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【2022年最新】円安が車業界に与える影響とは?それぞれの動向や状況を徹底解説

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本記事を執筆中の2022年11月下旬、1ドル140円周辺を推移しています。
2011年11月あたりでは円高が進み1ドル75円ほどだったので、10年ほどでドルから見た円の価値が半分ほどになってしまいました。

日本の車業界において、この大円安はどのような影響を与えているのでしょうか。
普段の生活では円安をダイレクトに感じることはないため、イメージがつかみにくいかもしれません。

そこで今回は円安が車業界に与える影響を動向や状況を含め解説します。
車業界に今何が起こっているのか、興味がある方はぜひ覚えていってください。

円安が車業界に与える影響とは?


そもそも円安・円高とは何かという疑問とそれぞれが車業界に与える影響を解説します。

  • そもそも円安・円高とは?
  • 円安が車業界に与える影響とは?
  • 円高が車業界に与える影響とは?

そもそも円安・円高とは?

円安とは他の通過に対する相対的な価値が低い状態をいいます。
逆に、円高とは相対的な価値が高い状態です。

2011年11月は75円と1ドルが同じ価値であり円高でしたが、2022年11月は140円と1ドルが同じ価値で円安です。

一般的に、円安は輸出するときに、円高は輸入で大きな恩恵を受けられます。

円安が車業界に与える影響とは?

円安は自動車メーカーには良い影響を、部品メーカーには悪い影響を与えることが多くあります。

自動車メーカーが海外で自動車を売ると外貨が手に入ります。それを円に換算すると、円高のときより多くの円を取得したことになります。
例えば車を売って10000ドル手に入れたとすると、1ドル75円の円高だと133万円、1ドル140円の円安だと71万円です。

一方、日本国内に販路を持つ部品メーカーはその恩恵を受けられないばかりか、高騰する原材料やエネルギー代などに悩まされるでしょう。

例えば、アルミ1kgを2ドルで輸入し、部品にして国内メーカーに1,000円で卸せるとします。
1ドル75円のときは1000-75*2 = 850円の利益が出ます。
しかし、1ドル140円だと1000-140*2 = 720円の利益になり、さらにその利益から人件費などを引くとほとんど残らないかもしれません。

同じ仕事をしていても利益がガクンと小さくなってしまうということです。

円高が車業界に与える影響とは?

円安とは逆で、円高だと車メーカーは収益が悪くなります。

一方、日本が主な取引先である部品メーカーにとってはエネルギー代が安くなるので有利に働きます。

2022年円安による車業界への影響


2022年の円安で、実際に車業界にどのような影響があるのかを解説します。

  • 新車・中古車の動向
  • 国内外の動向
  • 輸出輸入の状況

新車・中古車の動向

新車はあまり値段が変わっていませんが、中古車は高騰しています。

新車は他のメーカーとの競合などで大きく値段が上げられないこと、中古車は半導体不足も相まって新車が手に入らないため需要が高まっていることが原因です。
安く日本車が買えると輸出需要が増加したことも中古車の高騰を後押ししています。

国内外の動向

自動車メーカー各社で、売上高が予想より大幅増という結果になっています。

円安が自動車メーカーに良い影響を与えるとはいえ、昨今はエネルギーや素材の価格が世界的に高騰しています。
円安になりすぎているのも事実で、為替で原材料高騰などを十分にカバーできるだけの恩恵があるのかと聞かれると、カバーしきれていないというのが現実です。

事実、トヨタ自動車は売上の増加はしていますが営業利益(売上-原価など)は思ったほど増加していません。

輸出輸入の状況

輸出は非常に好調です。
日本車が安い値段で買えるとあって、特に外国で好まれる大きな車を中心に海外輸出が活発になっています。

一方、輸入は苦しい状況が続き、それほど円安でなかったコロナ前と比較して30万台ほど新車登録台数が減少しています。

2022年円安以外にも車業界に影響を与えていること


円安以外にも車業界に影響を与えている以下の2つの事象を紹介します。

  • 半導体不足
  • 原材料・エネルギー価格上昇

半導体不足

世界的な半導体不足も車業界に大きな影響を与えており、多くの自動車メーカーが新車の製造計画を下方修正せざるを得ない状態です。

半導体とは温度によって電気をどれだけ通すかが変わる性質を持つ物体で、ケイ素がその材料として有名です。
温度によって電流を制御できる性質が重宝されており、電子機器の頭脳ともいえる集積回路に欠かせません。

車を始めパソコンやスマートフォンなど、半導体が使われているものは私たちの周りにたくさんあります。

昨今のコロナウイルスの拡大や米中間の経済摩擦、輸送コストの急騰などで半導体が不足しでいます。

半導体が手に入らないので、自動車メーカーは新車の生産計画を下方修正せざるをえないということです。

原材料・エネルギー価格上昇

半導体不足と同じく、原材料・エネルギー価格上昇も、車の販売価格を引き上げている要因のひとつです。

世界的な人口増による需要の拡大、地球温暖化の影響、世界情勢の未透視の悪さなどから様々なものが高騰しています。
鉄やアルミなどの原材料をはじめ石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー関連も軒並み価格上昇しており、新車の製造に大幅なコスト増をもたらしています。

特に安さを売りにしている車は製造コストの増加分を販売価格に上乗せもしにくいので、企業努力で切り抜けるしかない苦しい状態が続いています。

まとめ


円安が車業界に与える影響を解説しました。

円安は自動車メーカーには良い影響を、部品メーカーには悪い影響を与えることが多くあります。
ただ、1ドル140円のような大幅な円安は自動車メーカーにも悪影響で、事実トヨタ自動車は売上が増えてはいますが営業利益は思ったほど増加していません。

また、円安だけでなく半導体不足や原材料・エネルギー価格上昇も車のコストアップならびに販売価格の高騰に拍車をかけています。
新車より中古車の方が高い逆転現象が起こっているケースも珍しいことではありません。

この先ずっと円安が続くわけではないといえ、いつまで続くかは分かりません。
車が高くて手に入りにくいため買い換えるのも大変です。ぜひ今の車を大切に乗ってください。

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