新車購入をご検討中の皆さん、商談に何より必要なものは見積書です。1枚入魂?それとも、いっぱい集めて営業マンを悩ませますか?
某ディーラーの元トップ営業マンが教える『新車購入時に商談を有利に進める準備』の第2弾は、見積もり編です。
さて早速答えを申し上げますと、筆者が考える理想の枚数は『3枚』です。もちろん皆さんのスケジュールや地域のディーラーの展開状況等で3枚を集めることが難しいことも多々有ると思います。
もしくは1社目のディーラーさんとの相性が非常に良く、そのお店で決めるケースもあるでしょう。
この記事では、筆者の考える「見積書3枚の集め方と根拠」に迫っていきます。あくまで1つの例として参考にしていただければ幸いです。
見積書を提出する側になりましょう!
見積書とは営業マンがお客様から要望を聞き、作り、提案するものです。それをお客様側から提出するとはどういうことでしょうか?
新車を購入した経験がある方はピンとくるかもしれません。他ディーラーでも見積りを作り、それを商談のテーブルに提出するのです。
いわゆる相見積もりです。
見積りを作る上での注意点。
実は前記事にて購入予定の車種グレードを絞る重要性を記事にいたしました。本記事においても車種グレードはある程度決まっているものとします。
また、地域や販売会社によっても内容は異なりますので、1つの参考として頂ければと思います。
まず見積りを作るうえで200万円の車と300万円の車で悩んでいる。というのは商談にマイナスとなります。営業マンにとっては、値段の土俵が違う車同士で見積りを見比べてもお客さんのニーズを把握しきれません。
300万円の車(例、オプションましまし)を200万円にしろという人はいないでしょうが、300万円は高いだろう!もっと安くしろ!という方は案外いらっしゃるのです。
はっきり言って、営業側が売った後メンドクサイお客になりそうだと判断すれば条件=値引きは出なくなる可能性が高くなり、当たりさわりのない値引きで終わってしまうでしょう。
車という商品はアフターフォローで付き合う年数が長く、営業マンにとってはその後のサービスで入庫してもらうことが重要ですので、長い付き合いの中で対応の難しい顧客になりそうなら、そもそもお断りなのです。
何回、商談交渉しても値引きが結果として渋いままとなってしまいます。それだけ高い物を売買するということはお互いの信頼関係が必要なのです。
重要!見積りと相見積り!
では3枚の見積りの作り方について考えていきましょう。
同車格帯に分類される1BOXといった同カテゴリー、そしてA社とB社の同価格帯で悩んでいるという状態です。つまり本命と対抗馬を調べておくべきです。
ここを面倒に思って省略すると、大事な手札が減ることになります。大事な商談の武器を取りに行くのだと考えましょう。
では3枚の見積りはどこで入手するか。下の例をご覧下さい。
※社名や車種はあくまで参考です
- 本命車種の見積り(例、日産セレナ。日産ディーラーA)
- 本命車種だが別地域、出来れば他県のディーラー見積り(例、日産セレナ。日産ディーラーB)
- 他メーカーの競合車種の見積り(例、トヨタBOXY)
グレード、オプションは差異があれ同程度にするよう注意しましょう。
3枚必要な根拠とは。
さて、大切な休日の時間を使って3枚の見積りを入手しました。3枚も集める根拠はなんぞや?と思われるでしょう。1枚ずつ入手する理由をご説明いたします。
取りに行く順番は気にしないで大丈夫です。本命店舗にはまた商談に行く為、最低でも2回以上は行くことになるでしょう。
本命車種の見積り(例、日産セレナ。日産ディーラーA)
これは本命。メーカー、車種はあくまで例とします。
お店も家からある程度近い場所となって来ます。購入後の点検や整備で訪れることを考えれば遠いお店を選ぶことはお勧めできません。勿論、元々の付き合いがあり担当営業マンがいる等すれば、最寄り店舗である必要はないでしょう。
本命車種だが別地域、出来れば他県のディーラー見積り(例、日産セレナ。日産ディーラーB)
基本的には販売会社(~~販売株式会社といった)ごとに販売テリトリーがあります。ディーラーの合併統合やデータの共有化は全国的に進んでいます。
各ディーラーで事情は変わってきますが、同販売会社内だとお店ごとに市区町村等でテリトリーが区切られており、お客様データの作成をし、見積りを作成しています。
自分のお店で見積りを作っている人が隣の店舗で見積りを作成していたらわかるようになっています。つまり同販社の別店舗なら自分のテリトリーと主張することでライバル店に即商談を打ち切らせることができるのです。
ですので、少なくとも別の販売会社に行く必要があります。
他県となると、近くのお店でも違う地域と判断し個々店舗が譲り合うことがない傾向になります。現在の様に販売店がメーカーホールディングス化し統合される前から、他県ディーラーは対岸にいる敵でしかありませんでしたので、その心情的な名残もあるのかもしれません。
ライバル販社がちょっかいをかけてくる前にハンコをつかせてしまえと商談がすこぶる早いこともあります。
長くなりましたが、同じメーカーでも地域を変えることでライバル見積りとなりえるのです。
他メーカーの競合車種の見積り(例、トヨタBOXY)
この見積りは問題ないでしょう。注意点はグレード、オプションはなるべく近いもので揃えることだけです。本命の車種見積りを先に作ってあれば、それを持って行き同程度を検討している旨を伝えれば作成してもらえるでしょう。
4枚以上集めたらどうなの?
情報は多い程いいですし、それだけ営業マンもお客さんが欲しい車、ニーズを把握し易くなると思います。例えば、他メーカーの競合車種をさらに集めるのも有効です。集める手間が問題ないのであれば、立ち寄るといいでしょう。
車種が決まっている事が前提ではありますが、見積書の枚数が多いと本命営業マンが自分の商談はただの踏み台なのか本命なのか判断がつかなくなる可能性があります。
あなたは本命ではないよ。ではなく、あなたの車がすごく気に入っている!と伝えなければ、商談に本腰を入れて来ないものです。
その為、「他メーカーではこの車が候補だったのだけど、御社メーカーの方が良さそう!だからあなたのお店と、もう1店舗で悩んでいる。」
上記の論法であれば本命と思わせる為に3枚あれば、基本的には商談を成立させることが出来ると筆者は考えております。
ちなみに別項で述べた本命の他県、他地域ディーラーにもう1枚見積りを取りにいくのも有効だと思いますが、遠くなりがちなので面倒を考えると1枚あれば良いのではないでしょうか。
3枚の見積りについてご理解いただけましたか?
今回は3枚の見積りの必要性について記事にさせて頂きました。見積りを作るならば、値引き額も知りたいところです。
次回は、見積りの作成時の値引きの聞き方。値引き額の基準等、実際に商談に入っていきます。自分だけが損をする。高掴みするような心配はありません。
どっしりと商談に挑みましょう。