しているタイプもあり、ガラス曲面に沿ってよくしなることが特徴です。
フラットワイパーが持つメリットは以下の通りです。
- ガラスへよく密着して、高速走行でも浮きにくい
- 見た目がシンプルでスッキリしている
ドイツには速度無制限の高速道路であるアウトバーンがあります。
ドイツで生まれたフラットワイパーは高速走行時にも拭き取り性能を十分に発揮するように設計されています。
トーナメントワイパーと比較して部品数も少ないのでスッキリして見た目がいいのも、ビジュアルを気にする方にとってはうれしいメリットです。
一方、デメリットは以下のようなものがあります。
- ブレードとゴムの片方だけ交換できないタイプもある
- 交換費用が高い
ブレードとゴムが一体化しているタイプも少なくありません。
ブレードはまだまだ使えるのにゴムが劣化したから丸ごと取り替えなくてはいけない、という事態に陥りがちです。
「値段は多少高くなってもいいからカッコいいワイパーが欲しい」と考える方にオススメです。
デザインワイパーの特徴
デザインワイパーはトーナメントとフラットのいいとこ取りのワイパーです。
以下のようなメリットがあります。
- 高速走行でも浮きにくい
- 曲面によく沿うため拭き取り性能が高い
- デザインがシンプルで万人ウケする
トーナメント構造を元にフラット構造のメリットを取り入れたというイメージです。
一方、デメリットは以下のようなものがあります。
- 価格が高い
- 交換費用も高い
価格、交換費用ともにトーナメントワイパーより高価です。
フラットワイパーと同じく、値段より見た目を重視する方にオススメです。
ワイパーゴムは主に4種類
ワイパーゴムには用途や素材によって主に以下の4種類に分けられます。
- スタンダードワイパー
- グラファイトワイパー
- 撥水ワイパー
- 雪用ワイパー
それぞれ解説します。
スタンダードワイパーの特徴
スタンダードワイパーはほとんどの自動車の購入時に取り付けられているワイパーゴムです。
安価である代わりに大きな特徴はなく、標準的な性能を持っています。
グラファイトワイパーの特徴
グラファイトワイパーはゴムの表面がグラファイト(炭素から成る鉱物)でコーティングされているワイパーゴムです。
グラファイトコーティングのおかげで摩擦抵抗が減るため、ガラスの撥水コーティングの劣化を防いだり、ガガガッと鳴るいわゆる「ビビリ音」を防ぐ効果があります。
スタンダードワイパーより高価ですが、ガラスのコーティングが保護されるため結果として安価になることも少なくありません。
撥水ワイパーの特徴
撥水効果を付与したワイパーゴムです。
グラファイトワイパーよりさらに値段は高いですが、ガラスに撥水コーティングしなくて良いので手間を大きく削減できます。
撥水ワイパーゴムを使うときはブレードも専用のものを使うとさらに効果が期待できます。
雪用ワイパーの特徴
雪や寒さに強い特殊な素材で作られているワイパーゴムで、低温でも硬化しにくいのが特徴です。
雪用ワイパーを使うときは雪用ブレード(可動域が少なかったり金属部分が保護されている)も同時に使うことをオススメします。
ワイパーの選び方
最後に、ワイパーはどのように選んだらいいのかを紹介します。
選び方1.自分の車に適合するか
車にはどんなワイパーでも装着できるわけでなく、指定のものがあります。
車の車種や年式などの情報をもとに、ネットやカー用品店のワイパーコーナーに置いてあるのカタログで調べられます。
自分の車のことだけど分からない!という方も、車検証を見れば必要な情報は分かるので安心してください。
選び方2.純正か市販か
純正であれば新車のときと同じような使い心地で使えますし、市販のものであれば好みに合わせて様々なワイパーを選べます。
どちらが優れている・劣っているといったものはないため、どちらにするかはその人の好み次第です。
選び方3.何を優先するのか
ワイパーブレードとワイパーゴムは形状や素材によって性能が違うため、何を優先するかで選ぶものが変わります。
見た目を重視するならフラットワイパー、価格を重視するならトーナメントワイパーなどです。
純正か市販かを選んだときのように、好みに合ったものを選んでください。
選び方4.ワイパーゴムは長さに注意
ワイパーゴムはワイパーブレードの長さと合わせなくてはいけません。
車ごと、そしてリアとフロントでもブレードの長さは異なるので注意してください。
長さが分からないときはメジャーで測るのが最も確実でしょう。
純正から変えていないのであれば、ネットやカー用品店に置いてある自動車の標準装備一覧表でも簡単に調べられます。
不安であれば、お店の方に聞いたり交換を依頼すると失敗がないので安心です。
まとめ
ワイパーとワイパーゴムの種類や選び方を解説しました。
ワイパーは消耗品なので交換する機会が誰にでもあります。
ワイパーコーナーに行って種類の多さに困ってしまうことのないよう、この記事を参考にしてください。
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