【豆知識】原点は1989年!?スバルの「EyeSight」の歴史と進化

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レガシィやインプレッサがWRC(世界ラリー選手権)で活躍していたころは、「スバル車=走りのクルマ」というイメージも強かったものですが、安全運転支援システム「EyeSight(アイサイト)」が登場してからは「スバル車=安全性の高いクルマ」のイメージも定着しました。

ではこのEyeSight、一体いつからその歴史が始まったのでしょうか? 今回は安全運転支援システム「EyeSight」の歴史と進化を簡単に振り返っていきます。

目次

車載用ステレオカメラの開発は1989年にスタート

EyeSightは、人間の目と同じように物体を認識できる、2つのカメラを用いた「ステレオカメラ」を用いています。スバルが車載用ステレオカメラの開発を開始したのは、1989年のこと。実に30年近く前から研究をしていた技術なのです。

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レガシィ ランカスターADA(1999年)

ステレオカメラ技術を使ったシステムが初めて、実用化されたのは1999年。「ADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)」の名で、レガシィ ランカスターに搭載されたのが最初です。このころはまだプリクラッシュブレーキ(緊急自動ブレーキ)は備えておらず、車線逸脱や車間距離の警報、車間距離制御クルーズコントロールといった機能のみ。

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ADA作動イメージ

ADAは、2003年にミリ波レーダーを加えたタイプに進化し、カメラが苦手な夜間や霧の中での正確性を高めましたが、約70万円と高価な装備だったために、装着率は極めて低いものでした。

EyeSightが登場したのは2008年!

EyeSightが登場したのは、2008年。4代目レガシィのときに採用されました。ステレオカメラのみで従来からの警報機能の他、初めてプリクラッシュブレーキを搭載。「全車速追従機能付クルーズコントロール」も実現しながら、20万円程度と低価格になったことで、注目されるように。

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レガシィ ツーリングワゴン2.0GT EyeSight(2008年)

そして2009年。5代目レガシィの一部改良時に「EyeSight Ver.2」が搭載され、「ぶつからないクルマ」のキャッチコピーとともにブレイクを果たします。Ver.2最大のポイントは、プリクラッシュブレーキが「完全停止」するようになったこと。今までのプリクラッシュブレーキは、速度は落としてくれても停車までは行いませんでした。それが30km/h以下なら衝突を回避できるようになったのです。そしてシステム価格も約10万円と、本格的な普及を見込んだ価格になり、多くのユーザーがEyeSight装着車を選ぶようになりました。

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レガシィ ツーリングワゴン2.5i EyeSight(2009年)

現在、EyeSightは「Ver.3」まで進化しています。Ver.3では、ステレオカメラの視野角や距離を拡大したことや、カメラをカラー認識化したことで認識力をアップ。車線逸脱についてはステアリング操作のアシストも行う「アクティブレーンキープ」へと進化しました。EyeSight Ver.3(2016年12月現在)に搭載される機能をまとめると、以下のとおり。

・ぶつからない技術=プリクラッシュブレーキ
・ついていく技術=全車速追従機能付クルーズコントロール
・はみ出さない技術=アクティブレーンキープ
・飛び出さない技術=AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御
・注意してくれる技術=警報&お知らせ機能

EyeSightにより人身事故件数が60%減に!

2016年1月、スバルは2010年度から2014年度に国内で販売したスバル車を対象とした、人身事故件数についての調査結果を発表しました。それによると、EyeSight装着車は非装着車に対して、車両同士の追突事故がおよそ80%、対歩行者事故は約50%、全体では60%も人身事故件数が減少したとか。

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スバルは2016年10月に発売した新型インプレッサで、EyeSightを全車標準装備にしました。これだけ高機能な安全運転支援システムが200万円以下のクルマにまで標準されたことは、画期的な出来事です。「交通事故ゼロ」を目標に掲げるスバルが、これからも安全技術でリードしていくことは間違いないでしょう。

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text by 木谷宗義,photo by SUBARU

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