皆さんはオフロードといえば何を思い浮かべますか?
砂浜や砂利道、または林道などオフロードには様々な道がありますが基本的には舗装されていない道路全般のことを指します。
ではそのオフロードを走るための車といえばどのようなものを想像するでしょうか。
車高が高く、大きなタイヤで多少の障害物であれば難なく乗り越えていく、そういうイメージを持っている方も多いと思います。
実際のところ、日常生活では通行することがないような悪路を走行するためには4WD車やタイヤの交換が必要になります。
今回はそんなオフロード車について特徴や種類の解説と、オフロード用のタイヤについても詳しく解説していきます。
オフロード車とは?
一言にオフロード車と言っても具体的には普通の車とどこが違うのでしょうか。
例としてファミリーカーであるミニバンと比べてみると、ミニバンは乗り降りをしやすくするために車高が低くなっているのに対して、オフロード車は凹凸のある道を走る時に地面と車体が接触することを防ぐために車高が高くなっています。
続いてタイヤの違いですが、ミニバンに限らず街乗りを想定されている車は凹凸が少なく乗り心地や低燃費性を重視したタイヤを装着しています。
オフロード車は未舗装路での地面との摩擦を高めるために凹凸のあるブロックタイヤを装着する場合が多いですが、燃費や乗り心地が悪くなるといったデメリットもあります。
他にも細かな違いはいくつかありますが、主な違いはこの2つではないでしょうか。
そもそもオフロードってなに?
聞き慣れないかもしれませんが、日常生活で使用する道路や高速道路はオンロードと呼ばれ、アスファルト等で舗装されている道路を指します。
それに対して舗装されていない道路、つまり砂利道や砂浜のことをオフロードと呼びます。
そして季節や天気の状況等によって舗装されている道路でもオフロードになる場合があります。
例えば冬には路面の凍結や積雪によりタイヤが滑りやすくなったりスタックしてしまうこともあれば、夏場は台風などによる大雨で道路が冠水してしまったりすることも考えられます。
このように道路の状況が悪く、通常時と異なる場合は舗装路でもオフロードと呼べるでしょう。
オフロード車の特徴
車高の高さと大きなタイヤがオフロード車の主な特徴ですがそれだけではありません、急勾配の坂道を登るためのパワーの強いエンジンや、そのパワーを効率良く地面に伝えるための4WDも特徴です。
悪路走行を想定しているのでフレームやボデーが頑丈に作られていて、耐久性が非常に高いということも特徴のひとつです。
本格的なオフロード車は、フレームやサスペンションが他の車種とは違う構成で作られていたりもするのでこだわりのある方はこういった外から見えないところにも注目します。
そして車高が高いことによって運転中の目線が高く、周囲を見渡しやすかったり長時間の運転でも疲れにくいなどの利点もあります。
少し前まではオフロード車といえば大きな車体のものが多かったですが、最近ではコンパクトな車体のオフロード車も販売されるようになってきていて、その運転のしやすさから女性や運転の苦手な方からも人気を得ています。
オフロード車の種類とタイヤ
さてここまでオフロード車に共通する特徴について解説しましたが、オフロード車にも種類がいくつかありそれぞれに特徴があります。
本格的に林道などを走るためのオフロード車もあれば、主に街中を走ることを想定されたオフロード車もあります。
最近ではオフロード車全般のことをSUVと呼ぶことも多いですが、細かいところに注目してみると少しずつ違いがあることが分かります。
続いてはそんなオフロード車の車種ごとの違いについて見ていきましょう。
SUV
最近耳にすることが多くなった言葉の1つとしてSUVというものがありますが、これはSport Utility Vehicleの略称でオフロード車全般のことを指します。
そして「コンパクトSUV」や「ミドルサイズSUV」または「フルサイズSUV」など、SUVの中でもサイズによって呼び分ける場合もあります。
SUVは後ほど紹介する「クロスカントリー4WD」などと比べると、主に街乗りを想定して乗り心地が良いように設計されていたり、普段使いに嬉しい機能が装備されていることが多くなっています。
そしていざというときにはSUVならではの悪路走破性を発揮して安定した走りが可能になり、突然の雪などでも立ち往生やスタックの心配も少ないでしょう。
レジャーやスポーツなどに出かける際の荷物がたくさん載せられるように、ラゲッジスペースがある程度広く確保されているというのも特徴のひとつです。
クロスカントリーSUV
SUVとクロスカントリー4WDの中間に位置するのがクロスカントリーSUVです。
SUVは人によって定義が違う場合も多いので一概には言えませんが、街乗りをメインにしたSUVと、本格的なオフロード走行をするクロスカントリー4WDの中間がクロスカントリーSUVというイメージで良いでしょう。
街中での走行に重点を置いたものがSUVとするとそれよりも少しオフロード寄りで、未舗装路にもより安心して入っていけるというところが特徴ではないでしょうか。
クロスカントリー4WD
普通の車がモノコックと呼ばれる車全体を覆うようなフレームを使用しているのに対し、いわゆるクロカンはラダーフレームと呼ばれるハシゴのようなフレームを採用しています。
このフレームの違いがSUVとクロカンを区別するポイントのひとつでもあります。
どちらも安全性や強度などに一長一短ありますが、悪路走行にはねじれに対する影響や耐久性の面からラダーフレームが最適とされています。
また、サスペンションにも違いがあり、凹凸の激しい悪路を走るためにクロスカントリー車のサスペンションは柔らかく、可動域が大きくなっています。
車自体の強度が非常に高いのでオフロードは走らないけど長く乗りたいという方や、車高の高い車が好きな方からも人気があります。
オフロード車向きのタイヤ
本格的なオフロードを走るには車だけでなくタイヤにも拘らなければなりません。
クロスカントリー車に乗っていてもタイヤがオンロード用のものだった場合、悪路では地面をグリップすることができず、スリップやスタックの原因になります。
いくら4WDでパワーのある車であっても唯一地面と接触する場所であるタイヤが不適切であればその実力を発揮することができません。
ではオフロードにはどのようなタイヤが最適かというと、走行する道路状況により多少の違いはありますが、多くの場合はブロックタイヤと呼ばれる凸凹したタイヤを選択することになります。
悪路に強い反面ブロックタイヤは舗装されていない場所で本領を発揮するように作られたタイヤなので、一般的なオンロードタイヤよりも乗り心地が多少劣ったり、燃費性能に影響がある場合があります。
おすすめのオフロード車5選
スバル XV
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足回りの安心感の高さとアイサイトに定評のあるスバルから、街乗りでも快適なSUVとして販売されているのがXVです。
本格的な4WD車ながらコンパクトな車体で運転がしやすく、グレードの幅が広く選択肢が多いところも特徴です。
車体はコンパクトですがラゲッジスペースが広く、キャンプなどたくさんの荷物を載せたいときにも便利です。
日産 キックス
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今回紹介する車の中では最もコンパクトで燃費の良い日産のキックス。
エンジンで発電した電気を使用して走るという技術を使用していて、エンジン音等が非常に小さく住宅街や深夜でも周辺を気にする事なく乗ることができます。
小さな車体ながら走りは本格的で、2WDしかラインナップされていないという欠点はあるものの、優れた電子制御により悪路でも安定した走りが可能です。
三菱 アウトランダーPHEV
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三菱のSUVといえばパジェロを思い浮かべる方も多いと思いますが、パジェロはすでに生産が終了しており新車で購入することはできなくなってしまいました。
そのパジェロの遺伝子を受け継ぐ新たなモデルとして誕生したのがアウトランダーです。
エンジンと電気の両方を使えるハイブリッド車で、発電した電気で家電製品を動かすことも可能です。
パジェロで培ったオフロードの技術が全て搭載されているので非常に信頼感の高い車に仕上がっています。
スズキ ジムニー
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一部のファンから絶大な人気を誇るスズキのジムニーは、クロスカントリー車のならではのラダーフレームと、状況によって使い分けることのできる駆動方式が特徴の車です。
悪路を走ることを前提に作られたサスペンションや、タイヤの空転を防ぐための電子制御などを備え、かつ安全性も確保するために自動ブレーキなどの安全運転支援システムにも力を入れています。
ジムニーは軽自動車ですが、大きなエンジンと少し車体の幅を広くし安定性を高めた普通車のジムニーシエラも人気の高い車種です。
トヨタ ランドクルーザー
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クロスカントリー車の頂点と言っても過言ではない車がトヨタのランドクルーザーです。
ジムニーと同様にラダーフレームを備え、あらゆる道路状況に対応するための最新技術が投入されているので走りは文句なしに最高レベルで、内装も非常に快適で高級感があるものに仕上がっています。
5人乗りと7人乗り、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが選択できるので家族の人数や用途に合わせてグレードを選ぶことができます。
車体が大きいので存在感はありますが運転が苦手な方は注意が必要です。
まとめ悪路に強いオフロード車でいつもとは一味違った楽しみを
お気に入りのオフロード車に乗っているといつもの日常生活が楽しくなるだけでなく、普通の車では入って行けないような河川敷や林道なども走ることが可能になり行動の幅が広がります。
キャンプ好きの方は穴場のスポットを見つけることができるかもしれませんし、ウィンタースポーツが趣味の方は雪道でも難なく走ることができるでしょう。
どこでも走ることができるという安心感と、普段の運転でも快適な視点の高さと余裕のあるパワー、他にも様々な魅力があるオフロード車に乗って普通とは少し違ったカーライフを楽しみましょう。
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