【コラム】アイサイトの進化のために。信号機や横断歩道も整備されたスバルのテストコース

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シミュレーション技術の進化によって、新車の開発時、実車を組み上げなくても性能解析や走行評価ができるようになってきています。しかし、クルマは実車を走らせなくてはわからないことも多いもの。自動車メーカーは、数ヶ月から何年もの時間をかけてテスト走行を行い、ブラッシュアップを図っていきます。

そのために欠かせないのがテストコースです。今回、スバルのテストコースを見学できる貴重な機会をいただいたので、その様子をお伝えします。

目次

アイサイトとクルマの進化のためのコース

訪れたのは、北海道中川郡美深町にある「スバル研究実験センター美深試験場」。もともとは、冬の間に雪上試験などを行うために整備されたもので、年を重ねるごとに悪路や高速周回路なども整備され、さまざまなテストが行われています。

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近年のスバル車では、「走る・曲がる・止まる」といった基本性能の向上はもちろん、安心運転支援システム「アイサイト」の開発も重要です。

アイサイトは、フロントガラス上部設置されたステレオカメラによって、前走車や歩行者、自転車や障害物などを検知し、ドライバーにさまざまな情報を与えてくれたり、緊急自動ブレーキを作動させてくれたりするシステムです。その開発のためには、ある程度、実社会に近い環境が必要とされます。

そこで2017年10月、スバルは約30億円をかけて美深テストコースを改修し、高速道路のゆるいカーブ、合流などで道が分岐する道路パターン、街中での信号や横断歩道などを整備したのです。さらに、ラウンドバウト(円形交差点)も整備されました。

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実際にコースを見てみると、高速周回路ではガードレールや行き先案内板などの設備はありませんでしたが、その様子は私たちが目にする高速道路そのもの。合流や、次第に車線がなくなっていく分流の部分など、アイサイトのカメラが悩みそうな場面も再現されています。市街路区域では、右折レーンの斜線区間や矢印信号などもありました。

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現在のところ建物がないため見通しは良いのですが、将来的には建物や障害物の設置も検討しているそう。報道陣に先行して地元の方にお披露目されたそうですが、建物を作る話を聞いた方は、「コンビニを作って!」とか、「仁宇布地区(テストコースのある地区)には信号がひとつしかなかったのが、一気に増えたな」といった冗談も聞かれたそうです。たしかにコンビニがあったら便利かもしれませんね(笑)。

最新のアイサイトはどんなものなのか?

このテストコース視察に先立って、新型レヴォーグとWRX S4の報道陣向け公道体験会がありましたので、新たに採用された「アイサイト ツーリングアシスト」を試した印象もお伝えしましょう。都内を起点に、首都高など渋滞が起きやすい環境で試すことができました。

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「アイサイト ツーリングアシスト」は、0km/hから前走車に追従し、前走車だけでなく車線も検知しながら適切にレーンキープのアシストを行ってくれます。実際に首都高でアイサイト ツーリングアシストの機能を使ってみると、車線境界線を見ながら適切に車線の真ん中にいるようにステアリングがアシストされ、車線境界線が消えていたり前走車によって見えにくくなっていたりする状況では、前走車の動きに合わせて追従する様子がわかりました。

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しかし、首都高のような急なカーブが多いところでは、レーンキープ機能がキャンセルされ、自分でステアリングを操作しなくてはいけない場面もありました。アシストが切れた瞬間、ふいにステアリングが軽くなって慌ててしまうことも……。またフロントウィンドウに表示される警告サインも慣れないと何を警告しているのかわかりにくく、まだまだ進化の余地はあるように感じました。

アイサイト ツーリングアシストは、美深のテストコースが改修される前から開発され、高い精度と機能を持っています。今回新しくなったテストコースが開発に用いられるようになれば、より精度は上がっていくでしょう。運転の楽しさを残しながら、できる部分はシステムに任せようとするスバル。その進化に期待していきたいです。

text & photo by 雪岡直樹+Bucket

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