自動車の消耗品や交換部品は数多くあります。タイヤ、エアコンフィルター、ワイパーゴムなどなど。これらはセルフで交換する方も多いと思います。
ここで気になってくるのがエンジンオイルです。カーショップやディーラーに頼んで交換してもらっている方が大半ではないでしょうか?
他のものと同じように、エンジンオイルも自分で交換したい。そう思う方に向けて、今回はエンジンオイルのセルフ交換のために必要なものや手順・注意点を紹介していきます。
大変な作業にはなりますが、それだけ達成感は大きいです。興味がある方は挑戦してみてくださいね。
前提知識:エンジンオイルの交換方法には2種類ある
エンジンオイルの交換方法は上抜き・下抜きの2種類あります。それぞれメリット・デメリットがあるので紹介していきます。
エンジンオイルを上抜きするメリット・デメリット
上抜きとはエンジンの上からポンプで古いエンジンオイルを抜き出す方法。
まずはメリットを紹介します。
- ジャッキアップしなくていいので楽
- 車の下に潜り込まなくていいので安全
- ボルトやパッキンを傷つけない
続いてデメリットです。
- 車種によっては上抜きできない
- 古いオイルが少し残る場合もある
上抜きは仕上がりはもう一声ですが、楽で安全な方法です。慣れていない方はこちらを選択するのが無難でしょう。
エンジンオイルを下抜きするメリット・デメリット
下抜きとは自動車の腹下にあるドレンボルトから古いオイルを抜き出す方法で、メリットは以下の通りです。
- どんな車種でもエンジンオイルを抜ける
一方、デメリットはこちら。
- ジャッキアップが必要なので労力がかかる
- 腹下に潜るので危ない
- ドレンパッキンの交換が必要
自動車を整備するための工具や設備が揃っていて。ジャッキアップにも慣れている方はこちらですね。
慣れていないのならこちらで。上抜きするための道具・手順・注意点
まず、エンジンオイルの上抜きで必要な道具です。
- 交換用のエンジンオイル
- 廃油処理ボックス
- オイルジョッキ(オイルを入れるためのジョウロのようなもの)
- オイルチェンジャー(オイルを抜くためのポンプ)
手順は以下の通り。少し暖気してエンジンオイルを温め粘度を下げるのがポイントです。
- 1.5分程度エンジンを動かし暖気する
- 2.オイルゲージのパイプから、オイルチェンジャーのノズルをオイルパンの底に着くまで差し込む
- 3.ポンプを動かし古いエンジンオイルを抜く
- 4.新しいエンジンオイルを入れて1分ほど暖気する
- 5.オイルゲージを見つつ、エンジンオイルの量を調整する
上抜きは下抜きに比べて非常に楽。ただ、古いエンジンオイルが抜け切らない可能性が高いことが欠点でしたね。
オイルチェンジャーのノズルを回転させたり、数カ所に向けたりとできるだけ吸い取るようにしてください。
知識と経験・工具に自信がある上級者向け。下抜きの道具・手順・注意点
エンジンオイルの下抜きは危険が伴うためできれば上抜きをおすすめしますが、一度は下抜きもやってみたいですよね。そんな方は下の道具を用意してください。
- 交換用のエンジンオイル
- 廃油処理ボックス
- オイルジョッキ(オイルを入れるためのジョウロのようなもの)
- 工具類:メガネレンチ・トルクレンチ・ソケット(ご自身の車に適合する大きさのもの)
- ドレンパッキン(ご自身の車に適合する大きさのもの)
- パーツクリーナー(こぼれたオイルを拭いて綺麗にするため)
- 耐油手袋
- ジャッキ(車を持ち上げる道具)
- リジットラック(ジャッキアップ後に保持する道具)
用意するものが多く下抜きは中々大変です。続いて手順も紹介していきます。こちらも結構労力が必要なので気合いを入れていきましょう。
- 1.ボンネットを開けオイルキャップを少し緩める
- 2.ジャッキアップしリジットラックをセットする
- 3.廃油処理ボックスをドレンボルトの下に設置する
- 4.レンチでドレンボルトを外して古いエンジンオイルを排出する
- 5.ドレンパッキンを新品に交換し、ドレンボルトを締める
- 6.ジャッキを下ろす
- 7.少し緩めたオイルキャップを閉める
- 8.新しいエンジンオイルを入れて1分ほど暖気する
- 9.オイルゲージを見つつ、エンジンオイルの量を調整する
ジャッキアップをして腹下に潜らなければいけないのが大変かつ危険です。注意点も上抜きと比較して多くあります。
- 必ずリジットラックを使って、ジャッキが外れても潰されないようにする
- ドレンボルトは規定のトルクで締める
- 古いパッキンは必ず取り除く
リジットラックを使わずに作業して、ジャッキが外れ潰された死亡事例もあります。安全のために必ずリジットラックを使ってください。
また、ドレンボルトは規定のトルクで締めてください。ドレンパッキンは決まったトルクで効果が発揮するようにできているので、締めすぎも緩めすぎもNGです。
ドレンパッキンのパッケージに書いてある適正トルクを遵守しましょう。
意外とやりがちなのが古いパッキンを取り除かずその上に新しいものをつけて締めてしまうこと。オイル漏れの原因になるので、古いパッキンを取り除いたことはしっかりと確認してください。
エンジンオイルのセルフ交換は難易度高いけど、おもしろい
エンジンオイルのセルフ交換は自分の車への愛情が大きい人じゃないと、中々手を出しにくいです。大変かつ危険なのでお店に頼んだ方が無難かもしれません。
しかし、やってみたい気持ちもとても理解できます。一度くらい挑戦してみても悪くないのではないでしょうか。