近年、例えばテスラやGoogleが分社化したWAYMOなどを筆頭に、世界中の様々な企業が自動車の自動運転技術を研究しています。
日本も負けておらず、実は日本製の自動運転車が公道を走っていることをご存じでしょうか?
例えば日産のプロパイロットを搭載した自動車がそれに当たります。
ただ、家から目的地まで全て自動運転でいけるわけではなかったり万能ではないので、どんなものなのか知識をつけてから試してみないとガッカリするかもしれません。
そこで今回は、プロパイロットの基礎知識とメリット、注意点、実際に搭載している車種を3つ紹介します。
この記事を読んで、夢の完全自動運転車に向けて現状はどのレベルまで進んでいるのかを感じてみてください。
プロパイロットとは?
プロパイロットとは日産の自動運転技術です。
その内容を以下の項目に分けて解説します。
- プロパイロットの機能とは?
- プロパイロットとアイサイトの違い
- プロパイロットは3種類存在する?
- プロパイロットで自動運転は可能?
- プロパイロットができること
プロパイロットの機能とは?
プロパイロットの機能は高速道路走行時に車がルート走行してくれるものです。
アクセルを操作する必要もありません。
ひとくちに自動運転といっても、その性能によって以下の0〜5レベルに分かれています。
- レベル0:運転自動化なし
- レベル1:運転支援(人が主体で操作し、使える状況が限定的)
- レベル2:部分運転自動化(人が主体で操作し、使える状況が限定的)
- レベル3:条件付き運転自動化(システムが主体で操作し、使える状況がより限定的)
- レベル4:高度運転自動化(システムが主体で操作し、使える状況が限定的)
- レベル5:完全運転自動化(システムが主体で操作し、全ての状況で使える)
プロパイロットはこのレベル分けではレベル3に近いレベル2にあたります。
プロパイロットとアイサイトの違い
自動運転技術は各社で呼び方が違っていて、アイサイトはスバルが研究開発しているものです。
アイサイトもプロパイロットと同じで自動運転レベルはレベル2にあたります。
両者の大きな違いはハンズオフ可能な速度です。
最新のプロパイロット2.0は最大120km/Lでも作動しますが、アイサイトは50km/L以下でしか使えません。
アイサイトは渋滞時の自動運転ということで使用できる場面が制限されています。
ただ、アイサイトの方が安く抑えられているため、どちらがいいかは難しいところです。
プロパイロットは3種類存在する?
プロパイロットは過去に数回リニューアルしており、大きく以下の3つに分けられます。
なお、公式では1.0と2.0で、1.5はユーザーの間での呼び方です。
- プロパイロット1.0:2016年に発表。ナビ連動ルート走行、ハンズオフなし。
- プロパイロット2.0:2019年に発表。ナビ連動ルート走行、ハンズオフあり。
- プロパイロット1.5:2020年のノートに搭載。プロパイロット1.0の強化版。
プロパイロットの目玉であるハンズフリー走行は2.0になって登場しました。
プロパイロット1.5は2.0より後に登場しました。ナビリンク機能付きプロパイロットとも呼ばれ、プロパイロット1.0をナビと連携させたものです。
フロントカメラで標識を確認して制御する機能が追加されたことが、1.0との大きな違いです。
なお、ハンズオフはできないので注意してください。
プロパイロットで自動運転は可能?
家の駐車場から目的地まで、というわけにはいきませんが、プロパイロット2.0なら高速道路での自動運転が一定条件下で可能です。
ハンズオフとはいえスマホを触りながらや居眠りしながら運転できるわけではなく、いつでもハンドルを確実に操作できる状況でないと自動運転は作動しません。
レベル5である完全運転自動化は、日本では2025年から2030年代を完成の目標に掲げているメーカーが多くあります。
プロパイロットができること
プロパイロット1.0では高速道路で以下のことができます。
- 先行車追従・停止・停止保持
- ハンドル支援(車線の中央付近を走行できるように自動制御)
- ナビリンク機能(2020年12月発売ノートから搭載)
プロパイロット2.0ではさらに進化して以下のことができます。
- ハンズオフドライブ
- 車線変更追い越し支援(ハンドルのボタンを押すと自動で追い越し)
- ナビ連動ルート走行(ナビにセットしたルートに沿って高速道路の出口までアシスト)
プロパイロットのメリットと注意すること
続いて、プロパイロットのメリットと注意することを紹介します。
プロパイロットのメリット
プロパイロットのメリットは以下の通りです。
- 運転手の負担軽減
- 事故防止
プロパイロットは運転手に安心感を与えられるため、精神的にも肉体的にも負担を軽減してくれます。
加えて、事故の大きな原因であるヒューマンエラーを少なくできるため事故防止にもつながります。
プロパイロットで注意すること
注意したいことは以下の点です。
- 脇見運転やぼんやり運転していいわけではない
- 悪天候では適切に動作しない可能性がある
プロパイロットはいつでもアクセル・ブレーキ・ハンドルを操作できる状態にして安全運転を心掛けなければいけません。
また、多少の雨なら問題ありませんが、ひどい悪天候だと適切に動作しない可能性もあります。
プロパイロット搭載の車種3選
プロパイロットは例えば以下の日産車に搭載されています。
- スカイライン(プロパイロット2.0)
- ノート(プロパイロット1.5、ナビリンク機能対応)
- ルークス(プロパイロット1.0)
スカイライン(プロパイロット2.0)
スカイラインは1957年に初代が発売されて現在は12代目となる超ロングセラーの車です。
プロパイロット2.0を搭載しており、まさに時代とともに進化する日産を代表する車という位置づけです。
ノート(プロパイロット1.5、ナビリンク機能対応)
ノートは日産のハイブリッド機能であるe-POWERを搭載した車です。
普通のハイブリッドはガソリンエンジンの補助としてモーターがありますが、e-POWERはモーターの補助としてガソリンエンジンがあるところがユニークです。
少々高価ですが、燃費性能がよいことが特徴です。
ルークス(プロパイロット1.0)
ルークスは日産が三菱と共同開発している軽自動車です。
一般的に軽自動車は価格を落とすために最新機能は付けない傾向にありますが、日産は1.0とはいえ軽自動車にもプロパイロットを装備しています。
高速走行が苦しい軽自動車にはありがたい装備です。
まとめ
プロパイロットがどんな機能なのかを解説しました。
一定条件下だけとはいえハンズオフまでできる車は、思い描いた未来の車のようなわくわく感も与えてくれます。
完全自動運転車が世に出てくるのも非現実的ではないのかもしれません。
この流れにのってみたい方は、ぜひプロパイロットを試してみてください。
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