ターボは軽自動車やコンパクトカーなど排気量が小さい車に多い機能です。
小さなエンジンでも、ノンターボの車（NA車）と比べて、ターボ車は力強く上り坂を登っていけます。
しかし、ターボがどのような仕組みか知らない方もいるかもしれません。
また、ターボはメリットばかりでなくデメリットもあります。
そこで今回は、ターボ車についてその仕組みやNA車との違い、メリットとデメリット、代表的なターボ付き軽自動車を紹介します。
坂が多く道が狭い日本ではターボの活躍の場は多いでしょう。
ターボかNA車か迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ターボ車とはどのような車？
ターボとはターボチャージャー（turbochager）の略で、日本語で過給機のことです。
過給機とは圧縮空気をエンジンに送る機械のこと。
つまりターボ車とは過給機が付いた車という意味です。
ターボ車の仕組み
エンジンは大きく分けると以下のような流れでタイヤを回転させるための推進力を産み出しています。
- 空気と気体のガソリンをピストン内に取り込む
- ピストンを引いて取り込んだ気体を圧縮する
- 圧縮した気体に火花を散らし爆発させピストンを押す（ここで発生する力が推進力）
- 発生したガスを排気する
より強い爆発を起こすには、よりたくさん空気とガソリンをピストン内に送り込む必要があります。
エンジンを大きくしないで、つまりピストンの大きさを変えないで空気をたくさん送り込むためにターボが使われます。
ターボ車とNA車の違い
ターボが付いていない車をNA（Normal AspirationもしくはNatural Aspiration）といいます。NAは日本語でいうと自然吸気です。
また、ターボがないという意味でノンターボと呼ぶこともあります。
ターボ車とNA車の物理的な違いはターボが付いているか付いていないかだけ。
ただ、その有無で性能は大きく異なります。
ターボ車のメリットとデメリットとは？
ターボ車をNA車と比較したメリットとデメリットを解説し、どんな人におすすめかを紹介します。
ターボ車のメリット
ターボ車のメリットはなんといっても「小さい排気量でもパワーが出せる」ということです。
荷物をたくさん積んだ軽自動車でも坂道を力強く登っていけます。
NAの軽自動車では、アクセルをベタ踏みしているのに上り坂でスピードがなかなか上がらないということも珍しくありません。
ターボ車のデメリット
ターボ車のデメリットは以下の通りです。
- 燃費が悪くなる
- 値段が高い
- エンジンオイルの交換頻度があがる
ターボ車はガソリンを多く噴射するのでそれだけ燃費が悪くなります。
例えば、スズキのハスラーを例にすると、ターボ車は22.6km/LでNA車は25.0km/Lと1割程度ターボ車の燃費が低くなっています。（参考：スズキHP）
また、NAより部品数が増え構造も変わるので車両本体価格が高くなります。
例えば、再びハスラーを例にすると、ハイブリッドの上級モデルでターボ車は1,612,600円、NA車は1,518,000円と約10万円の差があります。（参考：スズキHP）
最後にターボ車はエンジンに負担がかかるためエンジンオイルの交換頻度が上がります。
ターボ車は「5,000kmまたは6ヶ月」に対してNA車は「1万5000kmまたは1年」と両者には大きく差があります。（参考：JAF）
ターボ車がおすすめな人
金銭的な負担が多少重くなってもいいので、快適な走りをしたいと考える方におすすめです。
坂が多い地域に住む方、荷物を多く載せる方、同乗者が多い方も多く恩恵を受けられるでしょう。
軽自動車のターボ車とNA車を比較してみよう！
ターボとNAの両方が設定されている車を、軽自動車に絞って紹介します。
- スズキ：ハスラー
- ホンダ：N-ONE
- 三菱：ekスペース
スズキ：ハスラー
出典：スズキHP
上でも例として挙げたハスラー。
爆発的に売れたスズキの車で、キャッチコピーは「遊べる軽」です。
ターボで力強いパワーを手に入れれば、より様々な場所に快適に遊びにいけることでしょう。
ホンダ：N-ONE
出典：ホンダHP
続いて紹介する車がホンダのN-ONEです。
シンプルで丸目な愛らしいデザインの車かつ、コンパクトで駐車場などにも入れやすいです。
ターボのN-ONEは、見た目からは想像できない力強い走りを見せてくれるでしょう。
三菱：ekスペース
出典：三菱HP
最後にekスペースを紹介します。
軽ハイトワゴンであるekスペースは、車内が広々しており子育て世代にもピッタリな車です。
最上位グレードのTのみターボを搭載しています。
乗車人数が増えてもぐんぐん伸びる走りをターボが実現してくれます。
軽自動車でもターボで力強い走りを実現！
ターボ車とはなにか、そしてメリットとデメリット、NA車との違いについて解説しました。
ターボとは過給機のこと。
エンジンにより多くの空気を送り込むことでパワーを出すための装置です。
ターボのおかげで低排気量の車も力強く上り坂を上がっていけます。
ただ、その分ガソリンを多く使うので燃費が下がります。
そして、NAと比べてパーツが増えるので車両価格が高くなりますし、メンテナンスの手間も増えてしまいます。
軽自動車でも快適な走りをしたいという方は、ぜひターボ車を試してみてください。
関連記事
・【自分で出来る】エンジンルームの清掃方法とは？掃除の頻度と注意点について
・エンジンオイルのセルフ交換の道具・手順・注意点について
・元整備士が教える！エンジンオイル添加剤とは？利用するメリット・デメリット
