【カーライフ】家族の中に生きるネオ・クラシックミニバン!―トヨタ・エスティマ(1995年式)―

2018.12.14

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ノア、ヴォクシー、セレナ、アルファード、ヴェルファイア、エルグランド……、街を行けば数多くのミニバンを見かけます。どのクルマもスペース効率や利便性を考え抜かれた珠玉のモデルです。

こうした乗用車タイプのミニバンが販売される前の1960年~70年代は、ワゴン車と言えばキャブオーバータイプ(運転席の下にエンジンが配置されているボディタイプ)が一般的で、トラックやバンなどの商用車から派生した車種が大半を占めていました。1980年代になると、日産・プレーリーや三菱・シャリオといった乗用車発想のミニバンが生まれ、“ポストセダン”を掲げる車種も登場。

そして1990年代になると、上級志向に拍車がかかります。中でも1990年にトヨタから発売された初代「エスティマ」は、まさにセダンの上行く快適性と利便性を持った、新たな高級車の形を提案したパイオニア的存在でした。

01車体の下部は樹脂製のクラッティングで覆うことにより薄く、低重心強調する。アメリカにあるトヨタのCALTYデザインスタジオの手によるもの

目を惹くのはそのフォルムで、2010年代も後半に差し掛かかる現代の目線から見ても美しく、シルエットは伸びやか。当時としてはワイド&ロングなボディは乗り心地にも寄与し、ゆったりとした走行フィーリングも特徴のひとつです。

そんなエスティマに骨の髄まで射抜かれているオーナーさんがひとり。写真のパールホワイトが美しいエスティマに乗るトシオさんです。

トシオさんは今年35歳で、奥様と2人の娘さんを愛する35歳のナイスパパさん。とても温厚そうに見えるトシオさんのエスティマに近づいてみると、「え? さっき納車されたんですか?」と伺いたくなるほどのピカピカのコンディション。優しいパパから熱心な愛車家といった印象に。これまでの愛車遍歴からエスティマへの想いまでを伺ってみました。

車が好き、幼き日の原風景から始まるカーライフ

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「物ついたときからクルマがものすごく好きでした。両親が言うには最初にしゃべった言葉がぶーぶ”だったそうです(笑)そのときの家のクルマは、トヨタスターレットでした。だからクルマといえばスターレットで、スターレットに憧れ、自動車関係の会社に就職しました」

とても素直な理由で自動車関係の道に進まれたトシオさん。ひたむきにクルマへの情熱を感じますが、やはりその熱はたしかで、これまでに11台のクルマを所有してきたそう。

これまでに乗ってきたのはAE100カローラ、18カリーナED、初代エスティマ、グランビア、ヴァンガード、ヴェルファイア、プリウスα、EP71スターレット、3代目(現行)ノアのハイブリッド、そしてこの初代エスティマ中期型 2.4スーパーチャージャーです」

愛車遍歴を聞いてみると、世間的に見ればごく一般的な自動車遍歴が一転。ネオクラシックカーイベントで通り過ぎる人を唸らせるほどのコンディションのエスティマへ華麗にエコ替えならぬ“エモ替え”をしているのでした。一体、何がトシオさんをそうさせたのでしょうか?

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「今乗っているエスティマの前かつて両親が所有していたEP71型スターレットと同型のモデルをセカンドカーとして乗っていました。メインでは3代目ノアを所有していたのですが、スターレットを売却したときに趣味で乗れる、かつ家族で乗れそうなクルマが欲しくなったんです。それで、前にも所有していた初代エスティマの中期型をもう一度探すことにしました」

以前、乗っていた初代エスティマは、諸事情で少しの期間しか乗れなかったのだと言います。くすぶっていた想いが、トシオさんを初代エスティマ探しへと駆り立てたそうです。
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「インターネットで中古の物件を探していたときに見つけたのがこの中期型のエスティマでした。2県隣まで見に行ってきっとこれなら綺麗になるなと思って購入を決めました」

新車のようなコンディション維持

トシオさんのエスティマを目の当たりにすると、博物館の収蔵車が来たのかと思うくらいのコンディションでした。それはタイヤハウスやシャーシの裏にまで及びます。

05シャーシまで磨く手の入れよう。樹脂類の艶がそれを物語る

「購入してからは気になった部品を替え、自作しながらコンディションを保つように手入れをしています。たとえば、低年式車泣きどこであるヘッドランプ周りの割れやすいゴムモールは、他車の部品を流用してアレンジしながら修復しましたし、非常に傷つきやすくデリケートなインパネ周りの防眩塗装は自分で調色して補修しています」

06クール&ホットボックス、木目パネルなどオプション類も充実したインテリア。ラウンディッシュな構成を巧みに取り入れた内装は後のインテリアデザインにも影響を与えた

そうと言われてよく見ても気づけないレベルの修復術はプロ並み。平成のクルマとはいえ23年前の車両。コンディション維持への工夫は驚きの連続です。また、よく見てみると、

メーカーオプションのツインムーンルーフや運転席エアバッグ、クールボックスやテレビなどの快適装備も充実していることがわかります。

075.7インチ液晶カラーテレビ、ダイバシティテレビアンテナはメーカーオプション

「オプション類はいろいろついているのですが、前バンパーのアンダーバーや大型マッドガードといったディーラーオプション用品は、自分で取り付けたものもたくさんあります。マット類はあまり汚したくないので複数枚敷いて使用しています」

08コンディション維持のため、オプションのフロアマットを使用違いで2枚敷く

家族とともに走る。

聞けば聞くほど愛に満ち溢れたコメントが飛び出てくるトシオさん。続いて、エスティマの気に入ってる点を聞いてみました。

初代エスティマは全部好き。嫌いなところが見当たらないくらいです。乗り心地もデザインも車両コンセプトにいたるまで共感できます。特にデザインでは、ブラックアウトされウインドウとなじむドアミラーやスライドレールを隠すボディ構造など、時代を先取りしたような意匠が魅力的です」

09リッチな面構成のどっしりした佇まいがトシオさんのお気に入りポイント。周囲の映りこみが良好なコンディションを感じさせる

このエスティマは普段使用していて、家族でディズニーランドに行ったり花火大会を見に行ったり重宝しています。娘たちもシートの手触りがよくて気に入っているようです。あとは、前に乗っていたスターレットにもサンルーフがついていたので、古いクルマは屋根が開くと思い込んでいるようですね(笑)」

11ツインムーンルーフからの光が降り注ぐ明るい空間。ミッドシップであるエスティマ特有の着座位置はゆったりとくつろげる姿勢と視点にも貢献している

生活とともに生きているエスティマ。最後に今後、このクルマとどう付き合っていきたいかを伺いました。

「一番願うのは、無事故で故障なく、エスティマが動きたくないっていうまで動かしてあげることですね。いたわりながら長く乗れるように、コンディションを維持していきたいです。このクルマは、まったく手放す気にならないんです

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エスティマのことを語るトシオさんは、心底うれしそう。深い愛情を注ぎ、家族の中に生きている自動車の姿に、ネオクラシックなカーライフの新しい方向性を感じました。これかでもエスティマと愛する家族との暮らしを楽しんでください!

text & photo by TUNA edit by 木谷宗義

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