近年、新しい車の持ち方として話題のカーリース。
頭金なし、月々定額ですぐに新車に乗れるとあって、人気が上昇しています。
ただ、人気の一方で「カーリースはやめとけ」という声があるのも確かです。
そこでこの記事では、カーリースはやめとけと言われる理由やデメリットの解消法、逆にこんな人にはオススメといった情報をご紹介していきます。
「カーリースはやめとけ」と言われている理由
頭金を用意しなくて済み、月々定額で急な出費に慌てることもなく、しかも新車に乗れるという便利なサービスがカーリースです。
しかし、それほど便利なのに「やめとけ」と言われる理由は何なのでしょうか。主な4つの理由を見てみましょう。
- 1:契約満了時に車の返却が必要だから
- 2:途中解約ができないから
- 3:走行距離の上限があるから
- 4:カスタムができないから
理由1:契約満了時に車の返却が必要だから
カーリースでは、リース契約満了時にリース車を返却しなくてはなりません。
リース料として車両本体代金や税金、車検代などすべて支払うのに、リース期間が終わったら手元に車が残らないのです。
カーリースのリース料は「残価設定」といって、契約満了時の車の価値(残価)をあらかじめ差し引いたものになっています。
いわば、下取り料を先に値引きしたような形になっているため、損をしているわけではないのですが、その仕組みを知らないと「返さなきゃならないの?」「どうせ返却するのに、車両代金を全部払うの?」と納得いかない気持ちになってしまいます。
また、愛着がわいて乗り続けたい方もいるでしょうし、引き続き車が必要という方もいるでしょう。
リース契約ではレンタカーのように「ちょっと延長」というようなこともできないため、契約満了時のことをあらかじめ考えておくことが必要です。
理由2:途中解約ができないから
カーリースでは原則として、リース契約期間中の途中解約ができません。
リース期間はだいたい3年~11年ほどから選ぶことになりますが、特に長期の契約を結んだ場合は注意が必要です。
リース期間が長ければ長いほど月あたりのリース料を安く抑えることができる反面、契約中に「家族が増えて今の車種では手狭になってしまった」「都会に引っ越すので車を維持するのが困難」といったライフイベントが起きても解約できないことになります。
もし解約せざるを得なくなってしまった場合は、特別な事情が認められる場合を除き、違約金がかかることがあります。
カーリースは「車のサブスクリプション」とも呼ばれているため、音楽や映像配信サービスのように気軽に始めて気軽に辞められると思ってしまい、失敗につながるケースが見られます。
万が一の場合を除き、途中解約はできないと考えてリース期間を慎重に選びましょう。
理由3:走行距離の上限があるから
カーリースで借りたリース車両には、月の走行距離に上限が設けられています。
つまり、マイカーのように乗れるとは言っても、いくらでも走っていいというわけではないのです。
なぜこのような走行距離制限が設けられているかというと、前述の「残価設定」という部分に関わることが理由です。
カーリースではリース期間満了時の車の価値を先にある程度想定しておくのですが、その「車の価値」の中には走行距離も含まれているため、このような制限があるというわけです。
ただ、自由に走れないとはいっても、多くのカーリースでは月に1,000km程度が上限となっていますので、毎日長距離通勤をするというのでもなければ、それほど気にする必要はありません。
日々の買い物や週末のお出かけ程度であれば、あまり乗らなかった月の分も最終的にトータルで計算されるため、毎月厳密に計算しなくても大丈夫です。
しかし、走行距離制限を知らずに長距離通勤をしてしまったり、あるいは契約途中で車通勤が必要になったりといった場合は注意が必要でしょう。
上限を超えてしまうと、契約終了時に1kmあたり何円という単位で追加精算をすることになります。
理由4:カスタムができないから
カーリースでは、自由に車のカスタムを楽しむことができません。
前項の走行距離制限と同じく残価を確保するために、リース車の返却時には元と同じ状態に戻す原状回復義務があるからです。
元に戻すのが容易な装備交換であれば認められていますが、原状回復困難な本格的なカスタムはできません。
ですので、カスタムを楽しみたい方は、どこまで認められるかリース会社によく相談しておきましょう。
しかし、自分はカスタムには興味がないから大丈夫という方でも、逆に「これがカスタムにあたるとは思わなかった」という事態が起こり得ます。
もし自分で原状回復できないと、契約終了時に原状回復費用が請求されることになりますので覚えておきましょう。
「カーリースはやめとけ」のデメリット解消方法
以上、「カーリースはやめとけ」と言われている理由を4つご紹介しました。
カーリースには、車を購入する場合やレンタカーを借りる場合とは異なるカーリースならではの注意ポイントが存在するということです。
では、次にこれらのデメリットを解消する方法をお伝えしましょう。
カーリースのデメリット | デメリット解消方法 |
---|---|
契約満了時に車の返却が必要 | 契約満了時に「車がもらえる」オプションをつける |
途中解約ができない |
|
走行距離の上限がある |
|
カスタムができない |
|
契約満了時に車がもらえるオプションを選択
「契約満了時に車を返却」というデメリットに対しては、「車がもらえるオプション」を付けることで、車を返却不要にすることが可能です。
これはどういうことかというと、リース会社によっては月々数百円から千円程度の有償オプションを付帯することで、契約満了時に車を返却することなく、そのままマイカーとして乗り続けられるというサービスを展開しているのです。
これに加入することにより、車を返却するというデメリットがなくなります。
また、契約満了時に車をもらうか、返却するか、売却するか、別のリース車に乗り換えるのかなどが柔軟に選べるリース会社もあります。
リース会社を選ぶ際には、契約満了時に車を返却する以外の選択肢があるかどうかチェックし、希望の選択肢があるところを選ぶといいでしょう。
なお、車がもらえるオプションは契約時の加入が必須となり、原則として途中からは付けられないため注意しましょう。
契約年数をしっかりと検討
「途中解約ができない」というデメリットに対しては、契約年数をしっかり検討することがおすすめです。
まずは、今後数年~10年ほどの自身のライフイベントや収入・支出の予定、そして車の使用頻度と必要性を紙に書き出して整理してみましょう。
またその際に各カーリースの公式サイトを参照すれば、車種やオプションを選んでリース年数ごとの月額料金を表示させ、大体の金額をシミュレーションすることができます。
リース期間は長いほど月額料金が安く抑えられますが、その分、不測の事態が起こる可能性も高まりますので、ちょうどいい契約年数を見極めることがカーリースで失敗しない大きなポイントとなります。
契約プランをしっかりと検討
「走行距離の上限」というデメリットについては、契約プランをしっかり把握することで対応しましょう。
カーリースには走行距離に上限が設けられているとご説明しましたが、これは各リース会社ごとにかなり幅があります。
走行距離制限ナシというカーリースもあれば、走行距離の上限をいくつかの選択肢から選べるカーリースもあるのです。
まずはご自身の月の走行距離がどのくらいになりそうかを割り出し、多いようであれば、「走行距離無制限オプション」があるカーリースを選ぶのも一つの手です。
原状回復できる範囲でカスタム
「カスタムができない」については、原状回復できる範囲でのカスタムを楽しむことで乗り切りましょう。
本格的な改造を施すのであれば、カスタム完全OKのカーリースを探すか、「車をもらう」前提のプランを選んでリース会社に相談するのがいいでしょう。
ただ、そうでなければ、あくまで原状回復を前提としたカスタムを楽しむのが良策となります。
これはどのデメリットにも言えることですが、知らずに契約して「こんなつもりじゃなかった」となってしまうのと、きちんと把握していて出来る限り工夫するのでは心持ちも違います。
契約時までに様々な不安や疑問点をリストアップしておき、リース会社に相談してそれらを解消するプランがないかどうかなど聞いてみるのがおすすめです。
↓↓↓
3分で分かる!カーリースのメリット・デメリットを分かりやすく簡単に解説します
カーリースの5つのメリットを理解しよう
カーリースにはカーリースならではのデメリットもありますが、一方でたくさんのメリットも存在します。
ここではカーリースの5つのメリットをご紹介しましょう。
メリット1:初期費用、頭金が不要
カーリースの最も大きなメリットと言えるのが、初期費用や頭金が不要なことです。
車を買うとなれば新車でも中古車でもある程度の頭金が必要となり、いわゆるマイカー貯金をしなくてはなりませんが、カーリースではこれを用意する必要がありません。
納車時にかかるちょっとした初期費用もないため、いわば「手ぶらで」新車を迎えることが可能なのです。
たとえば、結婚や引っ越しと同時に車を持ちたいけれど車の頭金までは手が回らないといった方にもぴったりのサービスとなっています。
メリット2:定額コミコミで安心
カーリースのリース料には、車両本体代金のほか自動車税や重量税、自賠責保険料、車検代にメンテナンス代までが定額の月額料金にコミコミになっています。
リース期間中ずっと月々定額なので家計の予定も立てやすく、年に一度の自動車税や数年に一度の車検代といった、ふいの出費に慌てることもありません。
また、税金の支払いの手間や払い忘れといったこともなく、車にあまり詳しくない方や初心者の方でも車の維持がスムーズです。
マイカーとして自由に乗ったりカスタムすることはできないものの、その分、管理の手間が格段に減るのは大きなメリットです。
メリット3:自分にあったプランの選択が可能
カーリースではリース会社によって、様々なプランが用意されています。
契約年数の選択はもちろん、支払いにボーナス払いを含められたり、メンテナンスをさらに充実させられたりと、リース会社によって特色があるのでいくつかのカーリースをピックアップし、比較してみるのがいいでしょう。
特にメンテナンスについては各社で用意している内容が大きく異なりますので、好みに合わせて選ぶことができます。
中でも特に大きいのが車検の扱いで、車検代をフルカバーするメンテナンスプランに加入必須というところもあれば、車検代を含まないメンテナンスプランを用意しているところ、あるいはメンテナンスプラン自体の加入が必須でないところなど、本当に様々です。
ご自身のカーライフに合わせて、柔軟なプラン選択が可能となっています。
メリット4:自分にあったオプションの選択が可能
前項のプランと同様、オプションについても様々な選択が可能です。
カーナビなどのいわゆるオプション装備のほか、前述した「車がもらえるオプション」「走行距離無制限オプション」など、カーリースでもマイカーのように乗れるようなサービスが最近どんどん増えてきています。
これらのオプションを駆使することで、マイカーとカーリースのいいとこ取りをすることも可能となっています。
各カーリースの公式サイトでは、ぜひオプションについてもチェックしてみてください。
メリット5:経費としての計上が可能
個人事業主や自営業の方がカーリースを利用する場合、リース料を全額経費として計上することが可能です。
「自営業者が仕事用の車を経費で落とす」というと当たり前に聞こえるかもしれませんが、リースでなく購入する場合は、その購入費用の全額が経費になるわけではありません。
一般的に車は不動産のような「資産」にあたるため、現金一括購入した場合は「減価償却」という形で毎年少しずつ経費計上しますが、初年度の負担が大きくなってしまいます。
またローン購入の場合は、ローン返済費用は経費にできず、利息分だけが経費となります。
その点、カーリースのリース車両は「資産」ではなく「リース品」という扱いになるため、清掃の備品やプリンターなどのように毎月のリース料を丸ごと経費にすることができます。
リース料には税金や車検代などすべてコミになっているため、面倒な勘定科目の仕訳もなく、自営業者にとってはラクでお得なサービスといえます。
「カーリースがおすすめ」と言える人
ここまでカーリースのメリットやデメリットなどをご紹介してきましたが、「こんな方にはカーリースがおすすめ」といえる人をピックアップしてみました。
ご自身に当てはまるかどうか、ぜひ検討してみてください。
初期費用なしで新車に乗りたい人
初期費用をかけることなく、しかも中古でなく新車に乗りたいという方はカーリースがおすすめです。
車を購入する際の頭金や初期費用は、200万円ほどの軽自動車であっても数十万円はかかってしまい、車を所有する際の最も大きなネックとなっています。
また、初期費用を抑えるために中古車を買うという選択肢もありますが、燃費や安全装備などの点でやはり新車が優れているため、初期費用なしで新車に乗れるカーリースはお得といえます。
今すぐ車が必要な人、中古車市場を探し回る時間や知識がない人、やっぱり新車がいいという人にはカーリースが向いています。
月々固定額で車に乗りたい人
車の維持費には様々な種類があり、毎月、毎年バラバラの費用がかかります。
そのため、月々決まった固定額で車に乗りたい人にはカーリースが最適です。
自動車税は年に1回、交換部品のメンテナンスはその都度、車検は新車登録から3年後とその後は2年ごとなど、車を所有すると時期がバラバラな費用が多くかかります。
車検では車種によって約10万円ほどもかかるため、うっかりしているとこのような高額出費は大きな痛手となってしまいます。
カーリースではこれらの出費がすべて月額料金にコミになっているので、税金や保険、消耗部品の交換で慌てる必要はありません。
結婚や出産、お子さんの進学などなかなか読めない出費が多い中、車の費用だけでも必ず固定というのは大きな安心感につながるため、定額に魅力を感じる人にはおすすめです。
長距離運転をしない人
前述のようにカーリースではその多くで走行距離の上限が設けられていますが、長距離運転をしない人にはそのデメリットがほとんどないため、おすすめです。
主な用途が日々の買い物、家族の送り迎え、週末のちょっとした遠出のほか、年に数度の帰省や旅行といった程度であれば長距離ユーザーとはならないため、距離制限を常に気にする必要はほぼないでしょう。
リース期間中ずっとこのような乗り方をする予定であれば、カーリースを選ぶデメリットとはならず、メリットを存分に享受することが可能です。
車へのこだわりが強くない人
車へのこだわりが強くない人は、カーリースに向いています。
長距離ドライブやツーリング、カスタムの趣味などもなく、日々の足として利用するだけであれば、カーリースの利便性を存分に活かすことができます。
車種やグレードが豊富に選べるカーリースもありますが、メーカーなどが限定されている分お得なカーリースもあり、リース会社選びにおいてもこだわりがあまりない方は有利です。
あるいは、車へのこだわりが強いけれど、セカンドカーとしては手間のかからないカーリースを選ぶという方もいます。
車は移動手段であり、リース車両として賢く活用するという意識でいる方にはカーリースがぴったりです。
経費で処理したい人
個人事業主や自営業主をしていて、リース料を経費で処理したい方には購入するよりカーリースが向いています。
現金一括購入でも経費にすることは可能ですが、減価償却という仕組みを用いるため、費用を払ったその月、その年にすぐ計上することはできません。
その点カーリースであれば、払った月額料金をそのまますべて経費としてその場で計上できるため、節税対策にもなります。
快適なカーライフに向けて
今回は、「カーリースはやめとけ」と言われる理由やデメリットの解消法、カーリースがおすすめな人などをご紹介いたしました。
知人や友人に「カーリースなんかやめておけ」と言われたら不安になってしまうかと思いますが、その理由を知った上で自分の利用方法に合うのであれば、どれもさほど気にならないかもしれませんね。
また最近では個人向けのカーリース会社が増えてきていますので、取扱い車種や契約期間を比較しながら選んでいくことをおすすめします。
以下の記事では、最新情報を元にカーリース会社を比較したランキングを紹介していますので、参考にしてみてください。
メリットを存分に活かして使いこなし、快適なカーリースでのカーライフをお送りください。